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045:2011年度 第1回 2011年6月4日開催

ソーシャルメディアが変える学びのかたち

  • ソーシャルメディアが変える学びのかたち
  • ソーシャルメディアが変える学びのかたち 講演「ソーシャルメディアが変える社会」
  • ソーシャルメディアが変える学びのかたち 報告1「Twitterを利用して高校生と大学生・社会人が進路と学ぶ意味について考える
  • ソーシャルメディアが変える学びのかたち 報告2「グループで小論文を相互添削するシステム
  • ソーシャルメディアが変える学びのかたち パネルディスカッション「ソーシャルメディアによって変わる学びのかたち」

1. 講演「ソーシャルメディアが変える社会」
津田大介(メディアジャーナリスト)

ソーシャルメディアが変える学びのかたち

1.1. ソーシャルメディアとの関わり(自己紹介)

はじめに

震災前後でソーシャルメディアの役割が大きく変化した。今までのソーシャルメディアは、洪水や地震などの大規模な災害に役立つだろうという、可能性が語られてきていた。今回未曾有の災害が起きて、ソーシャルメディアは思ったより役に立ったと言われている。もちろん役に立ったところもあるが、課題も残っている。

自己紹介、これまでの取り組み

  • 73年11月15日(37歳)生まれ。人口ピラミッド的にはトップにいる団塊ジュニア世代。
  • 93年早稲田社会科学部入学。当時インターネットが出てきた時代。慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)と並んでインターネット環境があり、24時間使えるコンピュータールームがあった。そのような環境でインターネットをよくしていた経験がある。こうして、ちょうど大学時代にインターネットをやったという人たちが、ネットベンチャーの第一世代と言われている。
  • 同世代(団塊ジュニア世代)にイチローがいる。(73年で同学年)。同世代のネット関連の有名人として、堀江貴文さん(72年生まれ)、藤田晋さん(サイバーエージェント/73年生まれ)、サーゲイ・ブリン/ラリーペイジ(Google創業者/73年生まれ)、西村博之(2ちゃんねるなど/76年生まれで同高校出身)など。
  • 普段の活動は、ジャーナリスト活動。IT・インターネット全般、ソーシャルメディア、音楽産業、コンテンツビジネス、著作権、ネットジャーナリズムなど。

ツイッターを使い始めた頃のこと

文化庁文化審議会専門委員を務めたのがキッカケで活動が広がった。政策ってこんな形で決まっているんだ、政治家が作るんじゃないんだ、っていう素朴な驚きがあった。しかし、官僚の方が画を描いて、利害関係者の方々が意見を言うという「なんとなく」法律が決まっていくというようなプロセスを目の当たりにした。そして僕らがやっていた著作権などの問題というのは、当事者の問題ではあるが、ネットユーザーの意見はどうなるのかという疑問もあった。
実際にたくさんの消費者の意見がどれだけ反映されるのかというと、その審議会では、「主婦連(主婦向けの生活者の消費者保護団体)」が呼ばれ、それで「消費者の意見を聞いた」ということになっていた。「なぜ一般の人を呼ばないのか」と役員の方に尋ねてみると、「消費者はたくさんいるし、代表している団体もないから呼ぶことができない」いう現状を知った。そこで様々なイベントや団体を作ってみた。
ソーシャルメディアがキッカケで、早稲田大学大学院で非常勤講師を始めた。Twitterは速報ツールとして使えると思っていたが、それこそ審議会で決まったことなどを速報としてTwitterで流していた。
2009年に、シカゴのDEPAUL大学で、Twitterジャーナリズムという授業が始まることを知り、自分が先にやりたかったという悔しい思いがあった。そして昨年の正月、「大学でTwitterジャーナリズム教えたい」とTwitterでつぶやいたら、早稲田大学大学院のジャーナリズム講師の田中先生から「授業の枠半分を使っていいよ」と5分後にTwitter上で連絡をもらって決まった。

1.2. 日本のソーシャルメディアの現状

    ソーシャルメディアが変える学びのかたち
  • 日本のソーシャルメディア3強:mixiとTwitter、Facebookの利用動向
  • 携帯電話からのアクセス:mixi:2000万人、Facebook:700〜800万人
  • 総合アクセス、mixi:3000〜4000万人、Twitter:2000万人、Facebook:700〜800万人
  • 3月の震災がキッカケでどのメディアも伸長した。現在は前月比からすると減少した。
  • PC利用者数を見ると、Twitterが最も多い。こうしてみると日本ではTwitterが一番使われているのかと思われる。しかしこのデータは、PCインターネットからのアクセスによる、携帯電話(ケータイサイト・「ガラケー」)のみからアクセスして利用している人が含まれていない。
  • mixiは最初の頃はPCユーザーが主だったが、今はケータイサイト利用者が約8割。PCからアクセスする人は2割のみ。Twitterは7割がPCユーザー、3割はガラケーからのアクセス。
  • インターネットの人口が1億人弱だと言われているので、4~5人に1人は何らかのソーシャルメディアを使っていると考えることができる。
  • mixi、twitter、Facebookそれぞれのアカウントをもっているかどうかを、大学の授業でのゲスト講義などで大学生に尋ねると、去年ははっきり分かれた。
    昨年:mixi9割、twitter5割,Facebook1割→今年:mixi8割、twitter9割、Facebook5割
    mixiやTwitterは大学生の中では比較的に多い。
    →2010年はソーシャルメディアが変化した節目の年なのではないか。

1.3. 昨年のソーシャルメディア現象

「鳩山に始まり、『流出』に終わる」

昨年の1月1日から国のトップ(鳩山前総理)が一国のトップという立場でTwitterを始め、大きなニュースとなった。2010年1月現在、日本でのTwitter人口300万人だったが、これがキッカケで増えてきた。
昨年末の尖閣諸島ビデオの流出もソーシャルメディアの起爆剤となった出来事。YouTubeで流出し、Twitterなどによってものすごい勢いで多くの人に広まった。マスメディアは、このニュースを翌日の朝に報道しており、7時間半のタイムラグが生じた。情報の流れが圧倒的に変わると感じた。
この動画は11月7日に流出したが、もう一つ象徴的な「流出」は、Wikileaks。11月後半のアメリカ外交公電流出。日本で知られるキッカケはNHKクローズアップ現代のWikileaks特集。それが11月7日の19時半。その数時間後に尖閣ビデオ流出。2010年11月7日は日本にとって歴史的な日となったと思う。

既存メディアの役割が大幅に変わった。

「Wikileaksはメディアにおける9.11事件」Wikileaksの事件以前と以後でメディアをしっかり分けて考えていかなければいけない。(中国人ジャーナリスト、安替)
ソーシャルメディアによってメディアは激変し、情報の流れ方が変わってきている。

通常メディアは新聞テレビにしても、双方向性のあるインターネットにしても、送り手受け手がはっきりしていた。しかしソーシャルメディアでは、その境目がなくなってきた。昔からインターネットは双方向性があると言われていたが、ソーシャルメディアで情報が流出しやすくなったことにより、情報の流れ方が大きく変わりはじめたといえる。

1.4. ソーシャルメディアを読み解く5つのキーワード

  • リアルタイム(速報性・伝播力)
  • 共感・協調(感情や思考の共有)
  • リンク(具体的行動の促進)
  • オープン(参加や離脱が容易)
  • プロセス(透明性・興味喚起)

