UTalk Report

高野 渉

情報理工学系研究科・講師

コミュニケーションできるロボット

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概要

4月のUTalkでは、ロボットの知能設計をされている高野渉さん(情報理工学系研究科 講師)をゲストにお招きし、人間の身振りを観察・理解した上でコミュニケーションできるロボットについてお聞きします。

2014年4月12日のUTalkは高野渉さん(ご所属:情報理工学系研究科)をゲストにお招きして行われました。ロボットというテーマもあってたくさんの方にお越しいただきました。


高野さんは、学部・修士と機械の勉強をされて自動車会社に入って自動運転の研究をされたのち、博士課程からロボットの知能に関する研究を始められたそうです。ロボットの研究を始められた理由は、知能とコンピューターを組み合わせればなんでもできそうな気がしたからだと高野さんはおっしゃいます。


ロボット、といっても形も機能もさまざまです。医療用や、運搬用などさまざまなロボットがあるなかで高野さんが研究しているのは人とコミュニケーションできるロボット。コミュニケーションの中でも特に身振り手振りに着目して、ロボットに学習させるシステムを開発しているそうです。身振り手振りを学習したロボットには、一体どんなことができるのでしょうか?


まず、連続した動きを学習し続けることで、ある動きを見て次の動きを予測できる学習システムをご紹介いただきました。例として、ラジオ体操の次の動きを予測できるロボットの動画を見せてもらいました。動画の中のロボットの動きから、「体を横に曲げる動きの次は体を前後に曲げる動きだ!」という風に予測できている様子を見ることが出来ました。これを応用して一日中人の動きを学習させれば、人が朝起きて、次にテレビをつけるという動作を覚えて、人が起きるとテレビのリモコンを探してくれるロボットが出来るかもしれません。


次に、二人がインタラクションしている様子をロボットに学習させると、どちらかになりきって反応が返せるようになる学習システムが紹介されました。例として、ロボットと人のキックボクシングで、パンチが飛んでくると避ける、避けたあとはパンチする、という流れを覚えることで、ロボットがカウンターパンチを返せるようになるというお話を聞きました。相手の動きに合わせて自分の動きを学習できるロボットとなると、先生が話し始めると話を聞き、板書をする生徒ロボットのように、教室での人の動きを真似できる人型ロボットができる日も近いのではないかとわくわくします。


ここまでは身振りだけ学習させた例を見てきましたが、高野さんは動きとその動きの名前を覚えさせる、という研究もはじめたそうです。講義する高野さんの動きを見て、今どんな動きをしているかロボットが言葉を表示するという動画も見せてもらいました。(例:「立っている」「書いている」など)人がどんな動きをしているのかを言葉で理解するロボットが現れると、ますます人とロボットの距離は縮まりそうです。


参加者の方からの質問に、「高野さんの技術をもとに手話ロボットがつくれるか」というものがありました。「まだ指先の細かい動きを覚えるのは苦手だが、今後可能になるかもしれない。」と高野さん。現在のシステムには学習がうまくいく内容が限定されているなどの問題があり、コミュニケーションできるロボットが実際に応用され、私たちの身の回りで動くようになるには、時間がかかるかもしれませんが、様々な分野での応用が期待できる未来の技術なのだなと感じました。


たくさんの近未来小説の中で描かれてきたロボットと人の交流、それを可能にする技術は一歩一歩進んでいることが実感できました。いつかロボットともコミュニケーションできるようになると人とロボットはどんな関係になっていくのでしょうか。技術が可能にする未来を想像してみたくなるような会でした。高野さん、参加者のみなさま、ありがとうございました。


[アシスタント:加藤郁佳]

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