2010.04.29
みなさま、はじめまして。
今年度から山内研で学ばせていただきます、修士課程1年の菊池裕史と申します。
【今年の研究計画】シリーズの第5回を担当させていただきます。
私の研究計画ですが、タイトルにも書きましたように『ICTを活用した国際理解学習の支援に関する研究』です。うーん、分かるようで分からない、と思われる方が多いかと思います。正直に言いますと、私自身もまだ頭の中がまとまっておらず、うまく言語化して説明することができません。しかし、当然のことではありますが、このタイトルは私が関心をもっているキーワードから構成されています。もう1度、今度は区切りをつけながらタイトルを見てみたいと思います。
『ICTを活用した/国際理解学習の/支援に関する研究』
私が現在関心をもっていることは、「ICTを活用して学習支援を行うこと」と「国際理解学習をテーマとして扱うこと」の2点です。今回はこの2点について説明させていただきたいと思います。
■ICTを活用して学習支援を行なうこと
まず、「ICT」という略語がどのような意味をもつのか、ということについて考えてみたいと思います。皆様は日常生活を過ごす中で、「ICT」という言葉を耳にすることがありますでしょうか?「IT」という言葉に比べると、ほとんど耳にする機会がない言葉であると思われますが、この「C」という文字は、情報通信技術を教育に利用することを考える際におきましては、非常に大切な要素を表していると考えられます。IT、ICTは以下の用語の略字です。
IT:Information Technology
ICT:Information and Communication Technology
「C」は上述した通り、Communication(通信)を表しています。現在におきましても、様々な場面で情報「通信」技術を利用した学習が盛んに行なわれています。身近な例を挙げますと、「語学学習」などは、情報通信技術の恩恵を多いに受けることができる分野であると考えられます。従来行なわれてきた「教科書や参考書を読んでCDを聞く」といったような単純な学習方法に比べて、インターネット(通信)を利用した学習は、より高度で複雑な学習を行なうことができます。たとえば、
・新聞社のWebサイトを訪問して最新のニュース記事を読む・聞く
・EメールやSNSを利用して文章を書く・読む
・IP電話を利用して話す
といったような、情報通信技術が発展する以前では考えることもできなかったような学習を行なうことが可能となりました。多様なイノベーションを引き起こす可能性をもつと考えられる「情報通信技術」の進展に注意深く目を向けながら、効果的な学習のために活用できると考えられた際には、積極的にICTを研究に取り入れていこうと考えています。
■国際理解学習をテーマとして扱うこと
情報通信技術の進展と同様に、グローバル化の進展も現代の社会を捉える上での大きな特徴と言えるでしょう。それに伴い、「異文化の理解」や「外国語運用能力の向上」などの大切さが様々な場面で強調されています。文部科学省も2008年に小学校学習指導要領の改訂を告示し、新学習指導要領では、小学校5・6年生に対して週1コマの「外国語活動」の授業を実施することとしました。中学校以降で行なわれる「外国語」科目が既に体系的なカリキュラムを構築しているのに対し、小学校での「外国語活動」科目はゼロからの試みになります。
どのような内容を扱い、どのような活動を行うことが、小学校段階での「外国語活動」科目にふさわしいのでしょうか?
私は、中学校で行なわれている「外国語」科目につながっていくような、その準備の段階となるような、外国語習得のための動機を高める活動がふさわしいと考えています。また、動機づけを行う手段として、国際理解学習を提案したいと考えています。
「学習者がどのような状態になると国際理解が行われたと言えるのか。」「国際理解が行なわれると外国語学習への動機づけが高まるのか。」などといった、検討しなくてはならない課題は山積みですが、これから少しずつ考えていこうと思っています。
まだまだ未熟な研究計画ではありますが、上述した2点を軸として、研究を1歩ずつ進めていきたいと考えています。