リアルタイム(速報性・伝播力)

速報性

「今」何をやっているか、考えているか、流れてくるニュースについてどう思うかなど、「今」社会的に起きている現象や、プライベートな状況などを書ける速報性の高さ。リアルタイムだと情報の価値が高くなる。(テレビの速報テロップが出てくるとなぜかちょっとわくわくしてしまうような感じ。)チャットに近いリアルタイム性をソーシャルメディアは持っている。

伝播力

津田大介 ワンクリックでいろいろな人に情報を発信できる手軽さもある。今までのマスメディアの「マス」は大衆に届けるという価値があった。一気に多くの人へ情報を発信するということは、「放送」の分野しかできなかった。インターネットでは不可能ではなかったが、かつては一気に100万人がアクセするということがあればサーバーが落ちるという現象はよくあり、かつてネットは時間に縛られず「情報を置いておく」構造だった。
しかしTwitterは孫さんがつぶやけば100万人のフォロワーに届き、それを堀江さんがReTweetしてさらに70万人のフォロワーに広がり、それをさらに他の人がReTweetして広がるという構造になった。孫さんに限らず、たとえフォロワーが10人ぐらいの人がツイートしても、孫さんがたまたまそのツイートを発見してReTweetすれば100万人に広がるという現象が起こってしまう。
→個人がテレビなみの発信力を手に入れた。

共感・協調(感情や思考の共有)

基本的に自分が思ったことを書くというのがソーシャルメディアの基本的な使い方。そこで何が起こるかというと、ソーシャルメディアは意外とアナログなメディアで、共感や協調が生まれやすい。感情や思考をテレパシーのように共有しているところがある。
震災後タイムラインを見ると、不安な気持ちがならんでいた。特に東京や東日本の人などは、日本はこれからどうなるんだろうと落ち込んでいるツイートが目立っていた。しかし西日本は明るい日常的なツイートが目立った。それはすごく大事。Twitterがすごく日常的なものを書いているということで、こうした東日本と西日本の日常の違いなどがわかるから。人々の気持ちが共有しやすいことがソーシャルメディアの特徴。

リンク(具体的行動の促進)

アナログな共感協調が一歩進むと人々の行動がつながっていく。
具体的なことは支持されやすい。去年で言えば、宮崎の口蹄疫問題で、宮崎の農家を想う気持ちがソーシャルメディアによって広がり、自発的に宮崎県産の食材を使ってBBQパーティーをやり、そのお金を義援金として贈ろうという動きが全国に広まった。
震災以前は、アメリカワシントン州で洪水が起こったときに、地元のローカルメディアやマスメディアがハッシュタグを統一して、洪水に関する情報は共有しあおうということになった。お互いの新聞社が新聞社のリンクを貼る、という動きがあった。

オープン(参加や離脱が容易)

ソーシャルメディアが具体的行動につなげやすい特徴の1つ。参加することも離脱することも簡単。これまでは何かの活動をしようというときは、サークル・NPOなどのコミュニティに参加することが前提。しかしTwitterは盛り上がった場に参加できるという気軽さがある。

プロセス(透明性・興味喚起)

ソーシャルメディアは完成形のないプロセスのメディア。Twitterも140字しかかけないし、Facebookも600字くらいしかかけず、制限がある。1つ1つ細切れで発信する代わりに、量をたくさん発信するような設計になっている。
→共感を呼び、リンクしあい、具体的な行動につながるまでの経緯・プロセスをオープンに見ることができる。プロセスが見える透明性が、さらに興味喚起につながる。

1.5. リアルタイム化による変化

ストック型からフロー型へ:ストックとフローが両立している

ブログ時代までのインターネットは「データ置き場」
  • みんなでインターネットという巨大なデータベースをおいておいたら便利、という発想が最初。
  • ストック型(置かれている情報そのものの価値が高くなる)

それが、Twitter、Facebookの興隆でリアルタイムで流れる情報やそれによって起きるムーブメントに価値が生まれた。(例えばテレビ番組を実況しあい盛り上がる、日本代表のサッカーの試合など)1日後にみても全く価値がなく、リアルタイムにつぶやいたからこそ価値がある。
→インターネットの情報は残ると思われていたものが、消えていく情報というものが生まれた。
つまり、
→フロー型(情報以上に情報を流す主体の価値が高くなる)
ストック型の中にフロー型がある、という両立しているという時代となった。

紅白歌合戦の時に秒間ツイート数更新

津田大介 今年の1月にTwitterの本社で聞いた話によると、ツイートの数は世界の人口比率的に日本が圧倒的に多い。アメリカのほうがユーザーは多いが、アメリカ人は日本ほど使われてなく、1秒間のツイートの数も日本が一番多い。
去年までの記録でいうと、2010年ワールドカップの日本代表戦が一番更新された。しかしそれを超えたのは去年の紅白歌合戦で、1秒間に何千ツイートと言われている。それくらいリアルタイムで感情を共有するし消えていくようになった。

フローの情報の賞味期限=クリック率:15分くらいが一番高い。4時間ぐらいたつとゼロに近くなる。

ツイートをするときにURLも一緒にツイートする人が多いが、そのURLのクリック率は、そのツイートが流れてから15分位が一番多い。ツイートの賞味期限は1回目が15分後、その次が4時間後ぐらいになると言われている。

1.6.「なう」の心理

自らの様子を伝え合う

人々がソーシャルメディアを利用して絶え間なく自らの様子を知らせあう
  • 周囲の雰囲気や情報を捉えられる
  • 能力が形成される(メディアリテラシーなど)
  • 発言に対する反応が瞬時に返ってくることに快感を覚え、繰り返しアクセスする

mixiやブログの更新に対する反応は、数時間後や1日後だった。現在は速いものは秒単位となり、この速さが面白くなってアクセスが増える。

人の生活リズムを知ることができる

大半は他愛のないもの:集積することに意味がある。パーソナリティが描き出される

ソーシャルメディアで書かれる情報の大半は他愛のないもの。Twitterをやっていない人に「他人の『カレーライスなう』を見て何が面白いんだよ」と言われるが、ソーシャルメディアの9割5分くらいはどうでもいいものだし、本質だと思う。
→時間をかけて小さな情報を集積することで、その人の生活やパーソナリティが点描画のように描き出されてくる。これがソーシャルメディアの醍醐味。

「人」(直感や感性的なもの)への興味を倍増させるものがソーシャルメディア。学者さんのお昼ごはんのツイートや、普段遊んでいそうな人が政治に関するツイートをしていて、その人の意外な興味を知ることもある。
Twitterはいろんな自分が集積される場所。それでインディビジュアルになっていく。そしてその人の3~4割が実際に出てくるから面白く、人への興味を倍増させる。

