2008.05.07
ル・コルビュジェ DVD-BOXを見ました。
ル・コルビュジェは、近代建築の三大巨匠のひとりで、コンクリートを用いた建築で有名です。
この映像は、本人が50年代にラジオ用に録音したインタビューテープを元に構成されています。彼が語っているヴィジョンに既視感を持ちつつ、いったいなんだろうと考えながら見ていたのですが、マルセイユの集合住宅 ユニテ・ダビタシオンの説明の時に気がつきました。
コルビュジエは、科学技術を活用し、住宅を高層化することによって、人間に幸せな住環境をもたらすことができると信じていました。高層化することで、緑地を確保でき、職住近接が実現できると考えていたからです。「住宅は住むための機械である」というのは彼の有名な言葉です。
ほぼ同じ時代に、教育の世界では、B.F. スキナーが、従来の経験主義的な教育方法にかわり、学習者一人一人のニーズにあった、夢の「科学的方法」としてプログラム学習とティーチングマシンを提案していました。
このふたりが特に似ているというよりも、今から50年ぐらい前には、科学技術がユートピア的文脈で語られることがあったという方が正しいかもしれません。
近代の所産である集合住宅とティーチングマシンの子孫たちは、現代の日常風景の中に点在しています。我々は今も彼らの祝福と呪縛の中にいるのかもしれません。
[山内 祐平]