2009.03.26

【私とylab、この一年】プレッシャーとの共存

【私とylab、この一年】第7回は、D2の佐藤が担当いたします。

前回までに研究室の皆さんが、修士2年間の研究の流れや研究における理論と実践の葛藤、研究がある種コミュニティの結晶体であるということ、研究を継続する為にビジョンを模索していく大切さ、自身の野望と研究が成し得る事とのギャップというべきもの等々、鋭意執筆されてましたがどれも共感の連続!でした。

ゼミメンバーとはテーマや対象、研究手法も異なるのですが、研究を進めていく上で感じたり悩んだりすることは同じなんだと改めて気づきました。と同時に苦しい状況・・・博士課程に進んでも、研究を進めていく上では相も変わらず同じような悩みを抱え苦しみながら作業をしております。

ということで、新たな視点を思い付く事もできず、お恥ずかしいのですが、私事を徒然なるままに報告させて下さい。

恐らくこのブログをお読みの皆さんにとっては些細な事かもしれませんが、この1年、私はいくつかの大きなプレッシャーに押し潰されそうな日々を過ごしていました。

まず1つ目が国際会議での発表です。
お手伝いさせて頂いているプロジェクトの方からのお声がけでED-MEDIAという国際会議に挑戦することになりました。幸運にもFullPaperとしてacceptされ、海外で初めての発表を体験することになったのですが、英語のスキル不足に加え海外の学会のお作法も身につけていない私にはまさに清水の舞台から飛び降りる思いでした。

次に研究における支援原理の構築です。
修士論文の時と同様(成長していないのでは?と不安になるほど)、研究として筋の通る支援原理をなかなかまとめることが出来ませんでした。けれども被験者さんのご都合から実験のデッドラインは決まっていました。しかも遅くなればなるほど被験者さんの負担が大きくなってしまうということで、自分の無力さから迷惑をかけてしまう・・・と悶々としたやり切れない日々を過ごしていました。

最後に開発研究の実験です。
今回の実験は、開発したWebアプリケーションを27人の被験者さんに約1ヶ月間使用してもらうというものでした。各自がWebカメラで映した映像を扱っていくシステムで、開発だけでなく運用も、精神的・肉体的にかなりきついものになりました。集合でのインストラクション後、ご自宅で使用してもらうのですが、PCと接続された複合機とWebカメラの相性が悪く、出張メンテナンスや出張録画なども行いました。特に被験者さんたちが人生の一大事とも呼べる大事な時期におり、貴重な時間を費やしてもらうという事がかなりのプレッシャーとなりました。

どれも、大失態を犯して研究を頓挫してしまうのではと不安に苛まれていました。

本来であればプレッシャーを克服する方法をブログでお披露目出来れば皆さんへの知見となったと思うのですが、私の場合、克服したというよりは、周囲にボヤき、騒ぎ立てる中で何とか思い止まり、乗り切ったというものでした。「どうしよう・・・」「困った・・・」「もう駄目かも・・・」と後輩にも、研究室周辺の方々にも、先生にまでも漏らしていました。博士課程の学生としては何とも頼りない話です・・・。

そんな中で、時にはアイデアのヒントをもらったり、親身に愚痴を聞いてもらったり、実験開始時のインストラクションの準備を手伝ってもらったり、励ましてもらったり、混乱を整理してもらったり、データを一緒に見てもらったり、山内先生の辛抱強いご指導をはじめ、数えればキリが無いほど周囲の方に支えてもらいました。

これからも研究を続けていく上で、恐らく新たな挑戦が続いていく事になると思います。
と同時にプレッシャーもさらに大きくなっていくかもしれません。
克服は出来ずともこれらのプレッシャーと共存していく覚悟で頑張っていこうと思います。
周囲の方々には大変申し訳ないのですが、これからもどうぞよろしくお願いします。

[佐藤 朝美]

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