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052:2012年度 第4回 2013年3月23日開催

特別セミナー 変革期を迎えた学習プラットフォーム
パネルディスカッション

  • 特別セミナー 変革期を迎えた学習プラットフォームBEATプロジェクト成果報告
  • パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」

パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」

パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」

パネリスト

  • 平野敦士カール氏(ビジネス・ブレークスルー大学/教授)
  • 重田勝介氏(東京大学 大学総合教育研究センター/助教)
  • 山内祐平(東京大学 大学院情報学環/准教授)

司会

  • 藤本 徹(東京大学 大学院情報学環/特任助教)

藤本:平野先生と重田先生から、簡単に自己紹介を兼ねてお話いただきたい。

パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」 平野:学長を大前研一氏が務めているビジネスブレークスルー大学という、日本で最大のオンライン大学の教授をしている。早稲田のMBAの非常勤講師もしている。元々本学の卒業生であり、銀行員をして、その後通信会社に行き、今は大学とコンサルティングを行っている。本もいろいろと書かせてもらっている。プラットフォーム戦略を主に研究し、授業として行っている。

重田:東京大学における全学的な教育改革を担う大学総合教育研究センターで助教を務めている。 BEATセミナーには大学院生の頃から出させていただき、書籍「デジタル教材の教育学」では一章を書かせていただいた。本セミナーの締めくくりの機会に、このような形でお話をさせていただけることは大変光栄だ。

私は教育工学分野の研究者でオープンエデュケーションを専門としており、この6月に「オープンエデュケーション〜ネット空間における『知の開放』は大学に何をもたらすか」という本を出版予定だ。オープンエデュケーションと大学の将来像との関係に非常に興味がある。私は職務として、オープンエデュケーションの実践に関わる活動に数年来関わってきた。東京大学は教育コンテンツを広くインターネット上に公開する事業を進めており、「東大TV」、「iTunes U」などのウェブサイトを運営している。私はこれらのサイトで公開される講義ビデオや教材開発、またサイト自体の運営に携わってきた。このような活動をメタな視点で見ながら、大学教育を「オープン化」することが大学にとってどのような意味があるのかを考えるようになった。大きなきっかけは、2009年にUC バークレー Educational Technology Servicesに留学をしたことだった。この組織は、キャンパスにおける教育へのICT活用、例えば教室に設置されたICT機器のメンテナンス、学習管理システム(LMS:ラーニングマネジメントシステム)の運営などを行っている。加えて、この組織では講義のインターネット配信などのオープンエデュケーション事業も行っている。私は客員研究員として在任中、このような活動が行われる組織体制やその背景について、米国内の様々な大学の状況も含めて研究をした。昨年には、オープン教育研究所という一般社団法人をつくり、ここでオープンエデュケーションに関心がある方と協同しながら、オープンエデュケーションに関する情報発信、事例の共有を行っている。ワークショップを開催し、今年はグループでMOOCを開講することを計画している。

パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」 先ほどコーラーさんから、Courseraのいろいろなプロジェクトや功績についてお話があったが、こうした活動は、「オープンエデュケーション」の延長線上にある。だからCourseraのような取り組みは、教育の「革命」というよりは「進化」ではないか、というのが私の見方だ。例えば、大学はオープン教材、いわゆるOER(Open Educational Resources)をここ10年来公開し続けてきた。例えばオープンコースウェアと呼ばれる、大学の正規講義のシラバスや教材、講義ビデオを無償公開する取り組みは、現在に至るまで継続的になされている。オープンコースウェアの目的は教育コンテンツを公開することであり、大学はオープンコースウェアを使って教育をすることはなく、大学から単位が与えられることもない。オープンコースウェアは2001年にMITが提唱し、今では世界数十カ国の大学が取り組む活動となっている。日本も東京大学を含めて数十校がオープンコースウェアを公開している。

先ほどのCourseraの話では、受講者が学習コミュニティの中で学び、修了者に認定証を与えることが示されていたが、Coursera以前にもオンライン学習をコミュニティベースで進め、学習成果に何らかの認定を与えるような取り組みは、いくつか行われてきた(図11)。

オープンエデュケーションの事例

図11 オープンエデュケーションの事例

例えば、左のスクリーンショットは「オープンスタディ」というウェブサイトだ。これはオンライン上の学習コミュニティサイトで、様々な教科について互いに教えあい学び合うことが目指されている。特徴としては単に「数学の問題がわからないから教えて下さい。」などと聞き合うだけではなく、オープンコースウェアのような同じオープン教材を使いながら、学習者が共に学び教えあうことも行われている。右の「モジラオープンバッジ」というのは、オンラインの学習成果に対して認定証を与えようという取り組みだ。例えばオンライン教育で電子工学を学ぶことができるウェブサイトでコースを修了すると、そのウェブサイトから、あなたが電子工学に関する内容について学んだことを示す認定証が与えられる。このような認定証は大学のような教育機関が与える単位や学位ほどの力は持たないが、その人の知識や技能を示す「シグナル」となる。実社会との接続も始まっていて、例えばスミソニアン財団では、このバッジをいくつか集めることをインターンシップに入る条件にしたことがあった。

