2010.08.25

【エッセイ】講義と宿題が逆転する

The Chronicle for Higher Educationの記事「Killing the Lecture With Technology, Part II」に講義と宿題を逆転させた授業の事例が紹介されていました。以下に記事の該当部分を訳します。

"ウィスコンシン大学マディソン校のグレゴリー・モーセ教授は、コンピュータ科学の授業で「講義ー宿題パラダイム」を逆転させる試みを行っている。講義を見た後で宿題をするというやり方の代わりに、学生は授業外の時間でオンラインで講義を視聴し、授業は教員の監督下において学生が問題解決を行う「研究室」として位置づけている。"

オープンコースウェアに始まったOpen Educationl Resourcesのムーブメントは、様々な形で展開されています。Appleの8月24日のプレスリリースによれば、「iTunes Uのダウンロードが3億回を超え、世界中の800もの大学がiTunes Uにサイトを開設している」そうです。

従来、講義の公開は、大学外の学習に寄与するものとして考えられてきました。モーセ教授の試みは、オンライン講義のアーカイブを大学の授業に戻す形態の1つとしてとらえることができるでしょう。

5年前はオンライン学習は対面学習と対立するものとしてとらえられていましたが、今では多くの授業でインターネット上の学習資源を使うことが常態化しており、ブレンド学習とよばれるオンラインと対面の組み合わせ学習のパターンや割合の差としてとらえる方が現実的になってきています。

本日づけで、東京大学の講義と公開講座がiTunesUで公開されています。従来通り、UTOCWおよびTodai.TVでもご覧いただけます。

これらの教育リソースが、宿題などの形で大学の学びでも活用されることを期待しています。

[山内 祐平]

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