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第10号
世界に広がるモバイルメディアの教育利用研究 その2

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  東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」
  メールマガジン「beating」第10号     2005年3月28日発行
                         現在登録者483名
    世界に広がるモバイルメディアの教育利用研究 その2
           http://www.beatiii.jp/
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BEATはご存じの通り、「ケータイと学習を繋ぐ、新しい利用形態の創造」を
目的としています。私たちは、常に「新しい」こととはどんなことなのかを
考えています。単にいっときの流行に消えてしまう、目新しさではなく、や
がて社会に定着する先見の明に溢れた「新しさ」を模索しています。

本当に「新しい」ことをはじめるためには、「今までのこと」をちゃんと知
らなくちゃいけない。そこで、4月からの公開研究会では、「デジタル教材の
系譜・学びを支えるテクノロジー」と題して、さまざまなデジタル教材を振
り返ります。ご期待ください。

「今まで」と「これから」に切り込む壮大な野望(?)をもったbeating
第10号のスタートです!

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┃★CONTENTS★
┃■1. 特集:「beat seminar」第8回 連動企画 その2
┃「beat seminar後日談:
┃ NESTA Futurelab研究員ベン=ウィリアムソン氏
┃ MITセンベン=リャオ博士
┃ にイロイロお聞きしちゃいました。」
┃
┃■2. 【お知らせ】公開研究会「beat seminar」2005年度第1回
┃                     4/2(土)開催!
┃
┃■3. 「紹介したいこの人この1冊。 オススメお蔵出し!」
┃
┃■4. 編集後記
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■1. 特集:「beat seminar」第8回 連動企画 その2
 「beat seminar後日談:
  NESTA Futurelab研究員ベン=ウィリアムソン氏
  MITセンベン=リャオ博士
  にイロイロお聞きしちゃいました。」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3月5日(土)に行われた公開研究会は、多数のみなさまにご参加いただき、
おかげさまで大盛況で幕を閉じることができました。

イギリス、アメリカから2名の研究者をお招きし、それぞれが従事している
プロジェクトをご紹介いただきました。テクノロジーを利用した新しい教育
や学習のスタイルが提示され、今後のBEATの活動にとって非常に示唆に富
んだ内容でした。

講演の詳細は公開研究会レポート、
http://www.beatiii.jp/seminar/008.html
をご覧ください。

今回の特集は、その2名に、公開研究会のことをはじめ、日本の印象、今後
の研究のこと、これからの教育や学習のことなどいろいろお聞きしました。
壇上で話されていたお2人からは伺えなかった、人となりが見えてきた、
かな・・・?

……………………………………………………………………………………………
--今回は何度目の来日ですか?

今回が初めての来日でした。日本にはずっと前から、是非来てみたいと思っ
ていましたので、今回来られたことをとてもうれしく思っています。
(NESTA Futurelab研究員ベン=ウィリアムソン氏:Ben)

父が日本で働いていたこともあり、過去に何回か日本へ来たことがあります。
(MITセンベン=リャオ博士:Liao)

……………………………………………………………………………………………
--今回の来日はいかがでした?

あまりいろいろなところを訪れる時間はありませんでしたが、東京にとても
魅了されたので、是非また来たいと思っています。
渋谷の巨大なスクリーンからの音、秋葉原の電器街のゲームや音楽、駅ホー
ムの音楽、カフェやレストランの厨房で働く人たちのかけ声など、写真には
映らない「音」にとても魅力を感じました。私には、見ること聞くことすべ
てがとても興味深いものでした。(Ben)

本当にすばらしいものでした。いろいろな場所を訪れ体験した日本文化、歴
史、および伝統は、私の心を奪い離れません。(Liao)

……………………………………………………………………………………………
--今回の来日で、日本の印象は変わりましたか?