このように見て行くと、MOOCというのはオープンエデュケーションの進化形だと捉えることができる。もともとMOOCは、個人がオンラインで講座を開くことから始まった。現在のような衆目を集めるようになったのは、2011年に何人かのスタンフォード大学の教授がオンライン講座を開講したことがきっかけだったが、その中の1人がダフニー・コーラーさんのグループだった。彼女たちはその後、スタンフォードの教員を続けながら、教育ベンチャー企業を立ち上げた。これが「Coursera」だ。他のスタンフォード教員は「Udacity」という別の教育ベンチャーを立ち上げ、2012年には、こうしたオンライン講座を大学自らが開設するために「edX」や「Future Learn」というコンソーシアムが設立された。

パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」 敢えてMOOCを一言で表現すると、「一般向け」かつ大学レベルの「eラーニング」だといえる。これには二つ意味がある。1つ目の「一般向け」が示すのは、入学資格が不要だということだ。そのため受講生は非常に多様である。結果的に離脱率(ドロップアウト)が非常に高く、現状、受講者の90%は認定証までたどり着かない。2つ目は、「eラーニング」であること、すなわちこれまで様々な領域で行われてきたeラーニングと基本的に同質であるということだ。Courseraのプラットフォーム組み込まれている様々な工夫は、これまでにコンピューターを使った学習やeラーニングに取り入れられてきた「枯れた技術」を巧みに融合させたものだ。例えば、先ほどコーラーさんが紹介されたマスタリーラーニングの考え方は、かつて日本で「完全習得学習」と呼ばれたもので、1980年代から教育現場で取り組まれてきたアプローチだ。学習者に応じて異なる教材が提示される、言い換えれば、教材配列が学習者ごとに分岐するというのは、まさに分岐型CAIの考え方そのものだ。さまざまな教育学、教育技術、教育工学の知見をうまく融合させて、オンライン学習のプラットフォームをつくっている。Courseraの場合は、さらに教材もオープンにすることで、学習機会を無償で提供している。MOOCは、これまでのオープンエデュケーションの活動にeラーニングの知見を取り入れながら、大学の教育や経営戦略に位置づけて拡張させたオンライン学習環境なのではないかと見ている。

最後に1つ補足を付け加えたい。ブレンド型学習についてである。その中で注目されているのが、反転授業(Flipped Classroom)だ。「反転」と呼ばれるのは、授業と宿題の役割、場所が反転する学習スタイルだからだ。通常、生徒は授業で先生から講義を受け知識を得て、家で宿題をしその知識を確認するが、この役割を「反転」する。例えば、自宅でオンライン教材や講義ビデオを見て、知識習得を済ませてしまう。その上で教室で、知識確認を行うテストや、学んだ知識を使うディスカッションや問題解決型学習など、知識を実際に活用する活動を行う。このような学習スタイルが、授業における離脱率(ドロップアウト)を低減することがいくつかの研究により示されている。反転授業を行う上で問題となるのが、オンラインで学ぶ教材をどのように用意するかだが、オープンな教材を活用することで、新たに教材を購入する必要もなくなり、実施する上でのハードルが下がる。ここで使用する教材の選択肢として、MOOCを活用できる。

Q. 平野先生はビジネスの側面からプラットフォーム戦略の本をお書きになっている。コーラーさんのご講演を聞いてのご意見をお伺いしたい。

パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」 平野:非常に面白い試みだと思っている。まさに、万人のための教育だ。プラットフォーム戦略の観点からいくと、成功しているものは、オープンなインターフェースを持っている。そのためにも、どこまでオープンにしていくのか、提携大学をこれからも増やしていくのかを考えていく必要がある。また、プラットフォームに非常に大事なのはクオリティーコントロールだ。クオリティーをある程度一定にしないと、プラットフォーム自体がどんどん衰退していく。ここには、オープン性とクオリティーのせめぎ合いがある。Courseraの場合は、プライベートカンパニーなので、ビジネスモデルをどうやってつくり、教育で収益を得るのか非常に関心を持った。