1.7. ソーシャルメディア革命の本質

モルドバ、イラン、中国、タイの動向

  • モルドバ(2009):
    反政府の集会デモの動き。Twitterでやっていたので政府に筒抜けで半日で鎮圧された
  • イラン(2009):
    大統領選の後、不正があったとして、反政府側が民主化運動を始めた。基本的に電話などが通じなくなるくらい情報制圧があるが、インターネットは使えたので、ソーシャルメディアを利用して、情報を発信し、西側諸国で流通して、問題が世間に知られることになった。
  • 中国(2010):
    中国ではグレート・ファイアウォールにより、Twitterは利用できないが、それすり抜けて使っているユーザーが10万人くらいいると言われている。それから民主化運動に使われている。
  • タイ(2010):
    Ustreamを反政府側が利用したことにより、国でブロックされている。

→国家権力が、権力を維持するコストとしてソーシャルメディアを意識するようになった

今年に入ってチュニジア、エジプト、リビアで本格的に

  • チュニジア(2011)ジャスミン革命
  • エジプト(2011)→リビア(2011)へと飛び火し、政権が変わっていくという動き。

圧力になったのはソーシャルメディアそのものではなく、民衆のデモ

ソーシャルメディアそのものが政治的「圧力」になったわけでなく、民衆デモが圧力を生み出した。「ソーシャルメディアで社会変革が起きる!革命だ!」ということではない。「いいね!」を押すだけじゃなく、具体的な行動に移るからこそ圧力は生まれる。ソーシャルメディアはキッカケを生み出している。

人が行動する際、背中を押してくれるのが、ソーシャルメディア

ソーシャルメディア革命は「動員の革命」:人を動かし集める力を持っている
「ソーシャルメディア納豆論」
ソーシャルメディアが変える学びのかたち
  • かつて:〈出る杭〉やる気があって主体的に行動できる人間が勝手に飛び出していた
  • 今:〈ソーシャルメディア納豆論〉納豆のように、飛び出した人を追いかけて出て大きなムーブメントに成長していく。かき混ぜるほど粘りが出る。周りに声かけてみんなが付いてくる

1.8. ソーシャルメディアと震災・復興

インフラとして

震災時、通話網・メール・SMSが“死んだ”(接続できなくなった)状態だったが、ソーシャルメディアは震災時の重要な連絡ツールとなった。外部のサーバーからソーシャルメディアにアクセスして家族との連絡や仕事のやりとりをすることができた。パケット通信は生き残りやすいので、ソーシャルメディアは利用しやすい。

メディアとして

  • 現地のローカルTV、ラジオ局/行政機関のTwitterが重要な情報源に
  • 小回りのきかないマスメディアが伝えない生活情報を伝える

ソーシャルメディアが変える学びのかたち マスメディアの報道はどうしても原発の話題に偏ってしまっていたが、地元の人からすれば、生きるか死ぬかの瀬戸際で、それよりも欲しい情報があった。現地の人がマスメディアに求める情報と、マスメディアが発信する情報のギャップができてしまっていた。そこで活躍したのが現地のローカルテレビやラジオ局、行政機関のTwitterだった。問題は、テレビもラジオも点けていないと情報を得ることができなかったこと。行政機関は被災地を毎回訪問するにも、ガソリン不足のため難しかった。しかし携帯電話は電源さえあればなんとかなり、インターネットは時間や場所を超えることができるので、実際にローカルテレビ局やラジオ局はTwitterのアカウントをとって多種多様な細かい生活情報を流していく。そうするといつでも好きなときに情報を得ることができた。

多様な視点の提供と流言飛語の流通

Twitter上では多くの専門家が様々な視点を提供していた中で、多くの流言がとびかった。

メディアの相互連携

災害特番をサイマル放送

既存メディアとソーシャルメディアの相互協力が生まれていた。キー局は災害特番をインターネットで放映していた。被災地によっては“生きている”インフラが違っていたため特に役に立っていた。インターネットが1週間くらいで復旧したので、テレビは見れないけど、ネットのサイトでニュースを見て情報を得ていたという状況もあった。

避難所の映像を動画投稿サイトでシェア

通常避難所の映像はニュースの素材としてしか使われないのだが、5~6日携帯がつながらないという人もいた。そこで避難所の映像が動画投稿サイトで見られるようになると、安否確認などにも使えた。これはNHKやTBSなどが独自にやっていたが、肖像権などの問題があって調整が難航した。NHKやTBSが10日後、フジテレビが2間後くらいに実施した。この情報は翌日や3日目などにすぐ必要な情報だと思うので、次も大きな震災が起こった場合は、その当日にはこのような映像が見られるようになるといいと思う。

  • 「速報はTwitterで」が定着
    速報はTwitterに流そうという流れがあった。
  • 一次情報源としてのソーシャルメディア
    記者会見を最初から最後まで流し、同時に視聴者の意見が見られるネット放送サイトの隆盛により、記者会見が一次情報源となった。
  • 多数の専門家たちがソーシャルメディアで情報発信や分析を開始
    実際にTwitterを利用して原子力や危機管理の情報が専門家から発信され、多様な情報・視点を得ることができた。ニュース番組ではコメンテーターが1,2人いるが、ソーシャルメディアは100~1000人の専門家がいるようなものだ。しかしそれだけ多くの専門家が情報を発信すると、情報が爆発してしまう。よって、それらの情報を集積するサイトの必要性も高まった。

課題:デマへの対処と「消えない情報」問題

思った以上にデマは流れ続けなかった印象だが、デマ以上に問題だったことは、「消えない情報」。最初はデマじゃなかったが、後ほどデマになってしまう例。

例:「福島県の◯◯地域に取り残されているので助けてほしい」というツイートが流れたその時は事実で、そのツイートを見た人が助けにいく。しかし3日後ににそのツイートを非公式RTしてしまう人も現れ、その情報をもとに警察や自衛隊に通報して、実際に現場に行ってみると誰もいない、ということもあった。

石巻のボランティアセンターの方に、「Twitterで寄せられる救援情報の正確さ」について尋ねると、半分が正確だと言っていた(5割という数字は高いと思う)。正しくなかった残りの5割の救援情報のうち、3分の1はまさに解決済みの情報だったらしい。

情報格差の拡大

津田大介 インターネットが見られる人は生活情報や安否情報がすぐ手に入るが、アクセス出来ない高齢者は、市役所にわざわざ出向いて紙をもらってこなければならない。そのため若い人がインターネットの情報を見て、近くの高齢者に声をかける姿もあった。 これまではITリテラシー、デジタルデバイドが生死を分けることはなかった。しかし今回の震災の場合は情報にアクセスできるかできないかで大きな違いがあった。

今後求められるICT技術

  • ソーシャルメディアと自動連携するGPS連携(統一型)災害掲示板サービス
    携帯電話のサイトに災害掲示板サービスはあるが、3キャリア(Docomo,au,softbank)はどれもバラバラなので、情報を1つに統一させる。
  • らくらくスマートフォン
    高齢者の方が簡単に使用できる。通話網がやられても、通信網が生きていたらとても便利。IP電話・ヘルプボタンを押すと救援要請を出せる。など
  • 171(災害時伝言ダイヤル)のIP版
  • ソーシャルメディアの情報精査、ステータスを共有する公的機関
    不必要な情報を消すための対策

「動員」の先にあるもの

  • 動員×マイクロペイメント(少額決済)
    Q&Aサイトの質の向上、社会運動の効率化、NPOのモジュール化(例:いいね!ボタンを押すと10円が義援金となるなど。)
  • 善意の金銭化→社会を動かすエンジン
    ソーシャルメディアは共感・協調のアナログメディアだと伝えたが、善意を含めて流れが見えやすい。この善意を金銭化することで、エンジンになる。

