Beating 第65号
2009年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
第7回:突撃!隣の岸科研(東京学芸大学教育学部/岸学研究室の巻)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」
メールマガジン「Beating」第65号 2009年10月27日発行
現在登録数 2,212名
2009年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
第7回:突撃!隣の岸科研(東京学芸大学教育学部/岸学研究室の巻)
http://www.beatiii.jp/?rf=bt_m065
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
みなさま、こんにちは! Beating 第65号をお届けいたします。
今年度は、科学研究費補助金(科研費)を利用して研究をされている先生方
に直撃取材をしていますが、ちょうど今この時期が来年度の科研費の申請の時
期にあたっています。民主党政権に変わり、若手研究(S)などが募集停止に
なるなど、科研費制度も変わりつつあるようです。
今月の取材は、東京学芸大学の岸先生です。岸先生は教育心理学と教育工学
のどちらにも精通され、教育心理学と教育工学はどのように違うのかという点
もお話お伺いすることができました。それでは、スタートです。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃★CONTENTS★
┃【特集】2009年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
┃ 第7回:突撃!隣の岸科研(東京学芸大学教育学部/岸学研究室の巻)
┃■お知らせ・2009年度 第3回 BEAT公開研究会
┃ 「モバイルARが拓くPlace Based Learningの世界」 12月5日(土)開催!
┃■お知らせ・
┃ 「UTalk 中世人の肉声をきく:日常の手紙や文書を手がかりに」のご案内
┃■編集後記
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏━━┓
┃特集┠───────────────────────────────
┗━━┛ 2009年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
第7回:突撃!隣の岸科研(東京学芸大学教育学部/岸学研究室の巻)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
岸先生は、2005年度〜2007年度の3年間にわたり基盤研究(C)として「ICT環
境での説明技能を育成する方法に関する基礎研究」という課題の研究に取り組
まれました。
岸先生のご研究は、読む・聞く・表現する力を適切に支援する教材づくりを
軸に、子どもだけでなく大人も対象に変化のプロセスを追いかけていらっしゃ
います。
■図と文章のレイアウトを学習スタイルの視点から考える
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│早速ですが、説明技能に注目されたきっかけを教えていただけますか?
└┬┘
│
│ WEB画面に図と文章をどう配置したらわかりやすいのか、というのが研
│究のスタートです。教科書やマニュアルのレイアウトをどうすれば、説明
│がうまくできるか。テクニカル・コミュニケーションというのをご存じで
│すか? わたしは(財)テクニカルコミュニケーター協会の会長で、大人
│向けの文章の研究をしています。そこでは、うまく文章を書くためのスキ
│ルアップを目指して、ドキュメント制作やWEB画面、文章支援のツールや
│わかりやすいマニュアルの作り方などについて、企業のドキュメントをデ
│ザインしているような人たちが集まってシンポジウムを毎年開いています。
│研究の関心の半分はそこにあるのですが、もう半分はもちろん、今回の研
│究で扱っている子どもの読解力・表現力の向上です。読解力や聞き取り能
│力の低い子どもに対して、適切な指導の方法をどうすればよいかについて、
│教育心理学のアプローチを用いて取り組んでいます。
┌─┐
│Q│読み書き能力の向上と教材のデザインとの関係をどのようにお考えでし
└┬┘ょうか?
│
│ 図と文章をどのように提示すれば、子どもたちの理解が進み、内容がわ
│かりやすく伝わるのか? これまでの研究を見ると、実験の参加者によっ
│て結果がまちまちだったので、「誰にどのように図を見せるのが効果的な
│のか」ということを考える必要がありました。そこで注目したのが、図の
│わかりやすさに影響を及ぼす個人特性としての“学習スタイル”です。
│“学習スタイル”とは、学習者が好んで用いる活動の様式のことです。知
│識の伝達や獲得場面での効果の差を説明する概念として重要です。“学習
│スタイル”は、
│
│ (1)熟慮分析型:思慮深く物事を分析するのが好きなタイプ
│ (2)独立分析型:自己主張的で物事を分析するのが好きなタイプ
│ (3)試行錯誤型:行動的で解決案を1つずつ試みるタイプ
│ (4)内観思考型:自分の考えを批判しながら吟味するタイプ
│
│の4つに分類できます。そのスタイルの違いによって、図と文章のレイア
│ウトの好みや理解の深さが変わるということに気づいて、あぁ面白いなぁ、
│よし調べようということになりました。
┌─┐
│Q│“学習スタイル”は教育心理学ではどのように捉えられているのでしょ
└┬┘うか?