Q.先ほどオープンエデュケーションの中にMOOCを位置づけたお話をいただいたが、ご講演を聞いてのご意見をお伺いしたい。

重田:今の話とも関連するが、1つ目はMOOCを続けるためのビジネスモデルについて触れておきたい。いくつかのビジネスモデルが考えられているが、ひとつは認定証を発行する手数料だ。仮に数十ドル程度の手数料でも、受講生が数万人を超えるとかなりの額になり、ある程度の収益になりうる。2つ目は、Courseraの受講者には非常に優秀な人たちも含まれている。彼らに大学が奨学金を出して、大学に招くようなこともできる。大学にとっては、非常にアクティブなリクルーティング、つまり学生を獲得する手段になる。3つ目は、Courseraのような主体が教材をカスタマイズしてCoursera自身が販売するということも可能性としてはあると思う。これは、Coursera側が教材の二次利用権を持っていることが前提となる。例えば反転授業に使うことができる優れた教材をつくり、それを大学がキャンパスで活用するというようなことも考えられる。

Q.山内先生は、東京大学のCoursera参入にあたっての責任者として、実際にいろいろ活動されているが、今回のご講演について新たに気づいたことがあれば、お伺いしたい。

パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」 山内:この話を聞いて思うのは「どうして僕たちがやれなかったのか」ということだ。MOOCを始めたスタンフォードの3人の教授は、みんな工学系で機械系の人たちだ。人工知能などを研究している。教育系の人たちにこの話をすると「それ別に新しくないよね」という。ここにも「それ知っている、そうだよね。」と思う方もいると思うが、誰もやれなかった。僕らはこれを反省すべきだ。なぜ知っていてやらなかったのだろう。日本人の大学の人は日本人の大学生がいて、企業の方は当然日本の消費者がいて、それで満足していた。Courseraのコースを取るとかなづちで頭を殴られるような衝撃的な光景が広がっている。Facebookや掲示板などのコミュニティで、「私はエストニアから来ました。」、「私はウルグアイから来ました。」と、ここまで国境という概念が無効化したかと嫌というほど見せつけられる。それを見た瞬間に「どうしてこれを僕らはやれなかったのだろう。しまった。」と感じたいうのが率直な感想だ。

Q.東大としてCourseraに参入する経緯や、記者発表への反応について補足をいただきたい。

山内:公式のコメントは、(3月29日)にワールドビジネスサテライトで理事のインタビューが放映されるので、そちらを見ていただければと思う。東京大学としても記者発表をさせていただいたが、非常に多くのメディアに取り上げていただいた。一番嬉しかったのは、最初にご紹介させていただいたように、この1ヶ月で既に1万人を越える受講予約をいただいているという事実だ。9月から10月にかけてコースを始める訳だが、正直ふたを開けてみるまで、本当に人が集まるかどうかわからなかった。東京大学は、世界に誇るべき第一線の教育を持っていて、それをきちんと世界に向けて発信していくことが出来ると思いつつも、本当に受講者が集まるのか若干不安だった。世界中の学習者からエントリーしていただき、その数が今のところ増えているということが何より嬉しい。

Q.破壊的イノベーションが高等教育で起きているといえるが、日本の大学の影響や高等教育分野への影響をどう捉えていけば良いのか。日本のいくつもある放送大学をはじめとしたオンライン大学がMOOCのような動きをどう捉え、どう動いて行ったら良いのか。考えをお伺いしたい。

平野:プラットフォームという観点から考えた場合、どういう目的なのかによって変わってくる。Courseraの場合は、どちらかというとオープンなプラットフォームだが、ハーバードの場合には、あきらかに優秀な学生を集めたいという目的でのプラットフォームだ。オンラインを補助的に使うのか、それともオンラインのコミュニケーション、ピアグレーディングなどを含めて行っていくのかで方向性は変わってくる。私の大学はオンライン大学だが、非常に重要なのは、生徒同士のコミュニケーションだ。教授と生徒だけの関係ではなく、むしろそのプラットフォームにおいて、生徒同士がいかにコミュニケーションをして、自分自身がアウトプットし、学ぶことができるか。この仕組みが非常に重要だと考えている。放送大学の場合は、卒業率は2%くらいと言われている。某有名大学の通信過程も7%くらいと言われており、ほとんどドロップアウトしてしまう。私は、そこでTAの存在が極めて重要だと考えている。それに加えて、リアルとの連動も大切だ。実際にサッカーの試合をスポーツバーなどで集まって応援する。なぜ集まるのか。それは、単にオンラインで学ぶだけではなく、時間と空間を共有する仲間を見つけ、その仲間から学ぶというところが、オンライン教育の一番重要なポイントだからではないかと感じている。あともう1点だけ。例えば有名大学が全部オンラインを行い、もし将来的に卒業証書まで出すといった場合に、アドミッションのもつ意味や、名の知れていない田舎の大学は潰れるのではないかといったことや、究極的には、世界に1つか2つ大学があればいいのではないかと思うことがある。どこまで行くのか関心がある。

パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」 重田:平野さんがおっしゃったイノベーションだが、クリステンセンは、教育における破壊的イノベーションを成功させるには、いくつかの条件があると言っている。1つは教育の「無消費者」、すなわちMOOCであれば大学レベルの教育を受けていない多くの人たちに使われるということで、もう1つは新しい教育手法が既存の教育システムの「性能」を越えることがあげられている。MOOCにこれだけ受講者が集まっているということは、1つ目の条件である「無消費者」に訴えるという条件は満たしているといえる。世界には大学レベルの教育をオンラインでもいいから受けたいという人が数多くいるということだ。でもその2つ目は単純ではない。オンライン教育の「性能」は、単純にコンテンツやプラットフォームの性能だけに依存しないからだ。平野さんがおっしゃったTAの存在の重要さが示すように、オンラインの教材を使って、いかにオフラインを含めて上手に教えることができるか。これは私自身にとっても大いに疑問だが、単なる講義による教え込みだけではなく、例えばオンライン教材をうまく使って個々の学生に対して細やかな学習支援ができる教員は、現状どのくらいいるのだろうか。この部分を越えないと、なかなか破壊的イノベーションの2つ目の条件をクリアできないように思う。MOOCが高等教育機関に与える影響については、それぞれの大学がMOOCをどう使うかによって変わってくる。例えば、ハーバード、MIT、東京大学も含まれると思うが、いわゆるトップ大学は、MOOCが教育の大学経験の見本市、ショーケースになる。教材を見るだけでなく、大学の授業をバーチャルに体験することができる。このことは、大学における教育の魅力をより積極的にアピールすることへとつながる。方法によっては、MOOCの教材を何らかのかたちでマネタイズ(monetize)することも可能だと思う。一方で、MOOCを活用して教育を行う大学も出てくると思う。実際、アメリカのいくつかの大学でMOOCを使ったブレンド型学習が行われている。これまで大学は知識の収蔵庫だと言われてきたが、他大学のMOOCを教育に使うということは、知識を大学の中で蓄積し教えていくという作業の一部を、ある意味アウトソースしてしまうことだともいえる。反転授業のような手法も使いながら、大学における教育の質を外部の資源や教材を上手く使っていかに高めていくかが、今後求められる。

Q.MOOCの使い方が大学によって変わってくるという点についてどう考えているか。

山内:重田さんよりはシビアにとらえている。Courseraがやったことは、進化よりはもう少しすごいことをやってしまったと思っている。彼らが行ったもっとも破壊的なところは、大学連合を組んだことだ。スタンフォードだけでなく、プリンストン、ペンシルバニア、ミシガンに声をかけたところから始まっている。もちろん、儀礼的な大学連合はたくさんあるが、実質的な本当に教育サービスで連合体を組んだのは、おそらく歴史上はじめてだと思う。それに対して、edXが出てきて、ライバル同士のハーバードとMITが組んだのは、大きなインパクトがあり、他の大学にしてみるとかなりの危機感も煽られた。教育方法のレイヤーではなく、経営論とか組織論のレイヤーで語られるようになった。コーラーさんの講演だけ聞いていると、コンピューターのテクノロジーがイノベーションをもたらしたという言い方をしているが、僕はそうは思っていない。彼女が本当にやったすごく破壊的なことは、スタンフォード、プリンストン、ミシガンを組ませてしまったということだ。そこが今の300万人の礎を含んでいて、もはや後には戻らない。単一の大学ではプラットフォームが提供できなくなった。大学の連合体で授業を提供する時代となった。国境を越えてしまうことが起こりつつある。

パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」 朝日新聞の連載で3月上旬に掲載されたedXの学長へのインタビュー記事で、MOOCで満点を取った人をスクリーニングしたというものがあった。その中に15歳のモンゴルの少年がいて、その人にオファーしてMITに来てもらうことにしたという話だ。点数がわかるから、これが可能になる。フィルタリングして、とんでもなく賢い人たちを連れてくることもできる。東大の授業に関して知ってもらい、1人でも多く海外から優秀な留学生に来てもらうチャンネルとなる可能性がある。すぐに出来る訳ではないが、それに向けて準備をしなくてはならない。もう1つは、平野さんがおっしゃったように、将来的には大学は2校でいいのではないかという話だ。スタンフォードの人たちは2つのグループに分かれていて、ひとつはCoursera、もうひとつはUdacityだ。Udacityを立ち上げたグループの代表であるスラン教授は、10年後には伝統的な大学は10校しか残らないと予言している。これがもっとも過激なシナリオだ。なぜそうなるかというと、卒業証書でははく、履修証で就職ができるようになるからだ。そこの授業で最優秀の成績を取った人はもう引く手あまたで就職ができてしまう。大学を経由しなくても就職できる時代がきたら、多くの大学はやっていけなくなるだろうというのだ。半分はなるほどと思うところもある。エンジニアリング等の先端的なところでは、それが起きる可能性がある。しかし全ての学問領域でそれが起こるかというそんなに単純ではないと思う。例えば、人間関係資本のようなものが大事な領域や批判的思考、コミュニケーション能力等は、なかなかオンラインコースに載りにくい。その場合には、先ほど重田さんが言ってくれた反転授業モデルが、生き残る鍵だと思っている。知識はトップユニバーシティが供給する時代になったので、それ以上のものをいかに大学が付加価値を持って提供できるのかが、大学が生き残れるか、10校なのか100校なのか1000校なのかを左右すると思っている。それを準備するためにもMOOC参加は必要であると考えた。