★動員で社会との結節点が生まれる。そこから何を変えていくか。

ソーシャルメディアと「復興」:被災地の人が求めている3つのこと

  • 多様な「情報」
  • 生きるモチベーションとしての雇用と産業
  • 必要に迫られたときに物を買える財力

善意の流入を継続させる:マスメディアは飽きるがソーシャルメディアは飽きない

マスメディアは震災後1ヶ月で通常の番組モードになった。そのかわりソーシャルメディアを利用して現地に行った人、または現地の人が、被災地域の情報を発信できる。当事者が現地の情報をありのまま、当事者の言葉で発信していくことで、関心を常に向けさせることができる。新潟中越地震や阪神淡路大震災の時との大きな違いだと思う。
→今のレベルで義捐金投入が10年続けば復興速度が上がる

1.9. ソーシャルメディア時代の情報発信

ソーシャルメディア時代のクリエイティブ

ソーシャルメディアの5つの特性を考える
  • リアルタイム
  • 人々の共感や協調を巻き起こす
  • 具体的行動を促進
  • オープンで誰もが参加可能
  • 物事を創っていくプロセスごと公開

現地の人の話したい欲求に応え、多くの人に翻訳して伝える

ソーシャルメディア時代の取材スタイル
  • 小回りのきかないマスメディアが伝えない細かい情報を、リアルタイムに伝えていく
  • 現地の人に分かりやすく翻訳して伝えていく

現地の人はとても話したがりで、現地の人からTwitterで話をしたいという連絡がくることも。セブンイレブンの跡地を店長復興の拠点にしたいという動きもあった。

1.10. まとめ

  • コミュニケーション革命が起きていることを正しく認識し、恐れない
    携帯電話が出てきたときも非難の声があったが、現在では殆どの人が所有している。コミュニケーションのインフラが変わってきているということ。
  • 使ったときの肌感覚を大事にする
    Twitterが合うけどFacebookは合わない、など自分に合ったSNSを使うと良い。
  • 「こんなことしたい」という相出会いを即座に実現できるのがソーシャルメディア
    ソーシャルメディアは単なる情報の受発信の場所でなく、「客席とステージが生き来自在のライブハウス」
  • ネットのコミュニケーションだけで現実が変わるわけではない。その原理原則を忘れず、リアルとの相乗効果を大きくしよう。

2. 報告1「Twitterを利用して高校生と大学生・社会人が進路と学ぶ意味について考える"Soclaプロジェクト"」
山内祐平(東京大学 准教授)
北村 智(東京経済大学 専任講師)

2.1. 2010年度Soclaプロジェクトの概要
山内祐平(東京大学 准教授)

  • Socla=SOCial LeArning program
  • 高校生がTwitterを利用して進路について考えるプロジェクト学習
  • 一般プログラム:8月2日~14日
    進路に関係するテーマの講義学習と発表(17名)
  • 特別プログラム:8月16日~20日
    社会人の鞄持ち体験とレポート作成(希望者3名)

山内祐平 小中高等学校と続く正式な教育プログラムの中に所属している学習者というのは、例えばクラスメイト同士、学校の先生とは繋がっている。特に高校生同士はケータイによって極めて緊密に繋がっている。しかし、津田さんの「動員の革命」のおはなしにもあったように、繋がっているところ・繋がっていないところは、まだ濃淡があると考えられる。

高校生は独自のネットワークで繋がっている。ところが繋がっている人と繋がっていない人がおり(大学生‐高校生、大学生‐社会人など)、ある種のセグメンテーションが起きている。こういう状況をよくよく考えると、あの人とこの人がつながったらもっと面白い学習が起こるのに、という余地がたくさんある。

皆さんの高校時代を思い出してほしいのだが、大学というところが「一体何を学ぶ場所か」よくわからなかったと思う。わからない状態のまま大学に入学して、「将来がどうなるか」は、大学生の時点でも「働くことの意味」はほぼわからない。高校生も大学生も同じような状況にいると考えられる。ところがもし「動員の革命」が起こせるのであれば、状況がわかっている人たち(大学生は大学で学ぶということの良い面・悪い面がよくわかっている。社会人は働くということがよくわかっている。)が、高校生と繋がることができればと思う。

2.2. Soclaにおける学習の仕組みと流れ

高校2年生17名に、一人ひとりにiPadとモバイルルーターを貸し出した。

iPadでプロジェクトが可能

  • Twitterクライアントをインストールした
  • ウェブサイトで調べ学習が可能
  • Keynote(プレゼンテーション用のアプリケーション)でプレゼン作成

高校生の周りにいる大学生・社会人

  • サポーター:オンライン上での支援
  • ファシリテーター:対面での支援

Twitterについて

高校生のTwitterアカウントは鍵付きで、認証された人のみ、その人のツイートを見ることができるようにした。これは最初のプロジェクトで、周りからどのような反応があるかわからなかったので、基本的なつぶやきはこの3者で共有する構造とした。 しかし幅広く質問を投げかけてみたい場合は、ファシリテーターとサポーターの判断(フィルター)のもと、一般のTwitterユーザーに質問を投げかけるというシステムになっている。

学習の流れ

2週間のブレンド型(対面+オンライン)学習:
8月2日:テーマの決定 進路に関する課題テーマを決める
[1週間:iPadとTwitterで研究活動 ネット上での調査活動・インタビュー、サポーターとのやりとり]
8月7日:中間発表 仮説検証の発表・最終発表に向けての調整
[1週間:iPadとTwitterで研究活動 ネット上での調査活動・インタビュー、サポーターとのやりとり]
8月14日:最終発表 研究授業の発表と質疑応答

グループとテーマ

高校生は3つのテーマに分かれて活動:

  • 大学生活(男子3名、女子4名)
  • キャリアと労働(男子2名、女子5名)
  • ライフプランニング(男子3名)

テーマ設定例(17のテーマのうち一部を紹介)

  • 高校と大学の授業の内容の違い
  • 医療系の大学生は留学先で何をしているのか
  • どのような仕事が給与が安定しているか
  • 看護師として勤めてその先はどうするか
  • 海外で働くことのメリットとは何か
  • プログラマーは食べていくのにどのような努力をしているか

→これらを自分たちで調べて、周りがサポートする

調査学習とテンプレート

実施前について
  • 調査学習をすすめるガイドとしてKeynoteのテンプレートを作成
  • 調査の前に仮説をたて、確認するために何を調べればよいか考えさせる予定だった
開始当初の様子
  • 当初多くの高校生が、まず「Yahoo!知恵袋」にアクセス
  • サポーターからのコメントで次のステージへ

高校生のほとんどが「Yahoo!知恵袋」にアクセスしている現象が見られたが、京都大学入試カンニング事件の前のこと。つまりYahoo!知恵袋は高校生のインフラになっている。
Yahoo!知恵袋はいろんな種類の回答があるが、信頼性が高いものもあればそうでないものもある。高校生にはそのような違いがよくわからない。そこでサポーターがYahoo!知恵袋にとどまらず、別のサイトの意見などを探し出し、事例を高校生に提示するなどしていた。

