2008.08.15

【山内研と私】在りたい自分のイメージを “見る” こと  (森)

山内研に至るまでの軌跡【山内研と私】。
第8回は博士課程の森が担当します。

今回は、「山内研究室への」道のりということで、
研究者を志してから「山内研究室」を選ぶまでを中心に書いてみたいと思います。


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そうは言っても、ごく簡単に前置きを。

私は大学院に進学する以前、ワークショップや広報活動など、美術館の教育普及に関心を持っていました。そのテーマで卒論も書きました。
その一方で大学3年の時、東京大学人工物工学研究センターにて開催されていた有限設計ワークショップに参加し「制約の中でデザインする」という考え方を学びました。
終了後、このワークショップに参加したメンバーの中から有志で集まり実践を開始しました。そして、人がつながる場のデザインや、人がつながるための道具のデザインを考えていく活動を行いました。その後、周囲は就職や進学で一人減り二人減り、徐々にワークショップはしなくなっていきましたが、私は一人で活動を続け国内各地を転々とし実践を続けながら過ごしてきました。
ですが・・25歳の時、「研究をしたい」と考えるような転機が訪れるわけです。(その経緯はかなり深く長い話になりますので、機会があればまた。)


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研究をしたいと考えるようになってからは、幾人かの先生に関心あるテーマについてお話しし、研究室訪問やゼミ参加などをさせていただきました。
そういった中で、山内研究室に決めようと思った理由は「環境」です。

「どうせ学ぶならば、自分に足りない部分を刺激してくれるような環境に背伸びしてでも身を置くことで、自分はもっと成長できるのではないか」
このように考えて山内研を選択したことを、今でもはっきり覚えています。

当時自分に合っている環境だとは、正直なところみじんも思いませんでした。
でも、今の自分ではなく将来なりたい自分のイメージを、そこに “見る” ことができました。

私は、山内研でどのような物語が繰り広げられるのかを予想することはできませんでしたが、その物語が面白そうであることはわかりました。
そして、そこで振る舞う自分を、とても見てみたいと思ったのです。

「在りたい自分をイメージできる環境を選ぶこと」
これが私の現時点でのセオリーです。
そのためには、どう在りたいかについて思索をめぐらす必要があると同時に、
いろいろな環境に身を置くという実経験を通じ、比較の中で居心地の良い環境を探していくことも重要です。


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予測がつかない物語を感じさせる環境に身を置いたことで、この4年間、自分の軌跡をとても楽しめたように思っています。

そして、余談ではありますが・・
軌跡こそが学習そのものであるということを、今、改めて実感しています。


[森 玲奈]

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