│
│ 教育心理学では、個人によるパフォーマンスの違いを説明する概念とし
│て、比較的よく“学習スタイル”が使われてきました。差異がある現象を
│説明するという目的にはとても便利なのですが、実際に教材を作ったり、
│それを使って教えるときに、子どもの学習スタイルを変えましょうという
│ことはできません。つまり、“学習スタイル”は説明概念としては有効な
│のですが、操作可能ではない。“学習スタイル”の考え方には、面白さが
│ある反面、そこに限界があり、つまらなさもあるかなと思います(笑)。
│仮に血液型によって性格が異なるのだとして、性格を変えるために血を入
│れ替える人はいませんよね。
│
│ 教育心理学は、「変更可能性」や「教育可能性」を常に念頭に置いてい
│るので、スタイルにそれらがなければ取り扱っても仕方ないと考えます。
│でも、“学習スタイル”自体に変更可能性がなくても、そのスタイルの違
│いが何かに影響を与えているかもしれません。教材を提示する際、あなた
│の特性は学習スタイルから見てこうだから、こういう提示をすると効果的
│かもしれないという考え方は、教育工学的に重要な視点なのです
■被験者なくして実験は進まず──多くの被験者を集めるために…
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│実際に研究を進める際、どのようなアプローチをとられたのでしょうか?
└┬┘
│
│ “学習スタイル”の違いが図教材の理解に影響を与えるということを確
│かめるために、まず“学習スタイル”の差が何年生ぐらいで出るのかを事
│前に調査しました。数人ずつ調べてみて、大体小学校5年生ぐらいでスタ
│イルが分かれるということがわかったので、大規模な実験に踏み切りまし
│た。
│
│ 実験をするときに最も気にするのは、倫理の問題です。何らかの課題を
│ある子供にはやらせて、別の子どもにはやらせないという方法をとると、
│やらなかった子どもが不利になってしまうので、そういうことが起こらな
│いように注意する必要があります。また、実施する課題が何年生ならでき
│るのか、何年生にふさわしいのかを事前に相当調べておいてから、実験の
│対象を絞ります。あと、課題の中身が学校の先生の授業を妨げないように
│することも大切です。その3点を考慮した上で、図教材を小学校5年生に2
│通りの方法(文章が図に書きこまれている吹き出し型、図と文章が並べて
│書かれている整列型)で見せて、課題を解かせて理解度を調べるという実
│験を行いました。
■学部生の卒業論文がとても質が高いものに仕上がる…
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│実際に研究室はどのような体制で研究を進められているのですか?
└┬┘
│
│ PISA型読解力に関するテーマを卒論生に振り分け、個別に実験を進める
│という体制をとっています。具体的には、「作文」「図表」「読解」の3
│つのグループがあって、そこに今年からは「聞き取り」を加えました。学
│生は3年生までに、質問紙調査や実験など心理学に関する研究法は一通り
│学んできているので、卒論に取り組む頃には統計やデータ処理はできるよ
│うになっています。四六時中、分析や方法を手取り足取り徹底的に教える
│ことで、信頼できる質の高いデータをとることができます。学生を徹底的
│に訓練しますからね(笑)そのため、卒業研究をベースに学会誌に投稿す
│ることは、わたしの研究室ではごく自然なことなのです。
■教育心理学の心は、「現象を説明しきる」にあり!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│教育心理学の視点から、実験の結果をどのように捉えていらっしゃいま
└┬┘すか?
│
│ 心理屋さんは基本的に、分散のない現象、つまり個人差が出ない状況に
│興味がないのです。データに分散が出るからこそ、どうして差が出たのか
│をほじっていこうとします。面白い現象を説明するために、細かく分けて
│そこにいろいろな要因を絡めようとするのが心理学なら、工学は、現象を
│うまくまとめて新しい何かを作ろうとします。アプローチの違いでしょう
│ね。説明を完結させるために、その現象がいつ頃から起こって、どのくら
│い変更可能なのかを徹底的に調べ尽くす。ぼくはそういう心理学的な方法
│で研究を進めることが好きです。何歳で何ができたかも重要ですが、そこ
│から出発して、何があるから変化が起きるのかという変化のメカニズムや
│ポイントを調べるのが発達心理学の面白さだと思っています。ときに生産
│性のない方向にいってしまうかもしれませんが(笑)。
■説明概念と被説明概念の追いかけっこ!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│現象とそれを説明する概念、その関係についてどのようにお考えですか?
