2007.07.24

【エッセイ】 文献検索の落とし穴

前のエントリで書いたように、最近の文献検索環境は、昔に比べると格段によくなっています。しかし、データベースがあれば目的の文献が探せるかというと、そう簡単ではないようです。上手に文献が探せる人と、そうでない人の差はどこにあるのでしょうか。

● 探す目標がはっきりしているか
うまく探せない最大の要因は、実は「自分が何を探したいのかがよくわかっていない」ことにあります。キーワードひとつだけで情報の海に乗り出すのは無謀です。探したいことを文章にしてみてください。文章にできないとすれば、実は探したいことが自分でもわかっていないということです。探したいことがよくわかっていないと、いつの間にか面白そうなキーワードにひきずられて、目標が変わってしまうということがおきます。

● 書き手の立場にたって想像できるか
情報がうまく探せる人は、「こんな文献や研究がありそうだ」という予想をしながら検索をしています。文献データベースは、つきつめると一つ一つの論文からなりたっています。書き手の立場にたって、「こんな論文は評価されるはずだから、誰か書いているはずだ」と想像し、そこからキーワードを出していきます。キーワードを適当に考えるよりも、はるかにあたります。お試しください。

[山内 祐平]

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