2.3. 学習者の様子

ケーススタディ1

Aくん(ライフプランニング/男子・理系)
  • 社会で必要な教科・不必要な教科を調査テーマに設定。
    古文が苦手なので、ツイッターで古文の必要性について尋ねたいと思っていた。
    →「社会に必要な強化とその理由」を公開質問することにした。
  • Twitterの公開質問で返事をくれたほとんどの人が「すべて必要」という回答。理由は様々。
頂いた回答の例
  • 社会に出ると必要性がわかる
  • 授業中に学校の先生が必要性を可視化出来ていないことが問題なのではない など

→授業で学ぶことを意識するようになった

ケーススタディ2

  • Bさん(キャリアと労働グループ/女子・理系)
    家族にインタビューをするところから始まった
  • 仕事のやりがいをインタビューで調べるうちに、やりがいが多様だと気づく
  • 「やりがい」というものの正しい答えを探していたが、「自分にとってのやりがい」について考えるようになった
  • 最終発表時に「土木」を進路として検討するようになった(理由:「100年残る。長い間残るものをやりがいとしたいから」)

2.4. 調査結果
北村 智(東京経済大学 専任講師)

Twitterの利用実態

一般プログラム学習期間における総ツイート数の分布
  • サポーターよりも学習者のほうが、ツイート数が多い。
  • 学習者全員が同じだけのツイートをしていたわけでなく、一部の学習者が多くツイートしていた。→メディア利用で出てくる一般的なパターン(メールの送信数やmixiでのマイミクシィの人数など)

学習者の日ごとのツイート数の代表値の推移
2週間のうち、大学に来る3日間の前後でツイートの数が増加傾向。

ツイートの関係性について
  • ネットワーク分析の結果、多くの人とやり取りしている人と、少数の人とやり取りする人と2つのパターンに分けられる。
  • 高校生:学習に関連した内容だけでなく、学習とは関係ない「おしゃべり」も行われていた。つまり、自己充足的なコミュニケーションも多く行われていたといえる。

Twitterでのやり取りの例

高校生の質問に対する外部からの応答1(Aくんの例)
サポーターのツイート

「高校生からの質問です。学校で習ったことのある教科で、世の中や日常生活に必要、または必要でないと感じたもの、またその理由は何ですか?」

寄せられた回答(一部紹介)
  • 全て必要だという回答が多数寄せられた
  • 本の出版に役に立った、歴史関係は必要など具体的な答えも
高校生の質問に対する外部からの応答2(Bさんの例)
サポーターのツイート

「仕事にどんなやりがいを持っていますか?またやりがいを感じる瞬間はどんなときですか?」

寄せられた回答(一部紹介)
  • 医療関係
  • お金をもらうため
  • 共同作業がやりがいなど
高校生とサポーターのやりとりの例

北村 智 プログラマーについて調べている高校生の事例。高校生の問いかけに、サポーターがインターネット上で見られる情報を教える姿が見られた。
最初の顔合わせの時に、サポーターの一人が「映画が好き」と言っていたので、映画に関する雑談が行われた例もあった。

高校生同士のやりとりの例1
  • スライドの作り方についての相談
  • 医療系に行きたいという子を発端として、医療に関する議論をしあう
  • 大学生活について調べている高校生がSoclaの中で意見を募り、調べ学習を進める
高校生同士のやりとりの例2
  • 「何をしている時が幸せか」というおしゃべり
  • サポーターが話に関わる場面もあった
  • アニメの話題で盛り上がる
質問紙調査結果

多くの項目で比較的ポジティブな回答が多かった。

ネットワーク分析(核‐周辺モデル)による核と周辺の差

  1. 「質問項目「Twitterでは学習とは関係の無いお喋りをすることが多かった」
    周辺の人に比べて核の人が学習とは関係ないお喋りをする傾向がみられた」
  2. 「質問項目「今回のような学習をもっとやってみたいと思う」
    周辺の人に比べて核の人が「今回のような学習をもっとやってみたい」と思う傾向がみられた」

2.5. 2010年度のまとめ
山内祐平(東京大学 准教授)

    山内祐平
  • サポーターとの関わりによって学習を深めることができた
  • Twitterからの意見による態度や行動の変容が見られた
  • 日常的にオンラインにつながることにより学習の離脱を防ぐことができた

こういうブレンド型の学習をはさむと、1~3割の人が離脱してしまう現象が起こるが、今回は誰一人離脱しなかった。「繋がっている感じ」が基板としてあったのではないか。

2.6. 2011年度の計画

Facebookの利用

1. 画面遷移で情報が流れることを防ぐ

Twitterはリアルタイム性があって「繋がっている感じ」があるが、ものすごい勢いで情報が流れていってしまうため、学習に関することがスルーされがちになってしまった。

2. 実名空間によるセキュリティの確保と、情報安全教育の実施

2週間のプロジェクトで関係性が終わるというよりも、ここで生まれた関係性が持続することが理想である。しかし、Twitterでは女子高生が匿名アカウントで絡まれるということが発生する危険性があり、考慮した。しかしFacebookは実名空間でセキュリティが確保されているため、情報安全教育の講習を実施した上で、基本ずっと続くアカウントを利用し、関係性を続かせたい。

3. サポーターはFacebookとTwitterを併用し、幅広い意見を収集する

FacebookよりTwitterのほうがユーザーが多い現状により、Twitterも利用していく。

高校生の人数を増加

  • 高校生(高校2年生)の数を100名に増やし、全国から公募。
    初日と最終日のみ東大に来ていただく(旅費は自己負担)
  • 被災地域の高校生には旅費を支援し、進路について考える機会を提供

ファシリテーターとサポーターを分離

  • ファシリテーターとサポーターを別組織にし、学習支援(ファシリテーター)と学習継続(サポーター)役割を分離
  • ファシリテーターは大学院生を研修によって育成(5名程度)
  • サポーターはボランティアとして幅広い職業から公募(30名程度)

3.報告2「グループで小論文を相互添削するシステム"Re:"(アール・イー)」
椿本弥生(公立はこだて未来大学 特任講師)
高橋 薫(東京大学 特任助教)

3.1.「Re:」開発の経緯
高橋 薫(東京大学 特任助教)

開発の経緯

  • 初等中等教育における言語力の育成(文部科学省 2007,高橋ら 2009 など)
  • 大学入試の形態が多様化(文部科学省 2010)
    →小論文入試の広がり
  • 進研ゼミ小論文講座
  • 赤ペン先生のコメントをもらっても、そのまま放置
    • どこをどのように書きなおせばいいのか
    • コメントの意味がわからない
  • 書く力の向上には他者の視点・書き直し・推敲が重要

→学習者同士で学び合うコミュニティを作れないか?

