2010.09.11
みなさま,こんにちは。修士1年の柴田アドリアーナと申します。
学習や教育に関連するキーワードを解説する【学びのキーワード】シリーズ!
第6回のキーワードは「放課後学習」です。
最近、学校の伝統的な学習の限界に応じて、学校外の様々な学習活動に注目しています。その活動の一つは放課後学習です。
◆「放課後学習」とは
放課後学習を簡単に定義すると:授業が終わった後、教室でやり残した勉強や宿題などをして、補習を行うことです。つまり、通常クラスを終えてから行う学習活動、インフォーマル学習のことです。
◆「放課後学習」の重要性
・ 授業が終えてから親が仕事から帰ってくる時間までの間をカバーする。
→ 親に安心感を与えます。
・ 学習時間の延長。
→ 大人や他の子どもたちとの相互作用
・ 自信や自尊心の改善。
→ その他、表情、態度、行動にもポジティブな影響を与えます。
・ 教養や学業成績を高め、才能を伸ばす機会。
→ 子どもの発達に直接関連します。
社会的な面
社会的不公正が高い国々では放課後で行う活動はとても重要だと教育専門家や政策立案者の間に認識されています。それは特にマイノリティや低所得者の児童•生徒に対して、言語の習得や社会的一体性を支える環境になるからです。そして、さらに実行されている地域には、個人だけではなく、コミュニティにもポジティブな影響を与えているという報告があります。
◆「放課後学習」の事例と可能性
ここで紹介したいのは「Fifth Dimension」というプロジェクトです。この放課後プロジェクトは米国で生まれ、現在、様々な国でも行われています。
「Fifth Dimension」では子どもたちはコンピューターゲームを通して、放課後で大学生と共同的な学習をしています。では、このプログラムの目的を見て、「放課後学習」の対する幾つかの可能性を並べてみました。
・ 学業成績を高めるために、放課後の時間に豊な環境を提供する。
→ この環境は理論に基づいて作られました。このように年齢に応じて、子どもの発達を目指している設定を提供する事ができます。
・ コンピューターを使いながら、女性やマイノリティの間に起こるデジタルデバイドの問題を緩和する。
→ デジタルデバイスを通しながら、様々な体験をする可能性が広まります。
・ 違いを重視する構造を立てる。
→ 異年齢、異文化、異なる宗教、人種、経済的背景の方々と交流できる環境になります。この設定では異文化理解、言語の問題を通しながら学び合う機会の可能性を示します。
・ 大学教職員と大学生にもふさわしい学習環境を設定する。
→ 大学生は子どもと共に活動し、授業で学んだ事を実体験することができます。そして、子どもにもとって、勉強のために大きな動機付けになると思われます。
・ 持続可能なプログラムを開発。
→ 大学と地域のコミュニティの交流で進んで、自然に発達して独立して行くプロジェクトが可能になります。
以上で、簡単に「放課後学習」について説明をさせていただきました。このテーマに関わる理論や研究はまだたくさんあります。可能性の広い分野なのでこれからの成果に期待しています。
◆ お勧めの書籍
Cole, M. (2006). The fifth Dimension: An After-School Program built on Diversity. Russell Sage Foundation.
[柴田 アドリアーナ]