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Beating 第69号
2009年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
第11回:突撃!隣の村山科研(ミュンヘン大学/村山航研究室の巻)

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東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」
メールマガジン「Beating」第69号     2010年2月23日発行
現在登録数 2,274名

2009年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
第11回:突撃!隣の村山科研(ミュンヘン大学/村山航研究室の巻)

http://www.beatiii.jp/?rf=bt_m069

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 こんにちは! 2010年第2号となるBeating 第69号をお届けいたします。

 今年度の特集は、「突撃!隣の○○科研」と題して、科学研究費補助金(科
研費)を利用されて研究を推進された先生方に直撃し、お話を伺って参りまし
た。この特集も今回を含めて残り2回となりました。これまでは、主に「基盤
研究」という種目による研究を軸として紹介して参りましたが、科研費はこれ
だけではありません。今回は「特別研究員奨励費」という種目に注目し、これ
を利用されたミュンヘン大学の村山航先生にお話をお伺いしてまいります。


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┃★CONTENTS★
┃【特集】2009年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
┃ 第11回:突撃!隣の村山科研(ミュンヘン大学/村山航研究室の巻)
┃■お知らせ・2009年度第4回BEATSeminar 3月27日(土)開催!
┃「学習環境のソーシャルイノベーション:未来を拓く自律的人材の育成」
┃■お知らせ・「UTalk 動物の死体と語る」のご案内
┃■編集後記
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┃特集┠───────────────────────────────
┗━━┛ 2010年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
 第11回:突撃!隣の村山科研(ミュンヘン大学/村山航研究室の巻)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 独立行政法人 日本学術振興会は、科研費による助成の他にも、研究振興の
ための多様な施策を行っています。その一つが、研究者養成を目的とした「特
別研究員」制度です。主に博士課程に在籍する学生と博士号を取得した若手研
究者に対して補助されるものです。特別研究員に採用されると、その間に行う
研究のために補助されるのが「特別研究員奨励費」というわけです。今回は、
2006年度〜2008年度にかけて「学校現場の多層的なシステムにおける学習評価
の機能の解明と新しい学習評価法の提案」という課題で特別研究員奨励費の補
助を受けておられたミュンヘン大学の村山航さんの登場です。


■若手研究者の育成に一石三鳥!? 日本学術振興会の特別研究員制度とは?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│日本学術振興会の特別研究員とはどのような制度なのでしょうか?
└┬┘
 │
 │ 特別研究員は、独立行政法人 日本学術振興会によって制定された制度
 │です。将来の学術研究を担うであろう若手研究者に、研究に専念する機会
 │を与え、研究者の養成・確保を図ることが目的だと理解しています。
 │
 │ 特別研究員にはDC1・DC2・PDの3種類があり、DC1とDC2は大学院博士課
 │程在学者を、PDは基本的には博士の学位を取った者を対象としています。
 │PDの採用期間は3年間で、月額364,000万円(平成20年度)の研究奨励金に
 │加えて、毎年度150万円以内の科学研究費補助金による研究費が受けられ
 │ます。


┌─┐
│Q│特別研究員(PD)の3年間、どのような研究生活を送られたのでしょうか?
└┬┘
 │
 │ 特別研究員(PD)として従事する機関は、原則として「大学院在学時の所
 │属(出身)研究室以外」でなければならないという決まりがあるため、博
 │士の学位を取得後、指導教員を変える必要があります。そこで私は、こん
 │なチャンスはめったにない、せっかくだから違うことをやろうということ
 │で、もともと統計にも興味がありましたから、周りのアドバイスも参考に
 │しつつ、何十個の候補の中から東京工業大学で心理測定学を研究されてい
 │る前川眞一先生のところにお世話になりました。
 │
 │ また、PDとしての3年間のうち1年半は海外で研究可能であるという制度
 │を利用して、アメリカのニューヨーク州にあるロチェスター大学に行かせ
 │ていただきました。そこでは、動機づけがご専門のAndrew J. Elliot教授
 │と「生徒の学ぶ意欲とそれに対する先生の評価」について研究をしていま
 │した。