高橋 薫 小論文添削を見て書き直すことが勉強になるということは頭で分かっていても、なかなか実行に移せない。また、先生からもらったコメントをもとに、どうやって直せばいいのか、意外とおっくうで先に進めないという高校生は多い。この現状を補うよう学習者同士で学び合うコミュニティをつくることにした。

通信添削におけるライティングへのフィードバック

今回は教師添削活動のあとにピアレスポンス活動を行うという形で実施した。

教師添削
  • 教師が学習者の作文を添削
  • 数が多いと教師の負担が大きい
  • 負担が大きい割に効果が上がらない
ピアレスポンス
  • 学習者同士でお互いの作文を読み合ってコメントをし合う
    他者の視点を提供しあう
  • 教師添削と同等の学習効果を示す研究もある
    書き直し・推敲を支援

3.2. プロジェクトの流れ

手続き

活動のねらいと方法(説明) 1日(プレ)
プレアンケート
初稿の執筆と提出 約2週間
初稿の評定と推敲用コメント付与 約2週間
初稿の評定値によるグルーピング
「Re:」を用いたグループ推敲活動 1日(ポスト)
推敲・改稿・提出
ポストアンケート
改稿の評定 約2週間

赤字が高校生の活動、黒字が添削者(高橋・椿本)

Re:(アール・イー)による活動のステップ

“Re:”とは:Web上の掲示板(BBS)を使用したピアレスポンス活動のシステム。

以下の6つのフェーズにより実施。
  1. ウォーミングアップ
    Re:を使い[1自己紹介 2課題に取り組んで大変だったことは? 3課題に取り組むときに工夫したことは?]という3つのスレッドタイトルを設定してもらい、宿題の内容を紹介してもらった。
  2. 小論文の共有
    赤ペン先生のコメントのない小論文を読み合い、お互いの小論文をみて良いところを探しあう。
  3. 赤ペン先生コメントチェック
    自分のコメントを整理してみる段階。赤ペン先生のコメントに以下の3つのマークをつけて分類してもらう
    • 「いいね!」改稿にすぐ使えそうなもの
    • 相談したいと思ったもの
    • 「保留」現時点で判断のつかないもの

    • .「いいね!」「相談」:改稿直前に確認できる
      「相談」:BBS上で議論をしあう。
      赤ペン先生のコメントは、もらった本人のみ見ることができる。
  4. グループディスカッション
    • 3名1組でグループ活動を実施
    • 内容、構成、言語使用の各係を決め、各スレッドを立ててもらう
    • 係は予めこちらで決めておく
    • 新しいスレッドをたてるときはどの項目で議論をするのかを示す
  5. 情報の取捨選択と改稿方針の決定
    • 画面上のコメントを取捨選択し、ワークシートに改稿の方針をまとめる
    • 画面に表示されている情報
      • 議論で「いいね!」をつけたコメント
      • 自分の赤ペンコメントの「いいね!」「保留」
  6. 推敲・提出

3.3. 実験概要
椿本弥生(公立はこだて未来大学 特任講師)

実験の目的

どのようなグループでピアレスポンス活動を行うと学習効果があるのだろうか

対象

首都圏の高校2年生(偏差値50〜59)36名

  • 実験群:18名(3名×6グループ)
  • 統制群:16名(3名×5グループ)
教材

チャレンジ7月号「食」

流れ

(前述の表を参照)

グルーピング方法
  • 実験群:赤ペン添削の結果が多様なグループ
  • 統制群:赤ペン添削の結果が類似するグループ

得意とする観点が同じ人同士でグルーピング
主成分分析→クラスター分析(内容、構成、言語)

椿本弥生 開講前に作文を書いてもらい、その作文に評定値を付与。そのデータを主成分分析し、その結果をさらにクラスター分析で分け、内容・構成・言語の3つのグループに分けた。
実験群では得意とする観点が3人それぞれ異なる人で構成。
統制群では得意とする観点が3人同じ。

評価対象

作文の質のプレ・ポスト及びグループ間比較

  • 分析的評価項目(33個)…0(無)または1(有)で採点
  • 総合評価項目(1個)…1(低)~5(高)で採点
    →計34項目
  • 採点は高橋・椿本で独立に実施、後に相談して一致させた
質問紙

Re:を用いたグループでの文章推敲についての印象(ポストのみ・個人単位・記述統計) 13項目、1(低)~5(高)

意見文の課題

「現代社会では、昼食や外食などの「食の外部化」が進んでいます。左のA・B2つのグラフを参考に、「食の外部化」について支持・不支持のどちらかの立場を明らかにして、そのように考える理由を600字以内で述べなさい。ただし、自分と逆の立場を考えて述べること。

学習者
  1. 食の外部化というトピックに沿うこと
  2. 食の外部化について支持・不支持を明示すること
  3. 支持・不支持の理由を述べること
  4. 自分の立場と逆の立場について反論すること
  5. 1〜4の全要素を含めて600字以内で述べること
分析的評価項目の具体例
  • 内容(12項目)
    一貫した明確な主張がある(冒頭と最後の再主張があっている)
    自分とは逆の立場の考えに言及している
  • 構成(9項目)
    内容の配列が適切である
    結論が作文全体の強力で好ましい結びとなっている
  • 言語(12項目)
    文末が統一されている
    1文の長さは適切か
分析に用いたデータ単位
  • グループ単位に換算→算術平均値使用
  • グループ分けの実際
    • 実験群 E1,E2,E3,E4,E5
    • 統制群 C1,C2,C3,C4,C5
      各グループ3名ずつ
      調査協力者:33名(プレポスト対応あり)
      プレ作文の評定をふまえてグルーピング

3.4. 実験結果:「Re:」の学習効果

実験結果のまとめ

作文の質
*分析的評価項目
  • 個人:向上した項目が見られる(post>pre)※単純集計
  • グループ:両群とともに向上(post>pre)
  • 実験群のほうが、意見文の質の向上にとって、より重要な観点に関して有意に上昇
ソーシャルメディアが変える学びのかたち
*総合評価項目
  • 個人:向上が見られる(post>pre)※単純集計
  • グループ:実験群>統制群(post>pre)
質問紙

Re:を用いたグループでの文章推敲

  • 個人:ほぼ全ての項目で満足度高 ※単純集計
  • グループ:実験群<統制群

結論

  • 「Re:」による推敲活動は改稿後の作文の質を向上させた
  • 総合評価 実験群 Post>Pre
  • グループ内の多様性を保証すると改稿の質のばらつきが軽減する可能性
  • 学習者の満足度が高い

4. パネルディスカッショ.「ソーシャルメディアによって変わる学びのかたち」

パネリスト

  • 今村久美(NPOカタリバ 代表理事)
  • 北村 智(東京経済大学 専任講師)
  • 山内祐平(東京大学 准教授)
  • 椿本弥生(公立はこだて未来大学 特任講師)
  • 高橋 薫(東京大学 特任助教)

司会

  • 藤本 徹(東京大学 特任助教)

4.1. 今村氏より話題提供

今村久美

最初にお断りをしておくと、私たちはリアルなコミュニケーションをベースとした活動を行っていて、今回テーマとして扱っている「ソーシャルメディア」を用いた活動をメインとしていない。「カタリバ」という団体は10年前に大学卒業時に立ち上げた。今一番子どもたちに足りないのは、情報ではなくて、「感情をぶつけてくれる人」ではないかという前提のもと、この不透明な時代に、子どもたちのモチベーションをどう高めていくのか、もっと頑張ろうという気持ちになれるのか、という機会をみんなに届けるためにはどうしたらいいのか、ということを考えている。現在は高校を中心に、ボランティアに関わってもらいながら活動をしている。ボランティアの大学生や若手社会人の方々にチームを作っていただいて、高校に訪問をして授業をしている。子どもたちにとって、近所のおじちゃんおばちゃんなどを含めて、先生や友達以外の、ちょっと世代が違う、ちょっと歳上の人は意外と話をしたことがなかった気がする。そういうところへの接続があれば、「こんな大人になりたいな」「こんなふうに生きていきたいな」ということを、明るく考えられるのではないか、という事を前提に活動をしてきた。(NPOカタリバ http://www.katariba.net/