Q.遠隔教育ではこれまでいかに継続率を高めるかという議論がなされてきた。MOOCの世界では、最初の受講者数はとても多いが、最後の修了者数は必ずしも多くなかったりする。このことをどう捉えたらいいのか。

重田: MOOCを受講する人の動機はさまざまだと思う。実は私もCourseraを受講しているが、1回目の試験を受けずにドロップアウトした。全く情けない話だが、あえて言い訳をすると、私はある大学のある先生の講義を見たかっただけだった。講義を見るためには受講生として登録をしないといけない。私は見たことで満足し、そこから先へ進むことは目的ではなかったので、その授業は最後まで受講しなかった。ある調査でも、MOOCの受講者には「大学のコンテンツを見たい」とか「講義の一部を体験してみたい」、もしくは「ある専門分野でわからない部分を知りたい」など、多様なニーズがあることがわかりはじめている。これまで大学や企業が運営してきたeラーニングの離脱率と単純に比較することは難しい。だがMOOCも単純に手をこまねいているわけではなく、例えばUdacityは学習者が知り合い同士で学習グループをつくり同じコースを受けることを推奨している。受講者がオフラインのつながりをつくって、学習意欲を維持する工夫も有効だと思う。

山内:重田さんと同じような感想を持っていて、Courseraに履修率、離脱率の概念を適用するのは意味がないと思っている。学習には辞める自由もある。Courseraには嫌だったら辞められる自由度がある。大学は辞めるとものすごくお金が無駄になるから、いやいやでも頑張って授業に出るという強制力で学習を維持させて来た。本当に新しい世界が来た気がしている。

平野:先ほどコーラーさんの話で、ドロップ率は高いが継続した人の学習能力は同じだという話があった。別に、オンライン大学を4年で卒業しなくてもいいと我々は考えている。特に我々の大学の学生の半分位は大卒で「もう一度経営学を学びたい」、「起業したい」と思っている。先ほど目的によると言ったのはまさにそこで、日本だと大学は良い企業に就職するためとか、省庁に入るためと決まっている。アメリカでは、勉強を続けたい人が続ければいいという考えで、大学に入っても研究するのは自由だ。この辺が大きく日本とは違うところだ。日本もそうなっていくと思う。必ずしも大学教育だけが教育ではない。

重田:今、平野さんがおっしゃった各国の事情に関連して、1つお話させていただきたい。MOOCが大きな注目を集めている理由の1つが、世界中で高等教育へのニーズが高まっているのにも関わらず、供給が追いついていないことにある。加えてアメリカにおいては、学費の高騰が社会問題となっている。大学生は何百万円という巨大な借金を抱えて卒業するが、十分な仕事がない。発展途上国では、まだまだ良い教材が少なく、大学の数も不足している。このような状況を解決しようとすることが、ここ10年来オープンエデュケーションの大きな推進力となっており、慈善寄付団体によって支えられてきたという経緯もある。MOOCに対する熱狂には、高等教育に対する猛烈な欠乏感が前提としてあるが、この状況は日本からはなかなか見えない。

Q.破壊的イノベーションについて

パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」 平野: Courseraの戦略を見ていると、Googleの戦略を思い出す。Googleは、オープン戦略でアンドロイドとかクロームと呼ばれるOSを提供している。ハーバードに対抗するには、「ハーバード以外みんな来いよ」というのが一番強い戦略だ。実はGoogleはプラットフォーム、インターネットの世界では強い敵を倒す最大の戦略を使っている。しかし、その後が問題で、プラットフォームの横暴と呼んでいるが、強くなりすぎると突然値上げをするなど勝手なことをしだすことがある。要は自分がプラットフォームで利用者を獲得してしまえば、何でもできるのだ。あとは垂直統合といっているが、人気のあるものは全部自分でやってしまう。今の時点ではないと思うが、30年後、50年後はどうなるかわからない。横暴、値上げリスク、垂直統合リスクといったものがある中で、東大を含め日本の大学は、完全にプラットフォームに乗ってしまって良いのかが私自身のアンチテーゼだ。Courseraに参加しつつ、最終的には日本の大学もつくっていくべきではないかと少し思う。勝ち目は無いかなと思いつつも、プラットフォームは栄枯盛衰なので、クオリティーコントロールを失った場合、いずれは廃れて行く。永続するプラットフォームはない。東京大学を含め日本の大学はどう参加するのかを慎重に考えて参加するべきではないか。