└┬┘
│
│ 教育心理学で実験をやるときには、先に仮説を出してこういう結果が出
│るかなぁと予想します。もしかしたら願望かもしれない(笑)。ある現象
│をどういう心理学の概念を使って説明できるのかという「説明可能性」は
│とても重要です。ひとつの概念で説明できるのか、別の概念を導入すべき
│か徹底的に考えてから実験を行います。AがBよりもよかったで終わらせる
│のではなく、なぜAがよかったかを説明し切らなければいけません。それ
│に対して教育工学は、Aをどう使うかという場面への「適応可能性」を重
│視しますよね。純粋に心理現象をモデルと理論を使って、データで裏付け
│て説明しきる心理学研究との違いはそこにあるのでしょう。
┌─┐
│Q│説明概念が見つからないということはないのでしょうか?
└┬┘
│
│ その辺は、卵が先か鶏が先かという感じでなかなか難しい。概念が見つ
│からない現象は研究できないのかと言われれば、そうじゃない。現象から
│概念が出てくる場合も、新しい概念を現象から作っていくこともあります。
│我々が知らないところに全く違う概念が存在するかもしれない。うまい概
│念が見つからないことの方が多いのではないでしょうか。
│
│ 説明概念と被説明概念は追いかけっこをしていると思ってくれればよい
│でしょう。例えば、自分の能力を見ているもう1人の自分という現象をメ
│タ認知という言葉で説明するとき、メタ認知は説明概念になります。メタ
│認知をモニタリングやプランニングという別の言葉で説明するとき、メタ
│認知は被説明概念になります。メタ認知に変更可能性はあるのか? メタ
│認知的な知識とは? その説明・被説明の繰り返しの中で、生き残る概念
│とつぶされる概念ができてきます。生産性はないかもしれませんが、概念
│をこねまわして遊べるこの学問が、楽しくてやめられません(笑)
■研究の軸は、「結果が崩れる要件を考える」にあり!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│説明そのものが妥当かどうか、どのように判断されているのでしょうか?
└┬┘
│
│ ある人の実験を他の人が同じ方法でやってみて、同じ結果が出るかどう
│かという検証実験を行います。教育工学では、全く同じことをやったら研
│究になりませんよね。でも、我々はむしろ、先行研究と同じ結果が出ると
│とてもうれしい。それが研究そのものの妥当性(対象を正確に測れている
│かどうか)の検証にもなるのです。心理学では追試可能性が要求されるの
│で、実験方法の記述をとても丁寧にする必要があります。他の人の研究と
│違う結果が出たときは、ちょっと方法を変えて実験することで、どうして
│違うのかを確かめようとします。
│
│ 方法を変えるということで、その研究のオリジナリティが出てきます。
│実験を観察に、観察を調査にというように、我々は複数のアプローチを試
│みます。誰も確かめていない方法をやることが、心理学での新しさにつな
│がります。また、小学生を中学生に、ある能力の高い子どもを低い子ども
│にというように対象を前後に広げることで、ある研究の知見がどれほど変
│化するのかを見ることもオリジナリティであり新しさです。おや、なんだ、
│どういうことだ?という部分を少しずつ変えながら説明していくこと、そ
│れが研究の軸になります。
┌─┐
│Q│最後に、現在取り組まれている旬のテーマを教えていただけますか?