┌─┐
│Q│特別研究員(PD)制度の魅力とは何でしょうか?
└┬┘
 │
 │ 主に3つあります。
 │
 │ 1つ目は、思う存分研究に専念できるということです。例えば、大学院
 │を卒業して、大学で研究職に就職したとすると、授業や校務の受け持ちな
 │ど何かと忙しくなります。そういう時期に3年間、自分の研究に打ち込め
 │るのは幸せなことです。
 │
 │ 2つ目は、原則的に指導教員を変えなければいけない仕組みです。大学
 │院時代に東京大学の市川伸一先生のところで教育心理学・認知心理学を学
 │んでいた私が、前川研で統計学に没頭できたように、自分の専門分野だけ
 │でなく幅広い研究に関わることができるのは、PDというある程度自由な身
 │分のおかげでしょう。
 │
 │ 3つ目は、海外に行くことができる点です。充実した研究環境のもと、
 │いろいろな可能性を広げられたという点で、私にとっては実りある経験に
 │なりました。


■相対評価は本当に悪者? 研究から明らかになったのは・・・
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│特別研究員PDでの3年間、どのような研究をされていたのでしょうか?
└┬┘
 │
 │ 博士課程の間は、教育における評価が人の動機づけや学習行動にどうい
 │う影響を与えるのかということを研究していたのですが、東工大の前川先
 │生のところに移ってからは、学ぶ意欲の評価に興味が移っていきました。
 │そこで、教師や生徒自身は、学ぶ意欲の評価をどのようにしているのかと
 │いうことを、質問紙を使って調査し、両者の評価の関係をみました。
 │
 │ もうひとつは、やる気があると報告する際、本人の意識が明確な場合と
 │暗黙な場合があるとして、両者の違いをどう測定できるのかということを
 │研究していました。社会心理学の領域では、ある物に対する好き・嫌いの
 │判断を、キー押し時間で暗黙的に測るという研究があり、それをもとに、
 │測定値の推定方法を改良した数学的なモデルを出しました。いつの日か実
 │際の生徒に適用することができれば、例えば、数学が好きだという志向を
 │暗黙的に測定できるようになるのではないかと期待しています。


┌─┐
│Q│学ぶ意欲の評価の研究を通してどんなことが分かったのでしょうか?
└┬┘
 │
 │ 一般的に日本の教育では、絶対評価(個人の変化・発達の価値づけ重視)
 │の方が相対評価(集団の中の相対的な位置を重視)よりも好まれる傾向が
 │ありますが、スポーツが好きな私としては、競争には良い面と悪い面があ
 │ると考えていますので、一方的に相対評価を悪者と決め付けてしまうのは
 │どうかなと思っています。
 │
 │ 研究から明らかになったことは、どちらの評価が良い・悪いというので
 │はなく、実は、生徒にも先生にも、相対評価志向と絶対評価志向という評
 │価の好みがあり、両者の志向が一致した方が動機づけが高まりやすい、と
 │いうことです。つまり、相対評価志向の高い生徒は、競争的な評価をする
 │先生のクラスで学ぶ意欲が上がるということになります。このように、生
 │徒と先生の評価のマッチングの重要性が示されました。


■若手研究者にとってメリットの大きい特別研究員制度。では、悩みは?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

┌─┐
│Q│科研費はどのように活用されたのでしょうか?
└┬┘
 │
 │ ちょっと事務的な話になるのですが、特別研究員に採用されている間に
 │海外渡航した場合、私の場合は、ロチェスター大学で1年半いたのですが、
 │東工大からの海外出張扱いになってしまいます。この出張費を科研費から
 │捻出しなければならないのです。これをまともに計算すると、補助してい
 │ただいいている科研費をオーバーしてしまう計算になります。
 │
 │ 一方で、科研費をすべて海外滞在に使ってはいけないという規定があり
 │ますので、規定より減額して滞在費にあてたり、途中から私費滞在になる
 │ように調整しています。
 │
 │ その他の使い道としては、日本でデータ収集した際に使用した郵送調査
 │費や、日本で調査にあたっていただいた方への謝金、分析用のソフトウェ
 │アや必要な書籍、ノートパソコンの購入などに使わせていただきました。
 │ただ、この場合も、科研費の執行は日本の所属大学の事務を通して行いま
 │すので、海外にいながら購入手続きをとるのは困難を伴うこともあります。


