2007.10.09

【エッセイ】100年耐えられるコンセプト

情報学環・福武ホールの建築が急ピッチで進んでいます。
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地下部分の基本構造はできあがり、ついに地上部分があらわれました。
2008年2月末に竣工し、3月にオープンする予定です。

この建築に関われたことで、いろいろおもしろい経験ができました。
建築は、ものを作る学問である「工学」のルートメタファー的なところがあります。ソフトウェア業界の人は「アーキテクチャ」という言葉を無意識に使っていますが、もともとは「建築様式」から来ています。教材やワークショップの開発にも転用できそうなアイデアがたくさんありました。
建築のこわさは、その耐用年数にあります。情報学環・福武ホールの耐用年数は「100年」です。私がたとえ定年まで勤めたとしてもあと25年、耐用年数の4分の1しかありません。
いまから100年前と言えば1907年です。この100年のめまぐるしい変化を考えれば、今後100年間の予測はほとんど不可能に近いといわざるをえません。
100年耐えられるコンセプトを作れたかどうか自信はありませんが、シアター・スタジオ・コモンズ・カフェといった構成は、それを意識して作っています。
「時間に耐えられるコンセプトを作ることの難しさ」ーこれが今回の建築から学んだ一番大きなことだったかもしれません。
[山内 祐平]

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