2008.05.01
シリーズ「今年の研究計画」も先週で一回りし、今週から新たなシリーズが始まります。
題して、【福武ホールの歩き方】!
福武ホールが完成して、学環コモンズや福武ラーニングシアター、福武ラーニングスタジオ、UTcafeなどはたくさんメディアにも取り上げられていますが、実はこの福武ホール、もっと違ったところにもちょっとしたおもしろさが隠れていたりします。
そこで、今度のシリーズでは、中に住んでいる学生の僕らが見た、福武ホールのおすすめスポットや不思議なこと、裏話など、雑誌には載っていない(?)情報をお伝えしていこうと思います。
そんな第1回目は、「安藤先生特製ベンチ」です。
地下2階・福武ラーニングシアターの隣のホワイエに、木製のベンチが置いてあります。
実はこれ、福武ホールを設計した安藤先生こだわりの、集積材を利用して作られた特製のベンチなのです。
ホワイエに椅子や机を置くという話はもともとあったらしいのですが、安藤先生が竣工の直前までデザインを考え抜いて、作っていったのだそうです。
なんとこのベンチ、重さが2トンあるらしいです。
押してみましたけどびくともしませんでした。
しかし、驚くのはこれからです。
ベンチを配置したホワイエとシアター(大講義室)の図面を見てみると、ベンチの大きさや角度、場所がしっかりと計算されて配置されていることが分かります。
(日経アーキテクチュア 4月28日号より)
シアターに向かって左側(図面下側)のベンチは、シアターの壁の延長線上に配置されています。
シアターに向かって右側(図目上側)のベンチは、シアター後部の倉庫の相似形になっています。
つまり、2つのベンチとシアター内の壁は、ちょうど平行線の関係になっているのですね。
こればっかりは図面を見ないと分かりません。
この観点から、シアターのドアを開けた状態で、ホワイエの入り口側からシアターに視線を向けると、壁とベンチがきれいにつながって見えるのです。
安藤先生のちょっとしたこだわりが見えてきますね。
このベンチ、おもしろい形をしているので、場所によっては普通に座るだけでなく、寝転がったり、斜めによりかかったりして楽しむこともできます。
シンポジウムやワークショップなどで、地下2階に足を運ぶことがあったら、ぜひこのベンチにも注目してみてはいかがでしょうか。
[坂本篤郎]