ある晩、新宿で道に迷い、地下鉄の駅に戻ろうとしてさらに迷ってしまいま
した。そんな時、私が会った日本の人々は、とても好意的でやさしい人たち
でした。日本語をほとんど話せない私に、辛抱強く地図を指さして、微笑み
ながら対応してくれたことにとても感動しました。(Ben)

以前までの来日では、単なる旅行者でほとんど人と話したりする機会があり
ませんでした。今回は、多くの人々と接する機会がありました。そこで、日
本の人々の仕事へのひたむきさを実感し、また、礼儀正しさ、誠実さにとて
も感動しました。(Liao)

……………………………………………………………………………………………
--セミナー以外にどこかに行きましたか?印象に残った場所があれば教えて
 ください。

他の研究会にも参加し、日本の教育・技術・文化の理解に努めました。
空き時間には、CD店や書店に行きました。日本の書籍、雑誌、コミックは、
とても美しく装丁されていますね。私は日本語は読めませんが、そのような
質の高いヴィジュアルアートワークはとてもすばらしいと思います。
現在の子どもたちは、映像・音・文字が等しく重要に扱われるヴィジュアル
カルチャーの中で成長しています。このようなヴィジュアルカルチャーは、
教育関係者が新たに挑戦すべき可能性を秘めたものであると思っています。
(Ben)

浅草寺、湯島聖堂、秋葉原などを観光しました。 浅草は私のお気に入りのひ
とつです。 お寺をお参りし、たくさんのおみやげを買いました。
また、私は和食が大好きです。 近いうちにまた日本に来るのを楽しみにして
います。(Liao)

……………………………………………………………………………………………
--それぞれに、日本を楽しんでいただいたようで安心しました。また、日本
 人の気質を高く評価していただいていることは、とてもうれしく思います。
 さて、次は、先日のセミナーで発表された内容について少しお聞きしたい
 と思います。

……………………………………………………………………………………………
--紹介していただいたプロジェクトでは、どちらもビジュアライゼーション
 ツールを用いていることが大きな特徴でした。そこでは、協調活動が促進
 されているのはよくわかりました。では、それが具体的にどのような教育・
 学習の目標に関連しているのか、お聞かせ下さい。

ビジュアライゼーションツールは、他のメディアでは提供することができな
い作業を、子どもたちに提供することができます。先日のセミナーで紹介し
た「Virtual Puppeteers」と「Moovl」を子どもたちが使用した時、従来
の話すだけや、紙に書き留めるだけの方法よりも、子どもたちのアイデアが
豊かになったことが示されました。現在子どもたちを取り巻いているヴィ
ジュアルカルチャーの中では、話すことと、文字を書くことだけでは十分で
はありません。イギリスと日本において、この点は全く同様であると思いま
す。(Ben)

ビジュアライゼーションのいくつかの追加すべき利点は、以下の3つです。
(1) 異なった表現形式(数学的な表現、図的・絵的な表現)の関係を明らかに
  します。
(2) 学生が、数学の方程式と実験測定値の関係を理解するのを助けます。
(3) 学生が、物理的な概念のメンタル・モデルをつくるのを助けます。
(Liao)

……………………………………………………………………………………………
--プロジェクトの中では、いくつかの方法で評価を行っていることをお聞き
 しました。その中で、特に「理解度を評価する」のに、どのような方法を
 とっているのか、お聞きします。ペーパー何割、プレゼン何割、といった
 ようにしているのでしょうか。具体的にどんな指標と方法を用いているか、
 教えてください。

私は、子どもたちが実際に教材を使用する様子をビデオ撮影し、それぞれの
行為において、どう動いたか、何を言ったか、どのくらいの時間をかけたかを、
書き起こして分析する方法を好んで用います。これには、子どもたち自身にそ
の教材の使用方法を説明させることが有効です。
このような評価分析によって、現在の教材の達成度を評価することができ、
その教材で、何が本当に学ばれているかを明らかにすることができます。
私たちがプロジェクトを評価するときに、一番重要視しているのは、子ども
たちが本当に楽しんでいるかどうかということです。それが無味乾燥で楽し
くないものであるなら、考え直す必要がある、と思っています。(Ben)

TEALが目的とする新しい教育の有効性を評価するために、伝統的な学生と
TEALクラスにおいて、プレテスト(授業初日に実施)とポストテスト(最終日
または期末試験の一部として実施)を行い比較しました。 また、授業期間中
と授業終了後に質問紙に回答してもらったり、ディスカッション・グループ
や、個別にインタビューを行いました。(Liao)

