Beating 第22号
特集:2005年度Beating特集「5分でわかる学習理論講座」
最終回:総集編・メイキングオブ「5分でわかる学習理論講座」
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東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」
メールマガジン「Beating」第22号 2006年3月28日発行
現在登録者962名
「5分でわかる学習理論講座」最終回:
総集編・メイキングオブ「5分でわかる学習理論講座」
http://www.beatiii.jp/
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みなさんこんにちは。お元気でお過ごしでしょうか?
3/25(土)に開催された「BEAT 2005年度研究成果報告会」は、おかげさまで
席が足りないほどの盛況でした。みなさんご参加ありがとうございました。
来年度も公開研究会を開催いたしますので、どうぞよろしくお願いいたしま
す。
開催の詳細は、BEAT Webサイトおよび、本メールマガジン「Beating」でご案
内を差し上げますので、どうぞお見逃しなく。
では、2005年度を締めくくるBeating第22号のスタートです!
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┃★CONTENTS★
┃■1. 特集:2005年度Beating特集「5分でわかる学習理論講座」
┃ 最終回:総集編・メイキングオブ「5分でわかる学習理論講座」
┃
┃■2. 【お知らせ】2006年度BEAT公開研究会のご案内
┃
┃■3. 「BEAT研究 Who's Who」
┃ 〜BEAT研究者の素顔と、オススメWebサイトのご紹介
┃
┃■4. 編集後記
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■1. 特集:2005年度Beating特集「5分でわかる学習理論講座」
最終回:総集編・メイキングオブ「5分でわかる学習理論講座」
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今年度のBeatingでは、BEATの研究をより理解していただくために、その背
景となっているさまざまな学習に関する理論を、1年間でみなさんとともに
学ぶことを目的とした「5分でわかる学習理論講座」を開講してきました。
1カ月にひとつずつすぐに応用可能な理論・方法を中心に、情報技術を用い
た学習環境に関する注目理論・キーワードについて解説してきました。
この連載も今回で最終回になりました。今月は、制作スタッフの裏側の葛藤
もお見せしながら、今までの記事を振り返っていきたいと思います。
今まで、みなさまにお届けした記事は以下の10本になります。
第1回:認知的柔軟性理論
第2回:行動主義と構成主義
第3回:社会的構成主義
第4回:実践共同体
第5回:認知的徒弟制
第6回:相互教授法
第7回:ジグソーメソッド
第8回:アンカードインストラクション
第9回:ゴールベースドシナリオ
第10回:問題解決学習
もし、「読み落とした、もう一度読んでみたい」というものがあっても大丈
夫です。BEATのWebサイトにバックナンバーがアップロードしてあります
ので、ご参照ください。
・Beatingバックナンバー
http://www.beatiii.jp/beating/
内容的には大学の半期の授業と同じぐらいのものがつまっています。この10
のキーワードを自分のものにできたなら、きっとこの先これらの言葉を使わ
ずに「学習」を語ることが難しくなるでしょう。それぐらい最近の「学習」
に関する重要な概念が並んでいます。
Beatingを読んでくださっている方々には、教育や人材育成の業界で仕事をさ
れている方も多く、スタッフ一同、学習理論を学んでいただくための窓口に
なればいいなという思いを込めて記事を書いてきました。
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●第1回:認知的柔軟性理論
http://www.beatiii.jp/beating/012.html
第1回:認知的柔軟性理論は、その月(5月)の公開研究会のテーマであるマ
ルチメディア教材のデザインに使われた理論としてとりあげました。
・2005年度第2回BEAT公開研究会レポート
http://www.beatiii.jp/seminar/010.html
理論というと、役に立たないというイメージがありますが、学習理論は実践
の中で考えられ、用いられることを意識して作られている理論体系です。
そのつながりをわかっていただきたいと思い、このテーマを第1回目に持っ
てきています。
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●第2回:行動主義と構成主義
http://www.beatiii.jp/beating/013.html
●第3回:社会的構成主義
http://www.beatiii.jp/beating/014.html
第2回:行動主義と構成主義、第3回:社会的構成主義は、「そもそも学習を
どうとらえるか」という、哲学や認識論の話です。日本では、このような抽
象的な話は敬遠されがちですが、世界的に見ると、教育に関わる職業的専門
人はほとんどこれらの概念を理解しています。
それは、哲学や認識論が、様々な方法を一貫した形で学習者に提供するため
の基盤になると考えられているからでしょう。哲学や認識論は、学習環境と
いう建物の土台になる重要なものなのです。
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●第4回:実践共同体
http://www.beatiii.jp/beating/015.html
●第5回:認知的徒弟制
http://www.beatiii.jp/beating/016.html
第4回:実践共同体、第5回:認知的徒弟制は、学習が社会的なものであると
いう前提に立ったときに、人々の活動と共同体と学びの関係を俯瞰的に見た
理論体系です。
人類学に影響されたこれらの理論は、学ぶということが、共同体が展開する
社会的活動の参加プロセスで発生することを指摘しています。これらの理論
は、「なぜ学ぶのか」という問いに対する一つの答えを用意しているといっ
てもよいでしょう。
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●第6回:相互教授法
http://www.beatiii.jp/beating/017.html
