2007.12.18

【エッセイ】Formative Researchのツボ

12月9日に、同志社女子大学の上田先生とゼミのみなさんがいらっしゃって、研究発表をしてもらいました。NHKの教育番組に関するFormative Researchのグループと、キッズデザインのグループの発表を聞きました。
Formative Researchは、セサミストリートが制作される際に行われた、事前に入念な予備調査をして、教材の質の向上を図る研究です。詳しくは、以下のBeatingの記事をご覧ください。
http://www.beatiii.jp/beating/036.html
Formative Researchにおいて一番難しいのは、子どもたちの行動をデザインにフィードバックする部分です。子どもたちは実に多様で興味深い反応を示します。教材開発において質の向上につながる重要なデータであるのは間違いありません。
しかしながら、そのデータが豊かであればあるほど、教材を変えていく方向性に関して、様々なバリエーションが考えられることになります。すばらしいデザインのアイデアがでなくては、いくらデータをとっても、教材の改善に結びつきません。
Formative Researchがなかなか普及しない理由のひとつとして、評価結果をどのようにデザインに反映させていくかということに関して、方法論が確立されていなかったことがあるように思います。
ネットで流通する教材が日常的に作られる今だからこそ、データがあるからこそ生まれる新しいデザインの創出を支援するシステムを確立すべき時期にきているのではないでしょうか。

[山内 祐平]

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