……………………………………………………………………………………………
--日本のケータイは、Webもメールもできるコンピュータにかわる環境にな
 りつつあります。そのようなケータイをどのようにプロジェクトの中で使っ
 てみたいですか?アイデアをお伺いしたいと思います。

残念ながら、イギリスではまだ日本のような多機能のケータイは普及してい
ません。
しかし、そのようなケータイを使用すれば、PDAを使用してアフリカ平野の
生態を経験する私たちの「Savannah」のように、実際の環境から手がかり
を見つけ、子どもたちに歴史的な事実を認識させるような使い方が可能にな
ると思います。私たちの現実に知覚できる環境に、新たな仮想環境を加える
ことが、ケータイでは容易に可能になると思います。(Ben)

日本のようにほぼ全員がケータイをもっているわけではないので、現在は授
業などでの使用はあまり考えられていません。しかし、それは教室空間にお
いて、貴重な学習ツールになる可能性があると思います。(Liao)

……………………………………………………………………………………………
--セミナーでは、主に活動の現状についてお聞きしました。ここでは、将来
 の活動の展望について伺いたいと思います。

現在、プロトタイプの開発だけでなく、商品として供給することに取り組ん
でいます。また、子どもたちがGPSを搭載したモバイルツールを持ち、写真
家という設定で実際に歩きながら社会的・文化的な問題を調査し、3Dマッ
ピング機能で実際の環境設計と評価を行う、新しいプロトタイプの開発も
行っています。詳細はこちら。
http://www.nestafuturelab.org/showcase/show.htm
(Ben)

私たちはTEALが、これから21世紀を牽引する学生に有用な教育方法である
と信じています。 このアプローチは、高校や大学の導入レベルの科学教育に
おいて、かなりのインパクトをもつものです。また高校以下の教育の手本に
もなっています。
今後は、MIT以外でTEALを広めたいと思っています。 近い将来、世界中の
多くの学校が、学生が受け身に座っているだけの講堂に代わって、アクティ
ブな学習過程に従事するTEALのような教室を持つことを望んでいます。
(Liao)

……………………………………………………………………………………………
--最後に、セミナーに参加した日本のみなさんにメッセージをお願いします。

セミナーへ多数のご参加にとても感謝しています。セミナーでの反応から、
みなさんも私と同じ関心を持っていることを実感しました。今回紹介したNE
STA Futurelabの実践が、みなさんのお役に立つものであることを願ってい
ます。
私たちは、学校で長い時間を過ごす若い世代の人たちが、楽しく、創造的で
あるような教育を考えたいと思っています。また、私たちが子どもから学ぶ
こともたくさんあるので、そのように知識を共有する方法を模索し続けたい
と思っています。BEATの活動はそのために有意義なものだと思います。
(Ben)

セミナーへのご参加ありがとうございました。TEALプロジェクトについて、
意見を交換・共有できる機会をいただいたことに深く感謝いたします。
TEALにより深い興味がごさいましたら、お気軽にお問い合わせください。
(Liao)

……………………………………………………………………………………………
--どうもありがとうございました。また日本にいらっしゃることを楽しみに
 しています。

……………………………………………………………………………………………

BEATでは今後とも、NESTA FuturelabやMITはじめ、国内外の先進的な
テクノロジーの教育活用事例に注目し、ご紹介していきたいと思います。
「どこそこの研究・実践について知りたい!」や「○○の△△における
活用事例を紹介してほしい!」など、ぜひご意見お寄せください。

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■2.【お知らせ】公開研究会「beat seminar」第1回 4/2(土)開催のご案内
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2005年4月2日(土)、「BEAT」では、2005年度第1回目の公開研究会を開
催します!

