2007.11.01

【研究に役立つウェブサイト】ワークショップをやってみる

メルのもと.com
http://mellnomoto.com/

メルのもと.comは、情報学環の水越伸先生の研究室が中心となって作成された、メディアリテラシーの実践における送り手と受け手のコーディネーションを目的としたサイトです。「Text:読む/知る」「Link:調べる/つながる」「Workshop:やってみる」の3階層から構成され、「Text」ではこれまでメルプロジェクト(メディア表現・学びとリテラシープロジェクト)において発表されてきた論文、報告書を読むことができ、「Link」ではメディアリテラシーに関わるさまざまな書籍やウェブサイトが紹介されています。

このサイトの大きな特徴は、上のようなデータベース的な機能だけでなく、「Workshop」のページに、ワークショップを実施するための「ワークショップ型紙」が用意されているところです。「ワークショップ型紙」は、基本的なワークショップ案「基本の型紙」(クレイアニメを作ろう)と、ワークショップを彩る「アクセサリ」(チーム分けシール、チーム分けスタンド)から構成されます。基本の型紙は、スタッフ用WSシナリオ、参加者用WSシナリオ、絵コンテシート、ふり返りシートから構成されます。メディアリテラシーのワークショップをやりたいという人は、この「基本の型紙」に「アクセサリ」を自由に組み合わせ、ワークショップを作ることができます。

国立民族学博物館には博学連携の一環として子どものための学習キット「みんぱっく」を用意しており、多くの子ども向けワークショップを実施しているCAMP(Children’s Art Museum & Park)には「CAMPACO」というワークショップキットがあります。ワークショップをパッケージ化し、各地にその実践を広げていこうという事例は最近よく見られるようです(民博のものは必ずしもワークショップではありませんが)。メルのもと.comの特徴は、それをウェブサイトを通じてやろうとしているところでしょう。

メルのもと.comと今回挙げた2つの事例に共通する特徴は、パッケージだけでなく活動案を一緒に提示するなど実践へのサポートがあること、そして、基本的に無償で提供されるということです。ワークショップのパッケージはコンピュータで言うところのシェアウェア(フリーウェアではなく)のようなものであると言えるでしょうか。

あちこちCAMP
http://www.camp-k.com/otona/achikochi/
国立民族学博物館|みんぱっく
http://www.minpaku.ac.jp/museum/kids/minpack/

[平野智紀]

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