山内:そこはちゃんと検討した。平野さんがおっしゃる懸念は持っている。つまりここでCourseraに乗ったら、第二のGoogleになってしまうのではないか、今は善意の人たちだから良いが、そのうち善意ではなくなる可能性もあると。記者発表での質問に対して江川理事は、東京大学がCourseraに参加することは他のプラットフォームに参加しないことは意味しないし、もしくは、今後自分たちがつくらないということも意味しないと答えた。私たちが言えるのは今のところこれだけだ。Coursera万歳という意識で意思決定をした訳ではないということはご理解いただきたい。

重田:幸運にも私は東京大学がCourseraに参加する準備段階に関わらせていただいた。2月頭にコーラーさんと直接お話をしたときに率直に感じたのは、Courseraで働いている人たちは、教育をよりよくしたいという熱い思いを持って働いているということだ。その中の一人は、もともとGoogleの教育部門で働いていたが、Courseraの開設を知り即座に転職を決めたそうだ。コーラーさんは、これまでのオープンエデュケーションの活動は外部資金に頼らざるを得なかったため、より持続性を持って世界の教育問題を解決できる取り組みが必要だと語っていた。現状、善良な意思のもとで活動している組織だと思う。

平野:私もそう思う。問題は、上場して株主が出て来た時にどうなるか。たぶん20年後とかそれくらいの話になると思う。それに、グローバルなプラットフォームが主流になり、企業がグローバルな人を取りたいとなってくると、「そもそも別に東大なんか出なくてもいいじゃん」、「日本の大学出てなくてもいいじゃん」となり、海外の大学の人気がますます高くなる。そうなると、日本の文科省を中心とした大学というプラットフォームが崩れて行くということもありうる。教育とは何かというところに最終的には議論が戻って行くと思う。

パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」 重田:確かに、大学そのものを教育プラットフォームと捉えることができる。大学はこれまでキャンパスというオフラインの空間において教育活動を展開するプラットフォームとして長らく続いてきた訳だが、これに対峙するオンラインの教育環境が拡大してきた。オンラインの教育環境はこれまでの教育のありかたを「破壊」するイノベーションをもたらす可能性があると思う。私はあまり破壊してしまうことが好きではないので、オンライン環境を活かして、世の中をよくしていくことを考えたい。オープンエデュケーションはもともと、既存の教育システムの問題を解決するアプローチだ。今ある教育システムの中で十分な教育を受けられない人たちを拾いあげ、今ある教育システムを補完するシステムだと考えている。既存の大学がなくなるわけではない。大学に研究活動、人材育成、人脈育成、知の体系化など、かけがえのない多くの役割がある。しかし、大学の持つ教育活動の役割、教育プラットフォームとしてのあり方は変わって行く可能性はあると見ている。

平野:現代社会には、時間はあるがやることがない、でもノウハウは持っているという高齢者の方がたくさんいる。そのような人たちが世代を越え、大学教育を越えてソーシャルに、例えば習字など自分がもっているスキルやノウハウを教える。こうしたことがどんどん広がってくると非常におもしろいプラットフォームにブレイクスルーするのではないかと思う。

Q.あるプラットフォームへの参入に関して、ビジネス分野での判断の手掛かりやヒントになる事例はあるか。

平野:参入したプラットフォームが将来どうなっていくのかをやはり予見しながら、最終的には自社・自学でもできるようなオプションを残しておくことだと思う。東京大学でも自分のところで出来ると思うことがあれば、そういったオプションを残しながら、完全に従属しないということが企業戦略上は有効だ。ただ社会的な意義は当然ある訳だから、そこへのコントリビューションは当然すべきだと思う。10年、20年後はどうなるかが本当に読めないので、判断が間違っていたという可能性もなきにしもあらずだ。複数のプラットフォームが競い合っている状況が一番いい。GoogleとAppleが競ってくれているからいい。どちらか一方になると、暴走しやすい。複数のプラットフォームが併存するかたちが望ましい。

