2008.02.04

【開催報告】EduceCafe:ミュージアムでの学びを支援する教材開発

2月1日に、橋本優子さん(宇都宮美術館主任学芸員)・佐藤優香さん(国立歴史民俗博物館研究部助教)におこしいただき、Educe Cafeを開催しました。

橋本さんからは、宇都宮美術館で開発されたデザインについて学ぶためのキット「deli」をご紹介いただきました。このキットでは、「着る Fashion & Culture」「坐る Furniture」「食べる Tableware」「使う Industrial Product」「見る Art and Technology」「遊ぶ MuseumStudies」「識る Graphic Technique」「伝える Visual Communication」に関わるデザインを学べるようになっています。
次の写真は「坐る Furniture」キットで、リートフェルトの椅子の2分の1のモデルを参加者のみなさんが作っている様子です。簡単そうに見えますが、意外に難しく、大人でもはまります。

educecafe1.jpg

佐藤さんは、前職の国立民族博物館で開発された、「みんぱっく」についてお話いただきました。みんぱっくは、こどもたちが新しい世界と出会い、触れあうためのカバン(トランク1個)で、世界各国、地域の民族衣装や生活の道具などと、それらにまつわる情報や解説がパックされています。今回お持ちいただいたのは、韓国編でしたが、参加者は衣装を着たり、教科書を眺めたり、様々に楽しんでいました。

educecafe2.jpg

ミュージアムで使われる教材は、展示と同じようにオープンエンドな思考や問いを産み出すことを目的としており、ひとつひとつは素材に近いものです。しかし、今回実物をさわってみて、対話や活動を誘発することを念頭に慎重にデザインされていることを実感しました。
教材というと、学習目的を達成するためにルートがきちんと決まったものを想像しがちですが、ミュージアムの教材は、それに対するオルタナティブなあり方を見せてくれたような気がします。ワークショップ的で、即興的な教材ーこのようなアプローチは、ミュージアム以外の他の領域の教材に、新しい風を吹き込む可能性を持っていると思います。

お話をいただいた橋本さん、佐藤さんには、貴重な洞察の機会を与えていただきました。ありがとうございました。
(企画をたてていただいた森さん、お手伝いいただいた平野さん、牧村さん、池尻さん、大城さん、お疲れ様でした。)

[山内 祐平]

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