└┬┘
│
│ 歴史の教科書の読み方は、本文先行型と図表先行型の2パターンに分類
│できることがわかっています。読むときの視線を追ってみると、どうも図
│表から読み始める人の方が最終的な理解の得点が高いということが、大学
│生を対象にわかってきました。本文先行型の人には図表から読むように、
│図表先行型の人には本文から読むようにお願いして、普段と違う読み方を
│やってもらい、理解度テストをやったところ、図表から読んだ人たちのパ
│フォーマンスがどんと上がったのです。この面白い変化は、読むときの方
│略の違いなのか、認知の仕方なのか、学習課題の違いによるものなのか、
│というように変化の要因を眼球運動を使って解明しようと試みている途中
│です。
│
│ また、今年からは、日本語の聞きとり課題もテーマに入れました。これ
│まで教師の多くは、「メモを取りながら聞きなさい」と教えてきたでしょ
│う。でも実は、ワーキング・メモリ(情報を一時的に保持し操作するため
│のシステム)の容量が多い人はメモをとるとパフォーマンスが下がるとい
│う驚きの結果が実験から明らかになりました。メモを取れという指導が逆
│効果だと知った先生たちは、どえーっと驚かれていました(笑)。ワーキ
│ングメモリの容量なのか、メモ取りスキルの問題なのか、どうすればこの
│結果が崩れるのかをあれこれ考えます。その間に教育工学だと、メモ取り
│スキルを支援するような製品ができているでしょう。学問はまったく違う
│アプローチを持つものが共存するから面白いですね。
______________
] インタビューを終えて [
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
面白い現象を見つけ、どうしてそうなるのかを突き詰めていく岸先生のアプ
ローチに、探究し続ける熱意と誠実さを感じました。変化したという事実の裏
で、どのような要因が働いていたのかを丁寧に探索し、複数の方法を組み合わ
せて解明しようとする姿勢。これからわたしが修士論文を書く上で、きっと支
えになるであろう研究者の心をたっぷりと教えていただいたインタビューでし
た。岸先生、貴重なお時間とお話をありがとうございました。
※残念ながら、Beating紙面だけでは、岸 学 先生のご研究の魅力はお伝えし
きれません。そこで、写真などをBEATブログに掲載いたしましたので、宜し
ければご覧ください!
Beating 第65号:取材ノート (東京学芸大学教育学部 岸 学 先生)
http://blog.beatiii.jp/beating_65.html
◎特集記事協力◎
伏木田 稚子/東京大学 大学院 学際情報学府 修士1年
______________
] 次回の直撃取材は ? [
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
次回は、PISAやTIMSSなどの大規模学力調査を研究されている国立教育政策研
究所の猿田祐嗣先生を直撃の予定です。お楽しみに!
┏━━━━┯━━━━━━┓
┃お知らせ│BEAT Seminar┠──────────────────────
┗━━━━┷━━━━━━┛2009年度 第3回 BEAT公開研究会
「モバイルARが拓くPlace Based Learningの世界」 12月5日(土)開催!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
BEAT(東京大学大学院情報学環ベネッセ先端教育技術学講座)では、公開
研究会「モバイルARが拓くPlace Based Learningの世界」を開催いたします。
モバイルARは、拡張現実(Augumented Reality)技術を携帯デバイスで実現す
るもので、ケータイをかざすことによって、その場の映像の上に様々な情報を
重ねて見ることができます。iPhone用のアプリケーション「セカイカメラ」で
注目を集めたこの技術は、他キャリアのケータイでの試験的サービスも始まっ
ており、近い将来教育をはじめとした各種サービスの基盤になる可能性を持っ
ています。
教育の領域でも博物館などでARの利用が進められてきましたが、モバイルAR
の出現によって、様々な場所で学びのきっかけを作り出すことが可能になりま
す。今回のBEAT Seminarでは、試行的に行われている事例を検討し、今後新し
く生まれてくるであろう場所を基盤とした学習の可能性について検討していき
たいと考えています。
みなさまのご参加をお待ちしております。
-------------【2009年度 第3回 BEAT Seminar概要】-------------
■主催:東京大学大学院情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座
■日時:2009年12月5日(土) 午後2時00分〜午後5時00分
■場所:東京大学 本郷キャンパス 情報学環・福武ホール(赤門横)
福武ラーニングシアター(B2F)
http://www.beatiii.jp/seminar/seminar-map40.pdf
■定員:180名(お早めにお申し込みください)
■参加方法:参加希望の方は、BEAT Webサイト
http://www.beatiii.jp/seminar/?rf=bt_m65