●第7回:ジグソーメソッド
http://www.beatiii.jp/beating/018.html
第6回:相互教授法、第7回:ジグソーメソッドは、対話の中で学ぶ際に、
集団をどう組み立てれば学習が喚起されるかという問題に関する理論です。
ワークショップや授業などで、グループワークをする際に役に立つのはもち
ろんのこと、オンラインの活動にも応用可能なものになっています。
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●第8回:アンカードインストラクション
http://www.beatiii.jp/beating/019.html
●第9回:ゴールベースドシナリオ
http://www.beatiii.jp/beating/020.html
第8回:アンカードインストラクション、第9回:ゴールベースドシナリオは、
学習者が意味を感じながら学習することができる学習活動をデザインするた
めの理論です。
人々は、問題解決活動の中で目標を持ち、様々な試行錯誤の中で学びます。
そのプロセスをどう設計するかが、学習が生起するか、失敗するかの分か
れ目になるのです。
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●第10回:問題解決学習
http://www.beatiii.jp/beating/021.html
第10回:問題解決学習は、第4回から第9回までの理論の背景にある学習に関
する基本的な考え方です。問題解決学習は、100年近い歴史があり、教育学の
基本的なテーゼとして様々な教育活動に応用されてきました。今回ご紹介し
た学習理論が展開されてきたのは、この20年ですが、その基礎になる考え方
は、長い歴史の中ではぐくまれたものなのです。
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内容的には大変充実したテーマをそろえられたと思いますが、これをメール
マガジンのかたちでみなさまにお届けするのは想像以上に大変なことでした。
もともと、一つ一つの内容が、大学の授業で言えば、90分の授業でないと伝
えられないような厚みを持ったものばかりです。
Beatingは他のメルマガに比べるとずいぶん長いものを送らせていただいて
いるのですが(ごめんなさい…。)それでも本質を壊さずに伝えるのは大変
な作業でした。
また、メルマガだと図が使えないので、どうしてもエピソード中心の語り方
になります。どれぐらいわかりやすいエピソードを思いつけるか、ライター
や編集者たちはうんうんうなりながら考えてきました。
しかしながら、このような苦労の結果、非常にわかりやすい解説シリーズが
できたのではないかと思っています。この特集記事に関しては、来年度出版
予定の書籍に組み込みたいと考えています。
みなさまも、ぜひ、この特集記事をもう一度シリーズで読み直してみて、
学習理論の世界を味わってみてください。
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ここで、この講座をよりよく理解するための、課題図書ともいうべき一冊
をご紹介しておきます。
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『「未来の学び」をデザインする』
美馬のゆり・山内祐平(著) 東京大学出版会
http://www.utp.or.jp/shelf/200504/053078.html
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特に、巻末の参考文献リストは、これからこの講座で紹介していくさまざ
まな学習理論の参考図書がよくまとまっています。
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これまで、今年度の特集記事をお読みいただきありがとうございました。
2005年度Beating特集「5分でわかる学習理論講座」は、以下のスタッフでお届
けして参りました。
・ライター
舘野泰一/青山学院大学文学部教育学科 4年
松河秀哉/大阪大学大学教育実践センター教育交流部門 助手
・編集
中野真依/BEATコーディネータ
八重樫文/福山大学人間文化学部 講師
・監修
山内祐平/BEATフェロー
中原淳/BEATフェロー
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さて、来年度の特集は内容・スタッフともに一新してフレッシュにお送りいた
します。テーマはズバリ、
「世界の魅力的な教育プロジェクトを紹介する!」
ものになります。
世界の魅力的な教育プロジェクトを、「魅力的に」みなさんにお伝えできるよう
準備しておりますので、どうぞご期待ください。
2006年度Beating特集も、どうぞよろしくお願いいたします。
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■2.【お知らせ】2006年度BEAT公開研究会のご案内
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2005年度の公開研究会では、いつもたくさんの方々にご参加いただきまして
ありがとうございました。
2005年度は、「デジタル教材の系譜・学びを支えるテクノロジー」と題し、
古今東西のデジタル教材をレビューすることによって、みなさまと一緒に
教育を支える新しい人工物の姿を考えてきました。
この公開研究会でレビューした教材を中心に、次のような本の出版を予定し
ています。
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「デジタル教材の系譜・学びを支えるテクノロジー」(仮称)
2006年出版予定
ベネッセ先端教育技術学講座(編著)
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2006年度も毎月1回の予定で、「BEAT」の研究内容や、教育に関するIT技術利
用に関する最新動向などをテーマにした公開研究会を開催いたします。
第1回目は5月に開催いたします。詳細が決まりましたら、BEAT Webサイトお
よび、本メールマガジン「Beating」でご案内を差し上げます。
・BEAT Webサイト
http://www.beatiii.jp/
2006年度の公開研究会でも、みなさまの多数のご参加を心よりお待ちしており
ます。今後の情報をお見逃しなく。
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■3. 「BEAT研究 Who's Who」
