2008.07.04
第二回目の「山内研と私」は、M2牧村が担当いたします。
このブログでも何度か書きましたが、以前は修士課程まで6年間、都市や建築について勉強していました。
先輩に誘われて「ワークショップ」と出会ったのは学部生の頃です。元々子どもが好きだったこともあり、子ども向けのワークショップと聞いて喜んで手伝いに行きました。
それ以来、ミュージアムや市の施設、小学校、自分が卒園した幼稚園など、色々な場所でワークショップに関わるようになりました。
私のワークショップとの出会いは、参加ではなく、企画、ファシリテーションからだったのです。と言ってもその頃はファシリテーターなどという言葉は知りませんでしたが。
1度目のM1になった時、ナンシー・フィンレイ先生という指導教官のデザインしたワークショップに参加したのが、初めてワークショップの参加者になった経験でした。
そこで自分自身が様々な体験をし、ワークショップというデザインされた仮設的な環境で感じたり気づいたことが、日常生活にも大きな影響を与えていると感じるようになりました。
それが、私の中で「ワークショップ」と「学び」がつながった出来事でした。
ただ、私の中で、そのワークショップから学んだ事が何かということを、ハッキリと言葉で表すことができずにいました。
そんな中、その体験を本にし、展覧会をするという企画が持ち上がり、参加者同士で1年間かけて話し合い、その中で次第にわかってくることもありました。同じ体験をしていても人によって受け取り方が異なるということもわかってきました。
そのことから、ワークショップでの学びは、何か決まった学ぶべきものを受け取るという種類のものではないということ、また、長い時間をかけて効いてくるということもあり得るのだということを実感しました。
ワークショップを始めた当初は、ある空間の中に、人が「いきいきと居る」状況を作ることが、単純に楽しくてワークショップをしていました。人がいきいきと活動することでその空間に命が吹き込まれるということに、なぜかものすごく心ひかれてしまったのです。
それがワークショップに参加した体験から「学び」と結びつき、私が「いきいきと人が居る」と感じていた状況と、「学び」には何か目には見えない関係があるのではないかと思うようになりました。
そして次第に、「学び」そのものではなくて、「学びのきっかけ」をたくさんちりばめた場を作りたいと考えるようになりました。
ちょうど、1度目のM1で、1度目の就職活動をしていた時期のことです。
そんなことを考えていたからか、どんな会社を見ても、なんだかピンと来ません。私のやりたいことができる会社なんてきっとないんだろうと思っていた頃、偶然見つけたのが「学際情報学府」というところでした。
ワークショップについて、研究できる場所がある。
居場所があった!という思いでした。
そして現在、学びのきっかけがちりばめられた場がどのようにしてデザインされていくのか、ワークショップ実践家の方の秘密をさぐるべく、研究をしています。
私の経歴を初めて聞く人には、建築学科からなぜ?!と必ず聞かれます。でも、私の中ではこんな風に繋がっているのです。
今までに体験した全てのことが集約して、山内研と私の関係ができています。山内研に出会わなかったら、これまで挙げたような体験は一つ一つの点だったかもしれません。山内研と出会って、それが線でつながっていることがわかりました。でもまだこんがらがっています。修士論文を書き終える頃に、それがきれいに解けているといいなと思います。
[牧村真帆]