2007.08.28

【エッセイ】Open Educationの行方

8月25日(土)に、BEAT Seminar "「オープンエデュケーションが切り開く未来~ Education 2.0:OCWの次にくるもの」が開催されました。

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パネラーとして、MIT上級副学部長のVijay Kumarさん、カーネギー財団の飯吉透さん (飯吉さんはBEATの客員教授でもいらっしゃいます。)をお迎えし、学習管理システムや教育コンテンツを中心に進んできた教育のオープン化の流れが、今後どのような方向に進んでいくかという情報提供をしてもらいました。ここでは、お二人の話の中で印象に残ったプロジェクトを簡単にご紹介します。

iLab Project (MIT)
http://icampus.mit.edu/ilabs/

iLabは、実験環境をオンラインでコントロールできるようにするための基盤であり、遠隔実験や実験データの共有などが可能になります。ソフトウェアは自由にダウンロードできます。

Connexions (Rice University)
http://cnx.org/

Connexionsは、教員がオープンコンテンツを自由に組み合わせて自分なりの教材を作ることができるサイトです。オンデマンド出版でテキストにすることも可能です。

KEEP Toolkit (Carnegie Foundation)
http://gallery.carnegiefoundation.org/gallery_of_tl/keep_toolkit.html

KEEP Toolkit は、教員が自分の授業を設計したり改良したりするプロセスを共有し、よりよい授業構築のために知識を交換するための仕組みです。

これらの事例から見えてくるのは、教育に関するオープン化が、LMSなどの教育システムや授業映像などのコンテンツから、授業プロセスそのものに達しつつあるという動向です。
まだ日本では類似例はほとんどありませんが、大学の柱である授業プロセスそのものが開かれることになれば、社会的に大きな影響力を持つことになるでしょう。

[山内 祐平]

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