2009.01.24

【クローズアップ教材】大学とオープンコンテンツ

みなさまこんにちは。
【クローズアップ教材】第6回は、M1の岡本がお届けいたします。
今回取り上げるのは、カーネギーメロン大学から提供されている、Open Learning Initiativeです。

実は私は最近まで、より多くの人がより簡単に大学にある知識にアクセスできるようになる「オープンコンテンツ」の動きがこんなに盛んだということを知りませんでした。
というわけで今回は、オープンコンテンツの例としてOpen Learning Initiativeに触れながら、大学の意義などについて私が感じたことも少し書かせていただきたいと思います。

さっそくOpen Learning Initiativeのトップページ(http://www.cmu.edu/oli/index.shtml)をひらいてみましょう。
そして、左上のタブから「open&free contents」をクリックすると、ウェブ上に無料で公開されている様々な教材のラインナップが見られます。
現在、統計、化学、経済、フランス語、物理などのコンテンツが公開されていることが分かります。
試しに「Engineering Statistics」を覗いて見ると、このOpen Learning Initiativeの特徴が良く分かります。
いちばん上には「このコースの使い方」そして「統計とは」というチュートリアルがついており、初めてここにアクセスし、コンテンツを理解しようとする人にとってはかなり親切な作りになっています。
また、実際の学習内容もかなり分かりやすく整理されています。
まるで予備校のテキストみたい!...すごいですね。
もちろん言語は英語ですが、この内容のまとまり方を考えると、(少しでも知識のある分野であれば)英語学習の教材としても使えそうです。

このOpen Learning Initiativeを提供しているカーネギーメロン大学は、アメリカでも有数の名門大学です。
ちょっと考えると、大学がこのように親切丁寧な教材を無料で公開しているのか不思議ではないでしょうか?
私はこうした現象は、社会における大学の位置づけについて考えるひとつのきっかけになると思います。
大学は知識を生産し、その知識を継承する場であり、こうした活動を担う人間を育成してきました。
その中で、大学が「象牙の塔」であるという批判もありましたが、現在は世界的な「大学の大衆化」が進んでいる状況があります。
これに伴う様々な問題もありますが、これまでに作られた知識の体系にアクセスできる機会が増えるという点では、喜ばしいことではないでしょうか。
もう既に存在する「知識」を広く開放すれば、知識生産に様々な形で関わることのできる人が増え、大学はより新しい知識をよりたくさん生み出すことができます。

大学を愛する者として、やや「大学バンザイ」側に偏った意見かもしれませんが、すばらしくまとまったOpen Learning Initiativeを見て、以上のようなことを考えていました。

[岡本 絵莉]

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