にて、ご登録をお願いいたします。
■参加費:無料
■内容:
1.趣旨説明 山内祐平(東京大学大学院情報学環 准教授(BEAT併任))
久松慎一(BEAT特任研究員)
2.◎講演(問題提起・事例紹介)
[事例紹介]
・Past Viewer / 東京大学ARキャンパスツアー
中杉啓秋(博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所)
・バーチャル飛鳥京
角田哲也(株式会社アスカラボ代表取締役)
[指定討論]
西森年寿(東京大学教養学部 特任准教授)
3.参加者によるグループディスカッション
4.パネルディスカッション
『場所を基盤とした新しい学びの形とは』
司会:山内祐平
パネラー:中杉啓秋・角田哲也・西森年寿
┏━━━━┯━━━━┓
┃お知らせ│ UTalk ┠────────────────────────
┗━━━━┷━━━━┛
「中世人の肉声をきく:日常の手紙や文書を手がかりに」のご案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
UTalkは、様々な領域で活躍している東京大学の研究者をゲストとして招き、
毎月開催するイベントです。カフェならではの雰囲気、空気感を大切にし、気
軽にお茶をする感覚のまま、ゲストとの会話をお楽しみいただける場となって
います。
現代に生きる私たちは、日常の連絡は電話やメールで済ませていることが多
いかと思います。もちろん、今でも手紙や文書でやりとりをすることもありま
すが、たとえば、鎌倉時代の人々は、私たちが電話やメールをするように、さ
まざまな日常の連絡を手紙や文書で取り交わしていました。そうした手紙や文
書を読み解いていくと、私たちがイメージするのとはちょっと違う、中世の社
会の様子、人々の生活が見えてきます。その中には現代社会のさまざまな問題
を考えるヒントも隠されているかもしれません。
11月のUTalkでは、中世の人びとの肉声に耳を傾け、その等身大の姿を捉え
る試みを続けておられる、本郷恵子さん(史料編纂所・准教授)にお話を伺い
ます。みなさまのご参加をお待ちしています。
日時:11月21日(土)午後2:00〜3:00
場所:UT Cafe BERTHOLLET Rouge
(東京大学 本郷キャン パス 赤門横)
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access.html
料金:500円(要予約)
定員:15名
申し込み方法:(1)お名前 (2)ご所属 (3)ご連絡先
(4)このイベントをお知りになったきっかけ
をご記入の上、utalk2009@ylab.jp までご連絡ください。
※申し込みの締め切りは 11月13日(金)までとします。
なお、申し込み者多数の場合は抽選とさせていただく場合がございます。
ご了承ください。
┏┯━━━━━━━━━┓
┃│ 編 集 後 記 ┠──────────────────────┤
┗┷━━━━━━━━━┛
東京学芸大学の心理学などの研究室は、人文社会科学系研究棟に入ってい
ます。岸先生の研究室は2号館にありますが、1号館は東京学芸大学で最も
高い建物に入っており、学芸大生は、この建物を通称「サンシャイン」と呼
んでいます。
実は、かくいう私も学部は東京学芸大学出身です。久しぶりの母校訪問と
なり、国分寺の駅から大学まで通学路を懐かしく歩きました。いろいろな思
い出がよみがえってきますね.そして,よく行っていた国分寺のラーメン屋
は、外装も主も変わっていました。残念!
ご意見・ご感想をお待ちしております。
「Beating」編集担当 御園 真史 (みその ただし)
-------次回発行は11月24日の予定です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本メールマガジンのご登録先は、ベネッセ先端教育技術学講座です。ご登録
にあたって、お知らせいただいたお名前・メールアドレスなどの個人情報は、
ベネッセ先端教育技術学講座にて、「Beating」からのお知らせのためだけに
使用いたします。また、ご本人の同意なく、第三者に提供することはございま
せん。
「Beating」はお申し込みをいただいた方々に配信しています。無断転載は
ご遠慮いただいておりますので、転載を希望される場合はご連絡下さい。
□登録アドレスの変更、登録解除などは
http://www.beatiii.jp/beating/?rf=bt_m065b
□ご意見・ご感想は…
「Beating」編集担当 御園 真史 misono@beatiii.jp
(東京大学大学院情報学環ベネッセ先端教育技術学講座 特任助教)
□「BEAT」公式Webサイト http://www.beatiii.jp/?rf=bt_m065c
□発行:東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」
Copyright(c) 2009. Interfaculty Initiative in information Studies,
The University of Tokyo. All Rights Reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━