「BEAT」の研究内容や、教育に関するIT技術利用に関する最新動向などをテ
ーマにした公開研究会です。開催情報は、今後も公式Webサイト、メールマ
ガジン「beating」でご案内を差し上げます。

2005年度の公開研究会は、少し雰囲気を変えて、毎月教材を選んでレビュー
していく形にしたいと考えています。

9月、3月には従来と同じような研究成果公開型の研究会にしますが、それ以
外の月は、古今東西のデジタル教材をレビューすることによって、みなさま
と一緒に教育を支える新しい人工物の姿を考えていきたいと思っています。

この公開研究会でレビューした教材を中心に、来年次のような本の出版を予
定しています。
———————————————————————————————————
「デジタル教材の系譜・学びを支えるテクノロジー」(仮称)
2006年春出版予定
ベネッセ先端教育技術学講座(編著)
———————————————————————————————————

第1回目となる今回は、世界初のマルチメディア教材といわれる「ミミ号の航
海」を中心に、合衆国で作られてきたマルチメディア教材をレビューしていき
ます。みなさまご期待ください。


—————————【第1回 公開研究会 概要】————————————
●テーマ
  「デジタル教材の系譜・学びを支えるテクノロジー」
  第1回:ミミ号の航海とマルチメディア教材

●日時
  2005年4月2日(土曜日) 午後2時〜午後5時

●場所
  東京大学 本郷キャンパス 情報学環暫定ANNEX 2F教室
http://www.beatiii.jp/images/sem09-map.gif

●定員
  40名(お早めにお申し込みください)

●参加方法
  参加希望の方は、BEAT Webサイト
http://www.beatiii.jp/seminar/
  にて、ご登録をお願いいたします。

●参加費
  無料


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■3. 紹介したいこの人この1冊。 オススメお蔵出し!
  今回は・・・国立民族学博物館外来研究員 佐藤優香先生
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広く教育やメディアの研究に携わる研究者から、「オススメ本」を、お友達
紹介形式でお伝えする「紹介したいこの人この1冊。オススメお蔵出し!」
のコーナーです。

第8回目となる今回は、佐藤優香先生に「オススメ本」をご紹介して頂きま
した。

佐藤優香先生(国立民族学博物館のホームページ)
http://www.minpaku.ac.jp/staff/satoyuuka/
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1)『落穂拾い(DVD)』
アニエス=ヴァルタ(監督・出演)
バップ

企画委員として1年前から関わってきた展覧会が3月17日から始まりました。
現在、展覧会を子どもたちに楽しんでもらうための学校向けキットの開発と
いう、とても楽しいプロジェクトをすすめているところ。子どもたちに伝え
ようとしているテーマは、展覧会と同じく「ブリコラージュ」。これは人類
学者のレヴィ=ストロースが、未開社会に暮らす人々がありあわせの素材を
寄せ集め、素材本来の用途にはとらわれず自由な発想でそれらを用いること
を説明するために充てたフランス語です。このブリコラージュという視点を
身に付けると、これまで何気なく見ていたモノやコトがもっとイキイキとし
たものに感じられるはず!
そして、この「ブリコラージュ」という思考をまさに体現しているのが、
アニエス=ヴァルタの『落穂拾い』。映画監督として知られる彼女自身がDV
カメラを持って旅に出て、ブリコラージュな人たちの生活を映像でブリコラー
ジュしていくという作品。特典映像もふくめ、学びのデザインへのヒントが
満載です(佐藤)。

【ご購入したい場合はコチラ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00008Z6XI


展覧会「きのうよりワクワクしてきた ブリコラージュ・アート・ナウ 
日常の冒険者たち」は、国立民族学博物館で3月17日から6月7日まで開催。
学校向けのキットは4月中旬より貸し出し予定です(佐藤)。
http://www.minpaku.ac.jp/special/brico/

「ブリコラージュ」について詳しくは、
『野生の思考』レヴィ=ストロース(著)みすず書房
をご参照ください。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4622019728


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2)『情報デザイン入門』
渡辺保史(著)
平凡社新書

『情報デザイン‐わかりやすさの設計』
情報デザインアソシエイツ(編)
グラフィック社

『EAMES FILMS: チャールズ&レイ・イームズの映像世界(DVD)』
チャールズ&レイ・イームズ(監督・出演)
ジェネオン エンタテインメント

身の回りのモノやコトについて新しい視点を見いだすこと、そしてそれらを
素材として寄せ集めて何かを作り出すこと、こうしたブリコラージュという
思考は、「情報デザイン」にも通じるのではないかと感じています。
情報デザインとは、目に見える形のデザインではなく、情報や人やモノの関
係性など「コト」のデザイン。わたしはワークショップをデザインするとき
にいつも、学び手が情報デザイン力を身に付けられるような場にしたいと考
えています。
渡辺保史さんの『情報デザイン入門』は、情報デザインとはなにかというこ
とをわかりやすく教えてくれる一冊。
『情報デザイン‐わかりやすさの設計』は、様々なジャンルの人がそれぞれ
の視点で情報デザインについて語ったものです。
また、とてもすてきに情報がデザインされているのが『チャールズ&レイ・
イームズの映像世界』。デザイナーとして知られる彼らですが「パワーズ・
オブ・テン」をはじめ映像作品も魅力的です(佐藤)。