┌─┐
│Q│研究成果の評価についてどのようにお考えでしょうか?
└┬┘
 │
 │ 研究は1年や2年では終わりません。1つの論文を書くために、複数の実
 │験(場合によっては7〜8個)の実験を積み重ねる必要があります。心理学
 │では結果の積み重ねが大事になってきます。データ収集、データ解析には
 │膨大な時間がかかりますが、その割にはデータはこちらの望んだ通りには
 │なってくれないことも多いのです。そのため、研究はじっくりと取り組ま
 │なければならず、時間が必要です。例えば特別研究員(PD)の3年間という
 │スパンでは見えてこない部分もあるでしょう。
 │
 │ 近年、科研費を利用して研究している人に対して、その研究成果の評価
 │をすることは大切だと言われています。確かにそれは重要です。けれども、
 │評価を求めるあまり、研究を急かし過ぎるのはどうかなと。研究はロング
 │スパンでやるものなので、その評価も長い目で見ていただければと思って
 │います。


■研究に専念できる環境とは?日本のシステムとアメリカのシステム
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│研究をする上で、日本とアメリカでは何か違いがあるのでしょうか?
└┬┘
 │
 │ 例えば、実験に参加してくれる被験者を集める場合、日本では人づてや
 │自分で作ったコネを頼りに、体力勝負で乗り切るしかありません(笑)。
 │それに対して、少なくとも私がいたロチェスター大学では、被験者やリサ
 │ーチ・アシスタントの募集から管理まで、システムが自動化されていまし
 │た。
 │
 │ 被験者は学生から募るのですが、希望者はWEBで登録することができま
 │す。その上で、研究者が実験を行うとなれば案内をWEB上に出し、実際に
 │実験手続きを進めてしてくれるリサーチ・アシスタントの手配も行います。
 │これらの一連の活動は、学業成績評価の一部になるので、学生は積極的に
 │参加してくれますし、こちらが謝金を払う必要もありません。
 │
 │ 私は行うことは、5〜6名のリサーチ・アシスタントの予定を考慮しなが
 │ら実験日時を調整し、実験を考え、方法をアシスタントに教授するだけで、
 │基本的にはスムーズに事が運びます。実験データの打ち込みや、実験の遂
 │行もリサーチ・アシスタントがやってくれます。一時期は、15人ほど雇っ
 │ていたので、彼らのマネージメントするのにてんてこ舞いでした(笑)。



■研究を続ける原動力の鍵は「還元」──いつかは恩返しをという想い。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│特別研究員(PD)としての3年間は、村山さんの今にどうつながっている
└┬┘とお考えでしょうか?
 │
 │ 教育測定や心理測定の話は、東工大の前川研に行くことができたからこ
 │そ聞くことができましたし、前川先生だけでなく、例えば当時いらっしゃ
 │った赤堀侃司先生(現・白鴎大学教授)のゼミに参加させていただき、教
 │育工学の研究に触れることができました。いろいろなところに顔を出し、
 │幅広く学んできたからこそ、現在いろいろな大学と共同研究ができている
 │のだと思います。
 │
 │ また、ロチェスター大学のAndrew J. Elliot教授の紹介で今ミュンヘン
 │大学に居られるというのも、これまでの経験が徐々に実ってきている表れ
 │だと感じています。脳科学や行動遺伝学、シミュレーションなど、他の領
 │域を自由に学べたこと、そして海外で可能性を広げられたことが今の研究
 │につながっていると考えています。


┌─┐
│Q│最後に、今後の展望をお聞かせいただけますか?
└┬┘
 │
 │ 幅広く、自由に、可能性を広げたことが今につながっていますので、い
 │つかはその成果を日本の研究に還元したいと考えています。それは、修士
 │に行くために、部活を学部4年生になるときにやめて、周りに迷惑をかけ
 │たときの胸の痛みにも重なります。自分のためにいろいろと想ってくれる
 │良い仲間に恵まれたので、部活を去るからには絶対に研究の道で頑張ろう、
 │と割り切って思うことができました。
 │
 │ また、自分自身、迷うのは好きではありません。後輩でも、大学院の修
 │士課程に入ってから、悩んでしまう方が多いようです。それなら、修士課
 │程に入る前に迷えといいたいです。来たら割り切ろう、ここまで来て迷う
 │のは単なるモラトリアムではないかと思います。
 │
 │ 今、中国では、研究者がアメリカに留学したきり母国に戻らないという
 │流出問題が生じています。そういう現状を見ていても、私には日本の研究
 │費にお世話になったという意識があるので、もう少し海外で研究を続けて
 │から日本に戻ってきたいと思っています。