フロアの方からの質問

Q1:Courseraを含め、かなりのコンテンツが出てきたとはいえ、英語のコンテンツが多い。実際に英語を使える人と使えない人の間で大きな差が出ると思った。日本でも英語ができる人は無料のコンテンツを使い伸びて行き、英語のできない人は伸びて行けないという二極化が出てくるかと思うので、その辺りをご意見伺いたい。もう1点は、国による違いで、先ほどの例でも発展途上国の話があったが、そのような国は教育水準が低く、高等教育に触れる機会が相対的に乏しかった。こういう国の人たちは学ぶことに対する意欲が大変高く、彼らが学ぶことは、国としての成長力の根幹になってくる。ぼやぼやしていると日本はこの流れから置いていかれないだろうか。伸びる力があって、かつ伸びるようとする意欲があるところに、伸びるだけの武器がどんどん与えられていくということは、国際的競争の中での日本の位置づけにも影響する話になるのではと思った。そういった視点からCourseraの問題を見ているのだが、それについてご意見をお伺いしたい。

重田:英語については、おっしゃる通りだ。これはCoursera側からも提案されていることだが、英語以外の言語でもコースを公開することも可能だ。Courseraのロードマップにも多言語での教材提供が含まれており、将来的には日本語のコースを日本の大学で使うような、ある言語圏の中でMOOCを上手に活用することが可能になっていくと思う。2つ目のご質問は大きな問題で、学習意欲の高さは、国や地域の置かれた社会背景や経済状況に影響を受けざるをえない。

パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」 山内:多言語の話は重田さんからもあったが、すでに中国語とフランス語のコースが出ている。日本語についてどうするかは今ここで公式に発言することはできないが、慎重に考えないといけないと思っている。競争力の話は、僕はさきほどの西島さんのスピーチに感銘を受けたのだが、ああいう子が頑張ってくれればいいのではないかなと思っている。今までは英語の授業を受けようと思っても大学が提供していなかったので受けられなかった。でも受けられるチャンスが出てきた。そうすると、みんな今まで偏差値だけで判断して、トップの大学しか可能性がないみたいな見え方をしていたが、実はそうではないと思っている。文科省の仕事で大学を回った際に、あらゆる大学にやる気のある子が1割はいると実感した。あらゆる大学の1割が頑張って、Courseraで学んだり、世界で学んだりすれば日本もまだやれるのではないかと思う。もちろん格差はいろいろあるだろうと思っていて、個人的には格差の話をする前に、伸ばせるところを伸ばすためにどうすれば良いのかを議論したいと思っている。

重田:オンラインの学習環境は、優秀な人ややる気のある人、まさに西島さんのような方が世界中から集まり、互いに励まし合いながら学び合える可能性を持つ。例えば、先進国で大学に通っている大学生と発展途上国で高等教育がまだ整備されていない国の学生とがCourseraで共に学ぶと、やりとりの中で先進国の学生は大学で学べることのありがたさを感じるかもしれない。また、発展途上国の学生は、先進国の学生の話から、大学とはどういう場所で、大学に通うことでどんな未来が開けるのかについて知ることができるだろう。この交流は、2人の将来設計やキャリアに少なからず影響を与えるかもしれない。オンライン学習プラットフォームというのは、参加する学習者に対して様々に働きかけるコミュニティになるとも考えている。

パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」 平野:教育という問題を越えて、確かに語学の問題はある。オンライン教育でのことに限らず、意識して目をそむけていただけだったのかなと思う。世の中どんどん動いているけれど、たまたま日本は国内で完結してしまっているので、あまり知らないで済んだ。日本の企業もグローバルな人間が評価され、英語を知らないとこんなにも差がでるのかとわかるのは、もう少しあとのような気がする。今は日本語という枠で、のほほんとしていられる。ただ10年後は英語ができないと、それこそ、文科省のカリキュラムに沿っていてはダメなのではないかということに、気づいてくる可能性もある。このことに十分留意しないと我々は世界から取り残されていくだろう。発展途上国についてもまさに同じだと思っていて、今一番熱いのはサファリ、エチオピアといった地域だそうだ。ここに中国などがどんどん進出している。そこでの1ヵ月の賃金が約3000円、中国では3万円なので、中国は人件費が高いといって、みんなエチオピアに出ている。今後、グローバルにエチオピアで事業をする時に「エチオピアにはMOOCで一緒に勉強した仲間がいる」ということになってくるかもしれないのだ。こういう流れでも、日本は非常に遅れている。

Q.それでは最後に一言。

平野:山内先生がおっしゃったように、新しいものが出てきていることに気づくこと自体が非常に重要だと思った。単に大学だけではなくて、教育というものがテクノロジーによって変わっている、世の中が劇的に変わっていることに気づいていかなくてはいけないと思った。

重田:来月から東大を離れ、新しい場所でオープンエデュケーションの活動に取り組むことになる。東京大学のようなトップ大学ではMOOCの役割がある意味明確だが、それに続く大学においては、オープン教材を様々な手法で作り使うことで教育の質を上げ、教育に多様性を持たせることができると思っている。これまでの経験や今回の議論を生かして、オープンエデュケーションの可能性を探っていきたい。

パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」 山内:本日は前半に、9年間のBEATの研究に関して総括した。現代は、モバイル、ビッグデータ、ソーシャルという三種の神器を持っているという話をした。後半、Courseraという新しいプラットフォームが出てきていて、国境を越えるような学習が現実になりつつあるという話をした。この二つの話は密接につながっている。Courseraはサービスとしてはまだまだ改善の余地がある。5万人集まって協調学習が出来ているかというと出来ておらず、結構混乱が起きている。彼らは教育が専門ではないから当然だし、逆にいうと我々が出来ることはまだたくさんある。Courseraは、このままでも3億人まで規模拡大すると考えている。今世界の人口は70億人いる。トップ5%というのは3億5千万人だ。全員がインターネットにつながっている訳ではないから、3億人くらいかと思う。実は、トップ5%を相手にしている時は、たとえそのサービスが優れていなくても学習者自身が賢いから、教育サービスは成り立つ。でも、残りの95%の人に学びを届けるには、やはり何らかの仕組みが必要で、そのために必要なのが先に示した3つのコンポーネントだ。この9年間に培ったさまざまなノウハウや人々のつながりを活かしながら、今度は世界中の学習者に1人でも多く学びを届けるために、さらに努力をしていきたい。

パネルディスカッション「変革期を迎えた学習プラットフォーム」

(この公開研究会レポートは当日の記録をもとにベネッセ先端教育技術学講座で作成したものです。)

テーマ

変革期を迎えた学習プラットフォーム

BEAT(東京大学情報学環ベネッセ先端教育技術学講座)では、2012年度第4回 BEAT Seminar「変革期を迎えた学習プラットフォーム」を3月23日(土)に開催致します。これまで9年間に渡り回を重ねてきたBEATセミナーも今回が最終回となります。
近年の米国を中心とするMOOCs(Massive Open Online Courses、大規模公開オンライン授業)の動きは、オンライン教育サービスの新たな展開を示すとともに、「反転授業」に代表されるような従来とは異なる教育方法の導入を促しており、教育機関で提供される教育のあり方が問われています。この動きは、現在どのような形で進行しており、今後の国内の学校教育にどのような影響をもたらす可能性があるのでしょうか。
今回のBEATセミナーは二部構成で行います。まず第一部では、今年度実施したSoclaプロジェクトの活動成果として、3年目を迎えた高校生を対象とするソーシャルラーニングプログラムと、小論文、数学をテーマとした研究プロジェクトの報告を行います。そして、今年度で終了するBEATのこれまでの9年間の成果を振り返り、全体的な総括の報告を行います。
次に第二部として、サービス開始から1年足らずですでに200万人以上の登録者数に達する大規模公開オンライン授業プラットフォーム「Coursera(コーセラ)」の共同創設者でスタンフォード大学教授のダフニー・コーラー氏に、今回が日本初となるご講演をいただきます。そして、「プラットフォーム戦略」に深い見識をお持ちの平野敦士カール氏(ビジネス・ブレークスルー大学/教授)、オープンエデュケーション研究がご専門の重田勝介氏(東京大学大学 総合教育研究センター/助教)をお招きしてパネルディスカッションを行います。 大きな変革期を迎えつつあるオンライン教育や学習環境プラットフォームの今後について議論します。皆さまのご参加をお待ちしております。

日時
2013年3月23日(土)
13:00~17:00
場所
東京大学 本郷キャンパス
情報学環・福武ホール(赤門横)福武ラーニングシアター(B2F)
内容
趣旨説明:山内祐平(東京大学 大学院情報学環/准教授)

〈第一部〉
13:05-14:30
BEATプロジェクト成果報告
Socla数学・Global Math連携プロジェクト報告
(東京大学 大学院情報学環/特任助教 藤本徹)
Socla小論文プロジェクト報告
(東京大学 大学院情報学環/特任助教 高橋薫、佐藤朝美)
Soclaプロジェクト学習報告
(山内祐平、高校生ゲストスピーカー)
・BEATの9年間を振り返って(山内祐平、歴代BEATメンバー)

〈第二部〉
14:50-15:50
講演:ダフニー・コーラー氏(Coursera共同創設者・スタンフォード大学/教授)
※ライブビデオによる講演(逐次通訳付の予定)

16:00-17:00
パネルディスカッション
司会:藤本徹、高橋薫
パネリスト:
平野敦士カール氏(ビジネス・ブレークスルー大学/教授)
重田勝介氏(東京大学 大学総合教育研究センター/助教)
山内祐平
定員
180名
参加費
無料
懇親会
セミナー終了後 1F UT Cafeにて 参加希望者(¥3,000)

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