2010.12.14

【エッセイ】読書体験の共有と電子教科書

NHK出版が、読書体験を共有できるサイト「Share Reader」を公開しました。
このサイトでは、電子書籍アプリケーションで選択した部分をTwitterで投稿し共有することができるようになっています。
現在、「フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略」がAppStoreで、1週間限定で無料公開されています。
私も早速試してみましたが、本文を引用しながらディスカッションできることに新しい可能性を感じました。

KindleやiPadの登場により電子教科書が注目されています。現状は紙の教科書で行われてきたことのシミュレーションに関する議論が主流ですが、長期的には、紙を超える付加価値をどう実現するかという方向に向かうでしょう。そういう意味で、電子教材は教科書のメタファーを超えて、アプリ化し、ソーシャル化していくだろうと考えています。

読書体験の共有は、文献購読のゼミなどでもすぐに導入できそうです。予習として電子書籍で読んだ上で議論のポイントをあらかじめ共有し、授業では議論から始めることによって、報告から議論へ活動の中心を転換できる可能性があります。

図書館の電子化というインフラ整備が完了した暁には、読書体験のソーシャル化が大学の授業スタイルを大きく変える日が来るかもしれません。

山内 祐平

PAGE TOP