______________
] インタビューを終えて [
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 特別研究員として、与えられたチャンスをすべて研究に注ぎ込む姿勢に、た
くさんのことを学ばせていただきました。幅広く、かつ徹底的に見て、聴いて
、調べることの積み重ねが、ひとつの研究に実を結ぶ在り様に感激しきりの1
時間でした。村山さん、貴重なお時間とお話をありがとうございました。


※残念ながら、Beating紙面だけでは、村山航さんの魅力はお伝えしきれませ
ん。そこで、システムの写真などをBEATブログに掲載いたしましたので、宜し
ければご覧ください!
Beating 第69号:取材ノート (ミュンヘン大学 村山航先生)
http://blog.beatiii.jp/cat155/beating_69.html

◎特集記事協力◎
伏木田 稚子/東京大学 大学院 学際情報学府 修士1年

______________
]  次回の直撃取材は ? [
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 次回は、今年度の特集「突撃!隣の○○科研」の総括として、日本教育工学
会会長である聖心女子大学の永野和男先生を直撃の予定です。お楽しみに!


______________
]  みなさまからの声  [
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
先月号の特集「突撃!隣の近藤科研(放送大学/近藤智嗣研究室の巻)」を読
んで頂いた読者の方から、以下のような質問がございました。

[Q] AR(拡張現実)とMR(ミクストリアリティ;複合現実感)の違いは何ですか?

これについて、近藤先生からご回答をいただきました。

[A]-------------------------------------------------------------------

 ARとMRはほぼ同じ意味で使われていますが、MRの方が少し広義になります。

 MR、AR(Augmented Reality)の他にもう1つ、AV(Augmented Virtuality)とい
う用語が入るとわかりやすくなります。

 ARは現実空間をバーチャルで少し拡張したもの、AVはバーチャル空間を現実
で少し拡張したもの、その両方を含むものがMRということになります。

 Milgramという人が定義した用語によるところが大きく、以下に掲載されて
いる図で説明されています。
  http://en.wikipedia.org/wiki/Virtuality_Continuum

 AV(Augmented Virtuality)については、まだ、あまり話題になっていません
が、少しずつ登場してきています。たとえば、バーチャル空間の中で車を操縦
している時、自分自身も助手席に座っている人も実際にバーチャル空間の中に
写実的な3Dアバターとして見えるというものです。言葉で説明するのは難しい
ですが、多視点からユーザーを撮影し、リアルタイムに3Dアバターにして、バ
ーチャル空間に表示することで実現できます。

現実とバーチャルをミックスするという点では、同じですが、ARとAVとでは
上記のように若干異なります。その両方の意味を含んだ言葉がMRということに
なります。

とは言っても、MRとARはほぼ同じように使われています。最近ARは、パソコ
ンのWebカメラを使用するゲームや、iPhoneなどで町の案内に使われているも
のを指すことが多いです。私たちの科研では、すこし広い意味で使いたいため
MRという用語を使用しています。

----------------------------------------------------------------------

近藤先生、お忙しい中ご回答ありがとうございました。

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┃お知らせ│BEAT Seminar┠──────────────────────
┗━━━━┷━━━━━━┛2009年度第4回 BEATSeminar 3月27日(土)開催!
「学習環境のソーシャルイノベーション:未来を拓く自律的人材の育成」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 BEAT(東京大学情報学環ベネッセ先端教育技術学講座)では、2009年度第4回
BEAT Seminar「学習環境のソーシャルイノベーション:未来を拓く自律的人材
の育成」を3月27日(土曜日)に開催致します。

 Twitterをはじめとするソーシャルメディアは、人と人のつながりを変える
ことによって社会的なイノベーションの契機になります。このような社会を開
拓していくのは、追求する課題を発見し、人的ネットワークを活かしながら、
プロジェクトを遂行していく「自律的人材」です。

 この公開研究会では、BEAT第2期(2007-2009)の成果を総括した上で、BEAT第
3期(2010-2012)の研究テーマに関連して、ソーシャルメディアの登場による社
会の変化と、それに対応した自律的人材の育成について議論を深めたいと考え
ています。みなさまのご参加をお待ちしております。

—————————【2009年度 第4回 公開研究会 概要】————————

■主催:東京大学 大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座

■日時:2010年 3月27日(土)午後1時より午後5時まで

■場所:東京大学 本郷キャンパス 情報学環・福武ホール(赤門横)
    福武ラーニングシアター(B2F)
    http://www.beatiii.jp/seminar/seminar-map41.pdf

■定員:180名(お早めにお申し込みください)