今村久美 今回の震災に先立って、カタリバは様々な団体と一緒にプロジェクトを立ち上げてきた。私たちは通常、子どもたちの学びという意味では「これから自己実現をどうしていくか」というところに関わってきた。ただ、今回の震災で月の半分くらい被災地に出向いているが、被災地では、体育館の中で子どもたちが大勢住んでいる、という状態が続いている。地域によるが、体育館の避難所は、夜9時には消灯される。場所によっては7時消灯のところもあり、受験生にとっては大変困る状態になっている。勉強する場所もなく、パソコンも教材も何も無い。現在石巻市に出向いているが、学習塾がたくさんあった場所の被災状況がひどい。学校も4月21日にスタートしたが、街がひび割れていて、浸水するから学校にも塾にも行けない。塾も営業していなかったり、廃業しているところもある。全体の20~30%しか営業していない。全ての塾が潰れたわけじゃないので、開いているところにいけばいいというわけでもなく移動手段がない。車も流されてしまっていて移動ができない。地域によっては、そろばん塾しかないところ、塾が1つしかないところなど様々。
これまでモチベーションというところに注目して活動をしていたが、もともと目的としている「子どもたちが生き抜く力」をつけていくために、どういうスタンスでこの震災に向き合っていけばいいかを考え、一つの結論として、高等教育に接続するための学力は保つ必要があると考えた。

石巻市にある水産高校では、高校3年生200名のうち3名が亡くなった。同時に30名の方々が内定取り消しもしくは自宅待機となっている。また、水産高校のHPを見ると、すごく胸が痛くなるが、3月4日更新時点で、就職率100%と書いていてある。水産業に就職した人が多く、失業者に溢れている。子どもたちが最初のキャリアを積む時に、働き口がないという状況から、高等教育に進めるようサポートしていきたい。さらに子どもたちを強くしていくような学習・サポートの形を考えている。

これまで、「教育」は親や先生の仕事だ、という考え方が多かった中、今回の震災で「なんとか支援したい」という思いを持つ人が増え、寄付市場が伸びてきた。孤児は184名いるらしいが、8000名を超える方々が里親になるとの希望が寄せられている。社会がいい意味でおせっかいで関わっていきたい、みんなで子どもたちを支えていこうとしている。
そこで、フローレンス、ブレーンヒューマニティー、スマイルファクトリー、そしてカタリバの4団体で、0才児から二十歳への支援体制を作ろうとしている。企業や個人の方々から集めたお金を使って事業を立ち上げようとしている。

例えば500万円あれば、一人が大学を出ることができる。奨学金は機関が出すものだと思われがちだが、それなら1人分なら出すという申し出が出てきている。しかもソーシャルメディアによって、バリューチェーンのように、情報と思いをつないできた。

現在進めている「ハタチ基金」というプロジェクトがある。個人と企業から「ハタチ基金」(4団体で立ち上げ)に寄付してもらう。カタリバが受託を受け、地域の方々を雇用して、学習支援をしてもらい、寄付してもらったお金を彼らの給料とする。一部の人にはファシリテーション・リソースの活用スキルなどの研修を行う。先生が直接指導というのがこれまでの学習塾の形であったが、直接指導だけでなく、インターネット上で全国の大学生や社会人ボランティアに、遠隔から指導をしてもらうということも考えている。

Q&A

ソーシャルメディアが変える学びのかたち

※会場参加者、Ustream視聴者の皆様からの質問を司会がまとめ、パネリストに質問を投げかけるという形で進められました。

Q. パネリスト自身のソーシャルメディアの利用状況は?

ソーシャルメディアが変える学びのかたち 今村:TwitterとFacebookを使っている。カタリバは事業規模も小さく、正職員15名(2011年6月4日現在)しかいない小さな組織なので、リソースに限りがある。例えばWebサイトをつくってくれる人募集、などとTwitterでヘルプを出して助けていただいたこともある。

北村:Twitterと少しだけFacebookを使っている。mixiはTwitterのツイートをmixiボイスに連動させていて、ほとんど使っていない。TwitterもFacebookも実名でやっているが、Facebookは仕事関係では使わないことにしている。Twitterは仕事の方で使うこともある。院生をフォローしていたり、文献を紹介したりしていた。また、自分の研究に関連する情報を得たり、発信したりすることもある。

山内:TwitterとFacebookを使っている。Twitterは、ソーシャルラーニングに関連する世界のニュースをリスト化しており、そのリストを毎朝チェックし、日本の皆さんに紹介したい記事は、題名だけ日本語に訳して紹介している。学習プログラムをつくらなくても、日常の中で学ぶことはたくさんあって、アメリカではソーシャルメディアでつながる学び“Personal Learning Network(PLN)”というものがある。

椿本:Twitter、Facebook、mixiそれぞれのアカウントを持っているが、mixiはほとんど使っていない。Twitterは仕事関係のことをよくつぶやいて、仕事関係の方々と繋がっている。また、海外の教育期間がどういうことを問題にしているのか、どんなニュースがあるか、などの情報を得ている。Facebookは使いこなせていないが、日常のことを更新することが多く、教育や研究に関係ないことを入れたりしている。今後はノート機能を利用して研究のことをアップしていきたいと考えている。

高橋:私は、Twitterは業務上、Facebookはプライベートで使っていて、mixiはほとんど使っていない状態。
先日亡くなった私の友人が、自分の生きた証になると言ってTwitterでつぶやいていた。つぶやきの賞味期限は短いけれどTwitterはTwilogなどで、自分のつぶやきをまとめてログが残せるので、家族がその後見ることができるし、面と向かって家族には言えないこともTwitterで伝えることができると言っていた。ログをまとめて振り返る、そういう使い方もできるんだなと感じた。

Q. ソーシャルメディアで学習に焦点を当てすぎると固くなるし、くだけ過ぎても学習につながらないので、さじ加減が難しいのでは?

北村:先程のプレゼンでお見せしたように、今回の参加者にはアニメ好きが多かった。深夜にアニメをやっているのを見ていて、その話をTwitterでしていることも多かったようだ。そのような会話をやめさせるかどうか検討したが、放置した。その結果「俺たちちょっとしゃべりすぎなんじゃないの?」という高校生も現れて、そのような会話を抑え気味にしようという人たちも出てきた。「そういう使い方をしていいんじゃないか」というような議論が生まれたりもしたので、自分たちでなんとかできることもある。とはいえ、必ずそういうことが起きるわけではないとも思う。

山内:カタリバでは「脱線」はあるのか。

今村:何を「脱線」ととるかだが、もしかしたら脱線と思われる話が、その子にとって今とても重要だったり、問題解決の緒になったりするかもしれない、と思う。話を「脱線」ととるか「繋げられる」ととるかは、ファシリテーターの力量だと思うので、その力量が問われる時代なのかなと思う。

高橋 薫 高橋:「Re:」でもコメントを付け合う時に、話の「脱線」が見られた。しかし「脱線」が多かったグループは、高校生同士の関係性がよくできているという印象を受けた。なぜなら「脱線」の前後では、全体的な作文への評価について、突っ込んだ議論をしていたからである。雑談ができる雰囲気は、実は対話において重要なのかもしれない。

Q.「Re:」を使ったから効果があったとも、ピアレスポンス活動を行ったから効果があったとも見えるが、実際Re:を使うことで、ピアレスポンス活動をただ行うだけではない反応はあったのか?

