2009.06.30

【エッセイ】次にはやるもの

仕事柄、よく「次のはやりはなんですか?」と聞かれます。
私は学習と情報通信技術の「間」を研究のフィールドにしてきました。この領域ではこの10年、インターネットやモバイル技術など、新しい技術の登場が教育や学びの新しい形を直接規定する研究が多かったように思います。(○○技術の教育利用など)
このような時代には、最初の質問には特定の技術の名前で答えていました。
しかし、技術の普及はある閾値を超えると、ゆるやかな変化におさまっていきます。Web2.0のブームにはじまりSNSやCGMが潮流になった現在は、インターネットが技術駆動型イノベーションである時代の終わりを示唆しているのではないかと思います。技術的仕組みよりも、人びとがつながることによって生じる付加価値の方が大きくなりはじめているからです。
技術の発展が止まることはないでしょうが、今後は、技術そのものよりも、それによってもたらされる社会システムの変容がイノベーションの駆動要因になるステージに移行していくのではないかと考えています。

【山内 祐平】

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