■参加方法:参加希望の方は、BEAT Webサイト
       http://www.beatiii.jp/seminar/
      にて、ご登録をお願いいたします。

■参加費:無料

■内容:

1. BEAT 第2期成果報告と第3期の研究計画 13:00-13:50

 ▼ 休憩

2.講演1 14:00-14:40
 「ソーシャルメディアの発展と社会の変化」
  松村太郎(慶應義塾大学 SFC研究所 上席所員)

3.講演2 14:40-15:20
 「自律的人材像と今後求められる教育」
  藤沢 烈(株式会社RCF 代表取締役社長)

 ▼ 休憩

4.参加者によるグループディスカッション 15:35-16:00

5.パネルディスカッション 16:00-17:00
「学習環境のソーシャルイノベーション:未来を拓く自律的人材の育成」
  司  会:北村 智(東京大学 特任助教)
       御園真史(東京大学 特任助教)
  パネラー:松村太郎 (慶應義塾大学 SFC研究所 上席所員)
       藤沢 烈 (株式会社RCF 代表取締役社長)
       山内祐平 (東京大学 准教授)

*終了後、懇親会(有料)


┏━━━━┯━━━━┓
┃お知らせ│ UTalk ┠────────────────────────
┗━━━━┷━━━━┛「UTalk 動物の死体と語る」のご案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 UTalkは、様々な領域で活躍している東京大学の研究者をゲストとして招き、
毎月開催するイベントです。カフェならではの雰囲気、空気感を大切にし、気
軽にお茶をする感覚のまま、ゲストとの会話をお楽しみいただける場となって
います。

 動物はなぜ多様な形に進化してきたのか?その問いにこたえるため、比較生
態学、進化生物学の視点から動物の遺体に向かい合っている遠藤秀紀さん(東
京大学総合研究博物館教授)をゲストにお迎えします。あるときは動物園で亡
くなった動物遺体を解剖し、あるときは東南アジアの山奥で鶏を捕獲し調査す
る。目で見て手で触れて発見することが醍醐味だという比較形態学、遺体科学
の研究生活についてお話いただきます。

日時: 2010年3月13日(土)午後2:00〜3:00
場所:UT Cafe BERTHOLLET Rouge
   (東京大学 本郷キャン パス 赤門横)
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access.html
料金:500円(要予約)
定員:15名
申し込み方法: (1)お名前(2)ご所属(3)ご連絡先
        (4)このイベントをお知りになったきっかけ、をご記入の上、
        utalk2009@ylab.jp  までご連絡ください。

※申し込みの締め切りは2010年3月5日(金)までとします。

なお、申し込み者多数の場合は抽選とさせていただく場合がございます。 
ご了承ください。

┏┯━━━━━━━━━┓
┃│ 編 集 後 記 ┠──────────────────────┤
┗┷━━━━━━━━━┛
 村山先生は、教育心理学の分野では若手のホープとしてご活躍されていらっ
しゃいまして、そのお名前は教育心理学の分野以外でもよく耳にします。私自
身が村山航さんと初めてお会いしたのは、以前、ベネッセ教育研究開発センタ
ーで刊行していた「BERD」という雑誌の企画ブレーン会という組織でした。そ
のときから、すごい人だなぁと感じたものでした。そして今も、幅広い分野に
渡って精力的に研究を進めておられる姿勢には頭が下がります。日本にいらし
たときはまた続きのお話をお伺いしたいものです。

 来月がいよいよ今年度特集の最終回です。聖心女子大の永野先生には日本教
育工学会会長のお立場から興味深いお話をお伺いできるものと思っております。
それでは、来月号もお楽しみに!

ご意見・ご感想をお待ちしております。
「Beating」編集担当 御園 真史 (みその ただし)

-------次回発行は3月30日の予定です。
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使用いたします。また、ご本人の同意なく、第三者に提供することはございま
せん。

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ご遠慮いただいておりますので、転載を希望される場合はご連絡下さい。

□登録アドレスの変更、登録解除などは
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□ご意見・ご感想は…
「Beating」編集担当 御園 真史 misono@beatiii.jp
(東京大学大学院情報学環ベネッセ先端教育技術学講座 特任助教)

□「BEAT」公式Webサイト http://www.beatiii.jp/?rf=bt_m069c

□発行:東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」
Copyright(c) 2010. Interfaculty Initiative in information Studies,
The University of Tokyo. All Rights Reserved.

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