〜BEAT研究者の素顔と、オススメWebサイトのご紹介
今回は・・・BEATメールマガジン「Beating」編集担当 八重樫文先生
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このコーナーでは、みなさんにぜひ、個性あふれるBEATメンバーたちをよ
く知ってもらいたいと考え、BEATメンバーたちがそれぞれ自己紹介をして
いきます。
BEATメンバーって誰のこと?という方はコチラ:
BEAT Webサイトメンバーページ
http://www.beatiii.jp/members.html
さらに、自己紹介だけでは物足りないぞ、という欲張りなみなさんのために、
普段の研究・興味・関心をベースに、研究を行う際や資料を検索するときに
役立つサイト、または必ず毎日目を通すサイト、情報ネタとして利用してい
るサイトなど、オススメWebサイトを紹介していただきます。
第10回目で最終回となる今回は、本メルマガでお馴染みの、「Beating」編
集担当 八重樫文先生に、自己紹介とオススメWebサイトを紹介していただ
きました。
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●自己紹介
八重樫文(やえがしかざる)です。今年度のBeatingの編集を担当させてい
ただきました。みなさんいつもご高読ありがとうございます。
これまで正式に自己紹介する機会がありませんでしたので、この場を借りて
紹介せていただきたいと思います。
本職は、広島県の福山大学人間文化学部人間文化学科メディアコミュニケー
ションコースというところで専任講師をしております。
専門は「デザイン論」です。BEATに携わっている多くの学習論の研究者たちは、
人々の日常の活動における様々な行為を「学習」と捉えていますが、私は
「デザイン」を専門にする身ですので、人々の日常の様々な行為を
「デザイン」と捉えています。
例えば、今日どんな服を着ていくか、という日常の行為は、彼氏によく見ら
れたい、上司に認められたい、激しい運動に適する、など目的に対する選択
的行為であるといえます。このように、どんな段取りで仕事を進めるか、夕
食はどんなメニューにするかなど、すべての目的に対して段取り(プラン)
が介在する行為が「デザイン」であると考えています。
BEATでも、「学習環境をどうデザインするか」ということが常々問われてい
ます。このような分野において、これまで本Beatingで扱ってきたように
「学習」については様々な理論が紹介されています。しかし、「デザイン」
についてはほとんど言及されていないように思います。「学習環境をどう
デザインするか」という命題に対しては、「学習」と同様に「デザイン」
に関する知見が必要であると思っています。
このような観点から、「学習」において適用できる「デザイン」について
日々研究を行っています。
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■「オススメWebサイト」の紹介
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・GOOD DESIGN AWARD
http://www.g-mark.org/
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「グッドデザイン」ということばを耳にしたことがあるでしょうか。
このサイトでは、形の美しさだけではなく、「品質の良さ」「使いやすさ」
「商品としてのバランスの良さ」が認められたものに関して与えられた
「グッドデザイン賞」について、その歴史や審査のプロセスが紹介されて
います。
「デザイン」とは個性・センスにのみ委ねられた行為ではありません。それ
は社会に役立つことが前提とされた社会的な行為です。このサイトは、その
社会性に根ざした「デザイン」に関する評価について参考になり、「学習環
境のデザイン」において「良いデザインとは何か」を考える際にも役立つと
思います。
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これまで10回にわたり、BEATメンバーたちについて紹介してきましたが、
少しは身近に感じていただくことができたでしょうか。公開研究会などで見
かけましたら、これを機会にお声をかけていただけるとうれしいです。
次回からは、新企画をお送りいたします。どうぞお楽しみに!
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■4. 編集後記
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最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
今年度を締めくくるBeating第22号はいかがでしたでしょうか。
重ねて、今年度のBeatingをお読みいただきまして、ありがとうございました。
次回からの2006年度Beatingは、内容もスタッフも一新してお送りいたしま
す。BEATの活動に関するさまざまな最新情報を中心に、みなさんのお役にた
つワクワクするよう内容を、いち早く・わかりやすくお届けするよう努めま
すので、来年度のBeatingもどうぞよろしくお願い申し上げます。
BEAT本体も、おかげさまで4月から3年目に突入です。
これまで以上に、精力的な活動を行っていきますので、今後ともご支援のほ
どよろしくお願いいたします。
「Beating」編集担当
八重樫 文
kazaru@beatiii.jp
-------次回発行は4月第4週頃の予定です。
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「Beating」編集担当
八重樫 文
(福山大学 人間文化学部 人間文化学科
メディアコミュニケーションコース 専任講師)
kazaru@beatiii.jp
□「BEAT」公式Webサイト
http://www.beatiii.jp/
□発行
東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」
Copyright(c) 2006. Interfaculty Initiative in information Studies,
The University of Tokyo. All Rights Reserved.
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