高橋:今回の実践は赤ペン先生のコメント、ピアレスポンス活動、「Re:」と、いろいろな要素が絡んでいた。「Re:」を使ったメリットは、コメントをもらって書き直す作業は自宅で一人ではなかなかできないものの、高校生同士をBBSで繋いで励まし合って行うことにあると思う。

椿本:添削してもらったものを、どう直せばいいのかわからないことが多いが、自分だけがメタ認知できないところを、他人の助けを借りて、うまくできたというところがよかったと思う。

Q. 子どもたちが完全にオープンなソーシャルメディアの世界に入っていくのは、安全面で不安があるのだが、クローズにして保護する面と、オープンな良さを活かすことの兼ね合いをどう考えたらよいか?

ソーシャルメディアが変える学びのかたち 山内:私自身、最終的には、オープンしていいように社会がそういう体制を整えるべきだと思っている。高校生から大学生は、近い将来みんながソーシャルメディアを使うことが目に見えている。彼らがきちんと使えるよう、社会のシステムをつくっていくことが、長期的に考えると建設的だと思う。
ちなみに日本とアメリカとではソーシャルメディアに関する動向が違う。アメリカの場合、Facebookを使う人が大半でTwitterは少数。アメリカではAO入試を取り入れている大学が多く、AO入試でFacebookのページをチェックする大学が増えている。よって、Facebookではポートフォリオ的な使い方を意識し、これまで行なってきた活動などをアピールする高校生が多い。そういう使い方が今後増えていったらいいのでは、と思う。

今村:大人が思っている以上にソーシャルメディアの普及率はとめられないので、こちらが合わせていくしかないと思う。高校生の中で流行っているソーシャルメディアは「リアル」と捉えられているらしい。女子高生が多くの個人情報や写真を晒している。3年前の時点で、「モバゲー」の中の「モバ彼(モバゲー上の彼氏)」「モバ家族(モバゲー上の架空の家族)」ができあがっている。しかし彼らにとっては本気の恋愛をしている。嫌になったらアバターを変えて(繋がりを)切る。私たちは高校生からしたら遅れているので、山内先生の言うとおり、大人がどう歩み寄りながら、守っていくのかという観点が大事だと思う。

Q.「Re:」の今後の展開の可能性は?

椿本弥生 椿本:今務めている大学でアカデミックライティングの授業を持っていて、Moodleを使っている。書きかけの文章をオープンにして相互にコメントを付け合うようにただ指示しても、全然つかない。仲のいい友達同士だと辛口コメントがつけにくいのかもしれない。「Re:」で行ったように、大学生でも得意分野がそれぞれ違う人で、かつ少人数でグループを組ませると、意見が活性化するのかもしれない。
いいね!はFacebookを真似してみたが、上手くコメントを書けるか不安という気持ちになりがちなところ、気軽にコメントできるという意味でよかったので、今後大学でも試してみたい。

高橋:最初に苦労するのはアイスブレイク。お互いに言いたいことが言えるような関係を作ることが重要。その際にグループの人数が多すぎてもダメだし、少なすぎてもダメだと思う。「Re:」でも始めにアイスブレイクをして、次にいいとこ探し、というステップを踏んでいる。良いシステムを使うからよくなるのではなく、そのシステムがうまく機能するための活動が重要だと思う。カタリバでは参加しやすくするような仕掛けなどは工夫されているのか?

今村:大学生たちが上手にアイスブレイキングしている。年齢に近い「ナナメの関係」の人がファシリテーターであるだけで、簡単にアイスブレイキングしてしまう。しかも、難しくない言葉で、この言葉なら話を引き出せるかな、ということを見つけながら授業をしてくれている。

Q. Soclaの社会人や生涯学習向けなどの展開の可能性は?

山内:寄付講座として具体的プロジェクトがあるわけではない。しかしこのスキームは「進路について考える」という意味では、高校生だけでなく大学生にも活用できる。また、学ぶことを生きることは人間の問題なので、どんな世代にも可能性はあると思う。このスキームは、例えば自分たちで震災の実態を確認したりとか、環境問題について何か考えていく学習にも展開はできると思うので、ぜひ皆さんにも使っていただきたい。

ソーシャルメディアが変える学びのかたち

(この公開研究会レポートは当日の記録をもとにベネッセ先端教育技術学講座で作成したものです。)

テーマ

ソーシャルメディアによって変わる学びのかたち

BEAT(東京大学情報学環ベネッセ先端教育技術学講座)では、震災の影響で延期になっていたBEAT Seminar「ソーシャルメディアによって変わる学びのかたち」を6月4日(土曜日)に開催致します。

TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアは、人と人のつながりを変えるインフラストラクチャになりつつあります。学習が本質的に社会的なものであることを考えれば、人のつながりを変える力のあるメディアは、学びの形を変える力も持っているはずです。

この公開研究会では、BEATで2010年度展開したソーシャルメディアによって高校生と大学生・社会人をつなぐ「Socla」プロジェクトを中心に、ソーシャルメディアによって変わる学びのかたちについて議論を深めたいと考えています。

尚、3月にお申し込みをされた方には、4月末からメールにて優先的にご案内させていただきました。一般の方には5月9日(月)からBEATのHPにて受付を開始いたします。

みなさまのご参加をお待ちしております。

日時
2011年 6月4日(土)
午後1時より午後5時まで
場所
東京大学 本郷キャンパス
情報学環・福武ホール(赤門横) 福武ラーニングシアター(B2F)
内容
1.13:00-13:40 講演
「ソーシャルメディアが変える社会」
津田大介(ジャーナリスト)

▼ 休憩

2.14:00-14:40 報告1
「Twitterを利用して高校生と大学生・社会人が進路と学ぶ意味について考える"Soclaプロジェクト"」
山内祐平(東京大学 准教授)
北村 智(東京経済大学 専任講師)

3.14:40-15:20 報告2
「グループで小論文を相互添削するシステム"Re:"(アール・イー)」
椿本弥生(公立はこだて未来大学 特任講師)
高橋 薫(東京大学 特任助教)

▼ 休憩

4.15:35-16:00 参加者によるグループディスカッション

5.16:00-17:00 パネルディスカッション
「ソーシャルメディアによって変わる学びのかたち」
司会:
藤本 徹(東京大学 特任助教)
パネリスト:
今村久美(NPOカタリバ 代表理事)
椿本弥生(公立はこだて未来大学 特任講師)
高橋 薫(東京大学 特任助教)
山内祐平(東京大学 准教授)
(※報告者、パネリストは一部変更になることがあります。)
定員
180名
参加費
無料
懇親会
セミナー終了後 1F UT Cafeにて 参加希望者(¥3,000)

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