2008.08.01
山内研にやってくることになったきっかけを紹介する、【山内研と私】の第6回は、岡本絵莉が担当させていただきます。
これをお話しするためには、そもそも私がなぜ大学院に進学しようと思ったのかからお話することになります。
私は「大学研究室が成果を輩出する要因について」というテーマを追いかけようと思って、大学院にやってきました。
研究者が好きで、京都大学に在籍していた学部時代の頃から研究者支援のNPOや、大学研究室活性化の実践活動をしていた私は、『こうやれば研究はうまく行って、みんな幸せになれます!』といった、ひとつの大きな答えを、大学院(で行う自分の研究)に求めていたのです。
というのも・・・実践を通して大学教員の方とお話ししていると、「岡本さんの言う“いきいきした”研究室の定義は?」「研究室の活性化をしたら研究成果が出るという実証データがあるの?」と頻繁に尋ねられるのです。(当然のことなのですが。)
なんとか「ほら!こんな研究結果がありますから、研究室運営はこうすれば良いんです!」と言って、論破できる研究成果をあげられるような場所、という視点で、大学院を探し始めました。
そんな中でどうやって山内研を見つけたかというと、ずばり「ウェブ検索」です。
ですので、もし皆さまが「大学院や研究室の選び方を知りたい」という視点で本記事をお読みでしたら、あまり参考にならないかもしれません。
ただ、ひとつ言えることは、「研究室選び、百聞は一見にしかず」でしょうか。
(これは研究室の研究を志す者としてのアドバイスでもあります!)
何か追いかけたいテーマがぼんやりとでもあるのならば、それをできる環境にあるのかどうか。もしまだ分からない(という状態でも進学できる場合・分野)ならば、そこに自分の身を置くことで、自分はどう変わっていけるのか。
人それぞれ違うのだから、自分の目で確かめに行くことをおすすめします。
さて、『こうやれば研究はうまく行って、みんな幸せになれます!』という“答え探し”としての研究を始めてから、4ヶ月が経ちました。
今私は、研究という活動のおもしろさ、独特さ、難しさを痛感しています。
単なる実践活動であれば、「研究室の運営に興味がある先生らしいから」という理由でヒアリング先を選定できていたのに、研究としてはダメです。
単なる実践活動であれば、「次の実践をアピールする時に使えるデータをとろう」という基準でアンケート(というかマーケティング)できていたのに、研究としてはダメです。
「それは研究としてはダメ」と突っ込みを受けていると、「なんで“研究として”しないといけないんだっけ(実践だけしてれば良いのでは)・・・」と考えこんでしまうことがあります。
でも、実践活動だけしていて行き詰まったのも事実です。
自分が目指すものに向かい、着実に積み上げていくために、やはり研究という活動は「使える」し、そういう意味で、私は大学や、研究の意味を信じています。
ただし、私一人が確実に積み上げられるものは、あまりにも小さなものです。
また、自分の非力さを日々痛感してしまいます。
そして、何かを積み上げられたからと言って、それがそのまま誰かの役に立つとは限らない・・・。
私の持つ限られた時間の中で、何ができるのか、悩みながら進んでいこうと思います。
そうして、エゴでしかないかもしれないけれど意味があると信じたい自分の研究と、求められていることに応えることで日々精一杯の私を、山内研とその周りの方々は見守ってくださっています。
[岡本絵莉]