【ご購入したい場合はコチラ】
『情報デザイン入門』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4582850960

『情報デザイン‐わかりやすさの設計』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4766112903

『EAMES FILMS: チャールズ&レイ・イームズの映像世界(DVD)』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005MIG1

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次号は、多摩美術大学教授 須永剛司先生の登場です。

佐藤先生から須永先生への紹介メッセージです。

須永先生は、日本における「情報デザイン」の親方的存在。いつもとてもパ
ワフルで、様々な分野の研究者や学生さんたちとたくさんのプロジェクトを
進めておられます。なかでも特に気になっているのは、数年前から取り組ん
でおられる「食と農の体験博物館」のプロジェクト。東京‐北海道を行き来
して、自治体や農家の方たちも一緒に進めておられる企画はとてもおもしろ
そうです。プロジェクトのお話をきかせていただくたびにこちらまで元気に
なってきて、がんばらなくちゃと思わせてくださいます。どんな本を紹介し
てくださるのか、とても楽しみ!
須永先生、よろしくおねがいします。


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■4. 編集後記
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最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
beating第10号はいかがでしたでしょうか。

今回は海外からお招きした2名に、インタビューしました。海外からのお客
さまは、当然日本の文化や歴史に興味を持たれるわけで、日本人として
いろいろ答えなければいけない場面に多々遭遇します。でも、意外に日本の
ことを知らないのはきっと私だけではないはず。

もうすぐ、お花見の季節ですけど、何でそんなに桜に特別な感情を抱くのか
答えられますか? 以前に海外の友人に聞かれて困ったことがあります。
「だって、きれいだから」じゃ他の花だって十分きれいだし、「いっぱい咲
いているから」じゃ、集団心理に弱い日本人のイメージを強調してしまうし、
「すぐ散ってしまうから」じゃ、限定品に弱い最近の若者みたいだしなぁ、
うーん。

飲んで騒ぐ場があれば何でもいいのか、いやきっと違うよね、と思いちょっ
と調べてみました。「さくら」という語の「さ」は穀物の霊を表し、「くら」
は神霊が鎮座する場所を表していて、「さくら」は、穀物の神が集まる場所
という意味だそうです。昔の人々は、穀物の実りの成就を祈って桜の宴を催
していたそうです。

空一面を覆い尽くすような圧倒的な薄紅色の色彩が、私たちに新たな季節の
始まりを報せ、新たなるエネルギーを与えてくれます。四季折々の色彩が、
私たちにいろいろ語りかけてくる、そんな風土に暮らしていることに誇りを
もち、大事にしていきたいものですね。

おかげさまで、BEATは4月で1周年を迎えます。新年度からはbeatingもさ
らにパワーアップして、新しい企画とともにいろいな情報をお届けしていき
たいと思っています。


                        「beating」編集担当
                              八重樫 文
                         kazaru@beatiii.jp

-------次回発行は4月第4週頃の予定です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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端教育技術学講座にて、「beating」からのお知らせのためだけに使用いた
します。また、ご本人の同意なく、第三者に提供することはございません。

「beating」はお申し込みをいただいた方々に配信しています。
無断転載をご遠慮いただいておりますので、転載を希望される場合はご連絡
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□登録アドレスの変更、登録解除などはコチラ
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「beating」編集担当
八重樫 文(東京大学大学院 学際情報学府 山内祐平研究室 修士課程)
kazaru@beatiii.jp

□「BEAT」公式Webサイト
http://www.beatiii.jp/

□発行
東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」

Copyright(c) 2005. Interfaculty Initiative in information Studies,
The University of Tokyo. All Rights Reserved.
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