2009.03.21
みなさまこんにちは。
【私とylab、この一年】第6回は、M1の岡本がお届けいたします。
早いもので、私が東京大学大学院、学際情報学府、そして山内研究室(ylab)にやって来てからもう1年が経とうとしています。
その中には、限られた字数では表せないほどのできごとがあるのですが、今回は私がylabに来て気づいたことのいくつかを書かせていただきます。
個人的な体験にもとづく個人的な感想ですが、大学院や研究室生活に(これから)関わりのある皆さまにとって、何らかの参考になれば幸いです。
●研究って何?
私はylabにやって来て数ヵ月の時、完全に行き詰まりました。
私の研究テーマは「大学研究室が成果をあげる要因の分析」で、私は院試の時からこのテーマをしようと思っていました。
そんな想いがあったからこそ、大学院で思いっきり研究に取り組めば、研究室をうまく運営するための完璧な知見が得られるに違いないと思いこんでいました。
また、「おもしろければ良い」「社会にインパクトを与えることが大事」というマインドの方たちと、学部時代に好き勝手なことをしてきた経験も、私の考え方に大きな影響を与えていたようです。
だから、実際に修士の学生ができることの"小ささ"に、一度私はガッカリしてしまったのです。
その時には、「先行研究をもとにあなたの研究の新規性を説明して。」「あなたが言っていることの一部しか修士ではできない。」と言われるたびに、「そんなちっちゃな、つまらないことをするために大学院に来たんじゃない。」とふてくされていたように思います。
でも私が幸運だったのは、そういう思いを話せる人、受け止めて「でも、こういう意味があると思うよ。」と意見してくれる人が周りにいたことです。
今は、「日々考え、手を動かし続けることを積み重ねることでしか、何も達成できない」と思います。
また悩むことはあると思うのですが、自分にとって研究が何なのか、いったん腑に落ちました。
●長く続けるために
上に書いたことともつながりますが、「やりたいことを長く続けるためにはどうしたら良いのか。」という視点が身についたことも、この1年の成果でした。
学際情報学府での大学院生活は、想像以上の忙しさです。
授業のグループワーク、発表準備、ゼミ発表の準備、研究室の行事運営......。
どれも真剣に取り組めば面白いし、自分にとって有意義なものなので、ついつい目の前のことを必死でやり遂げ、それが終わればまた別のことに必死で取り組んで...という、言わば「短距離走の繰り返し」を重ねていたのが、この1年の前半でした。
ちょうど夏の終わりに、私は息切れしてしまいました。
やりたいことを長く続けるためには、そういう取り組み方をしなければいけません。
具体的には、自分にとって、そして他の人にとって何が大事なのか、何が面白いのかを、きちんと知ること。
自分だけがむしゃらにがんばるのではなく、人と協力しながらつくりあげること。
そして先輩は、同じ学年の人は、何をどういう風に進めているのかを知ること。
これらに関する気づきも、この1年の収穫だと思います。
私の悩みに一緒に付き合ってくださったみなさま、ありがとうございました。
もうすぐ後輩が研究室にやってきます。
自分自身が残りの修士生活で、どんな風に変わっていけるのか、そして新しいメンバーで何が生まれるのかが楽しみです。
[岡本 絵莉]