2008.01.29

【エッセイ】ティーチャーズ・テレビ

教育学部の授業「学習環境のデザイン」の最終日で、ゲストとして「NHKデジタル教材」を開発されてきた宇治橋祐之さんにおいでいただきました。
宇治橋さんには、NHKデジタル教材がどのような経緯・原則で作られたかをお話しいただきましたが、印象に残ったのは、教師支援をサイトの重要な機能としてとらえていることでした。
世界的にも教育放送やメディア事業者がオンラインで教師支援のサイトを設置する動きが起こっています。授業では海外の事例としてイギリスのティーチャーズ・テレビが紹介されました。
このサイトは、日本賞ウェブ部門最優秀ウェブ賞を獲得しています。(以下引用)

ティーチャーズ・テレビはイギリスの教育水準を高める目的で作られました。現在は1800以上のビデオをオンラインで見ることができ、一般的な履修科目から、いじめや自閉症といった難しい問題まで広く取り上げています。現在、多くの学校が抱えている重要な課題に焦点を当てています。
 ビデオは教科別、小中高などの段階別、教師や教育委員や生徒など立場別に検索ができます。さらに、それぞれのビデオは別サイトとリンクしており、供給者名、コメント、教師による教師のための点数評価を見ることができるのです。
  このサイトは、優れた教え方の共有と同時に、他の教師がどのような授業をしているのか見ることを可能にしました。イギリスの教師にとって、よりプロフェッショナルになるための情報源となっているのです。
 加えて、「職員室での独白」があります。これは教育現場に携わる人たちの中から偉大な作家を見出すためのウェブサイト上のコンテストです。4つの短編映画シリーズで、それぞれの台本はこのコンテストの優勝者が書きます。投稿者は学校でのさまざまな出来事から物語を作り、優秀な作品はティーチャーズ・テレビによって放送用に番組化されます。

社会状況が激変し、「よい教師」であり続けることは困難な時代になっています。このようなサイトによって、課題を中心としたゆるやかなコミュニティが成立し、自律的な教育環境の変化につながれば、子どもに直接働きかけるのとは別のチャンネルによって、学習を支援することになるのでしょう。

[山内 祐平]

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