2011.01.08
新年あけましておめでとうございます。修士1年の菊池です。
授業やゼミ以外での「学びの場」を紹介する【私の学びの場】シリーズ、第5回目となる今回は、僕が現在参加しているNHK出版、大日本印刷との共同研究についてです。
この共同研究では、「電子端末向けアプリケーションの共同開発」を全体の目的としており、僕たち研究者がこのプロジェクトにおいて担う役割は、学習効果の評価を行う部分になります。また、複数あるプロジェクトの中で僕が参加しているのは、小学生向けの英語学習教材をiPad上で動くアプリケーションとして開発するプロジェクトです。
僕は現在までに、このプロジェクトの中で、小学校「外国語活動」についての調査や、家庭内における親子での学習についての調査を行ってきました。以前に自身の研究についてのエントリーを書いた際にも紹介させていただきましたが、僕はもともと小学校での英語学習に興味をもっていたため、自分の研究を進めている感覚でこのプロジェクトに参加することができています。ただし、このプロジェクトに参加する中で、「これは個人での研究活動では得られない経験だろう。」と思うことも多々あります。今回は、そのような「共同研究をやっているからこそ得られる経験」に焦点を当て、自分が学んでいることについて2点紹介したいと思います。
1. 所属が異なる人との交流
まず当然のことですが、共同研究では所属の違う人との交流があります。普段の学生生活の中ではなかなか出会うことができない社会人の方たちと「仕事を通じて」お話をすることができ、物事に対する視野が広がっていると感じます。また、当然のことではありますが、議論を行う上では修士1年の僕も「研究者の一人」としての扱いを受けます。真剣な議論の場で「研究者としての自分」を表現できる機会であり、非常に恵まれた経験をさせていただいていると感じています。
2. 社会へ還元されるモノづくり
次に、モノづくりに対して感じることについてです。先程も述べましたが、この共同研究の目的はアプリケーションの開発にあります。僕は、学部4年生のときの卒業研究の際にも開発研究をしておりました。当時は小学生を対象とした国際理解学習の支援をテーマにしており、そのときも今と同様に「学習者にとって最も良いモノを作りたい」という思いをもちながら開発研究をしておりました。ただ、今になって卒業研究のことを振り返ると、「当時あんなに頑張って作ったモノが、今後活かされることはないのではないか・・。」といったような空虚感を感じることがあります。しかし、今回のプロジェクトで開発しているアプリケーションは一般の社会に対して還元されていくものです。開発を伴う共同研究を行うときの面白さは、まさにここにあるのではないかと思っています。
今回は、僕が参加している共同研究における、「所属が異なる人との交流」と「社会へ還元されるモノづくり」の2点に焦点を当ててお話をさせていただきましたが、もちろん、共同研究に参加することによって学べていることはこれだけではありません。修士1年の段階でこのようなプロジェクトに参加させていただけることに感謝しつつ、少しでも社会に貢献できるように、今後も研究を進めていきたいと思います。