2008.11.20
「みんなの授業」第6回は、M1の岡本がお送りいたします。
今回は、今年度の夏学期に開講された「文化・人間情報学研究法3」をご紹介します。
「文化・人間情報学研究法3」は、山内祐平先生と水越伸先生が担当されている、
講義+実践形式の授業です。
~前半:講義~
様々な領域で行われている実践研究の概要や、ワークショップのデザインの基本、
その内容の評価の仕方について、講義形式で学びます。
講義形式と言っても、質疑応答やディスカッションももちろんあります。
「なぜ実践研究なのか」という点や研究の方法論については、講義の後にも、他の
受講者と話が盛り上がったりしました。
~後半:実践~
グループに分かれてワークショップ案を作成し、実践します!
もちろん実践するだけではありません。
自分たちが企画・実践したワークショップの評価も行い、その結果を発表します。
なお、結果の発表は授業の受講者だけでなく、過去にこの授業を受講していた
先輩や卒業生の方などにもお越しいただきました。
今期は約20名が受講していたのですが、「仕事としてワークショップに関わった経験
がある」という人や「ここに来るまでワークショップなんて知らなかった」という人など、
いろいろな人がいました。
当然、各自の研究テーマや専門も様々です。
そうした中で、興味・関心をすり合わせ、一からワークショップを企画・実践していくのは、
予想とは違う難しさがあります。
ワークショップのアイデアを考える中で、「参加してくれる人に、普段使わない頭の部分を
使ってほしいよね」ということを何度も話したのですが、「普段使わない頭の部分」をいちばん
使ったのは、私たち受講者ではないかとさえ思いました。
今年は、「色」「音」「声」「人生ゲーム」などをキーワードにしたワークショップが企画・実践
されました。
本実践までの間に、グループメンバーや先生方とミーティングを重ね、場合によっては
複数のプレ実践を行い、案を練り上げて行きます。
途中、思いもよらない発見やトラブルがあり、どのグループも大変だったようです。
でも実際のワークショップで、参加者の方から「こういうところが面白かった!」と、思っても
みなかった部分でのフィードバックをもらったときには、純粋に楽しいと感じました。
もちろん、修士の研究で手法としてワークショップを用いる人はほんのわずかです。
でも、「研究対象、あるいはそれに関連のある事柄に積極的に関わる機会を持つことで、
いかに多くの知見を得られるか」については、この授業で多少なりとも感じることができたの
ではないかと思います。
個人的には、「他の人と協同してひとつの企画をつくりあげていくことの難しさ、楽しさ」に
ついても、考えさせられる部分がありました。
自分の考えをきちんと伝えながら、他の人の考えを聞き、「じゃあ、こうしたら良いかもね!」と
新たなかたちが生まれるプロセスは、難しくもワクワクするものです。
一緒に企画をしたグループのメンバーには、感謝することもいろいろあります。
他の研究室の院生と交流する機会としても、こうした授業は貴重だと感じました。
きっと来年も開講されると思うので、どんなワークショップとそれにともなうドラマが展開される
のか、楽しみです。
[岡本 絵莉]