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Beating 第67号
2009年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
第9回:突撃!隣の門脇科研(徳山工業高等専門学校/門脇重道・藤本浩研究室の巻)

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東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」
メールマガジン「Beating」第67号     2009年12月22日発行
現在登録数 2,245名

2009年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
第9回:突撃!隣の門脇科研
   (徳山工業高等専門学校/門脇重道・藤本浩研究室の巻)

http://www.beatiii.jp/?rf=bt_m067

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 みなさま、こんにちは! いよいよ2009年も残りわずかとなりました。本年
の最終号となるBeating 第67号をお届けいたします。

 今月は、山口県は周南市にある徳山工業高等専門学校に伺いました。徳山高
専では、以前から創造教育に熱心に取り組まれており、それを科研費による研
究として位置づけて、研究を推進されました。

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┃★CONTENTS★
┃【特集】2009年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
┃ 第9回:突撃!隣の門脇科研
┃    (徳山工業高等専門学校/門脇重道・藤本浩 研究室の巻)
┃
┃■お知らせ・2009年度 第3回 BEAT公開研究会 Webサイト 12月29日公開予定
┃■お知らせ・「UTalk 世論調査から見えるもの:「政権交代」を読み解く」
┃                              のご案内
┃■編集後記
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┃特集┠───────────────────────────────
┗━━┛ 2009年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
 第9回:突撃!隣の門脇科研
    (徳山工業高等専門学校/門脇重道・藤本浩研究室の巻)
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 今回ご紹介する「高専教育の特質を活かした学生特許を主眼とする創造教育
の教育方法構築に関する研究」は、2004年度から2007年度にかけて、基盤研究
(B)として科学研究費補助金による補助を受けて推進されました。今回は、独
立行政法人国立高等専門学校機構 徳山工業高等専門学校の門脇先生(研究代
表者で既にご退職されています)と、藤本先生(研究分担者を務めておられま
した)のお二人にお話をお伺いしました。


■創造教育への転換が若者の潜在能力を引き出す!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│徳山高専で創造教育を始めたのは、どんなきっかけからでしょうか?
└┬┘
 │
 │ 人が新しい価値をつくることは、資源のない日本にとって重要な要素の
 │ひとつです。高専機構の設立目標には、「創造性豊かな技術者育成」とい
 │うものがあります。これは、徳山高専が創造教育を実施する際の大きな柱
 │にもなっています。
 │
 │ 実は以前から、学生に自発性や自主性が欠けているなあと感じていて、
 │学生の自発性を育てることが創造力につながるのではないかという思いも
 │ありました。そこで、高専には大学入試がなく、比較的自由にいろいろな
 │ことができる特徴を最大限に活かそうということで、1995年から創造教育
 │を始めました。本研究の目的は、実践を通して得られた知見や実感をもと
 │に、創造力を高める効果的な教育方法の提案することにあります。


┌─┐
│Q│先生は創造力をどのように捉えていらっしゃいますでしょうか?
└┬┘
 │
 │ まず、「課題に気づく力」ですね。例えば最近、学力問題が注目を集め
 │ていますが、本当に学力の低下は起こっているのか、起こっているとすれ
 │ばどこに問題があるのか、という問いを立てられるかどうかです。つまり、
 │ここに、こういう問題があるねと「気づく」ことが大事! これが自力で
 │できる学生は、たいがい解決策を自分で考えることもできます。この「課
 │題を解決する力」が2番目に大事ですね。何に気づき、どう解決するかを
 │考えることは、「意欲」や「自発性」を引き出すとともに、「アイディア
 │を人に伝える力」へとつながっていきます。これらをひとくくりにして、
 │「創造力」と捉えています。そして創造力は、学生ひとりひとりの興味や
 │関心を引き出して伸ばすことによって育てられると考えています。


■創造教育のキーワードは、「早期」、「実践」、「主体」、「発想」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│高専教育における創造力の育成にはどんな意義があるのでしょうか?
└┬┘
 │
 │ 高専はさまざまな研究を行いながらも、そこで得られた知見をもとに教
 │材を開発するなど、学生を育てることに主眼を置いた教育機関という意識
 │を強く持っています。「高専教育」の特質は、高校年齢段階から大学入試
 │に縛られることなく、自分の興味や関心があることを伸ばし、より深めて
 │いける点、専門的な作業を通して自主性や発想力を養うことができる点に
 │あります。その中で生みだされるアイディアを形あるものとして世の中に
 │提供することは、新しい価値の創出につながります。
 │
 │ そのためには、使える技術やものづくりに活かせる技術を教育の中で早
 │期に身につけさせる「実践教育」が重要だと考えています。座学だけでは
 │なかなか補うことが難しい「実践教育」を実現させるために、「高専教育」
 │の自由度の高さを活かして、アイディアを形にする際に必要な特許制度を
 │組み込んだ創造教育を行っています。


┌─┐
│Q│実際に、どのような教育をされているのでしょうか?
└┬┘
 │
 │ これまで取り組んできた創造教育の内容としては、「創造演習」(1、3
 │年)、「創造製作」(2、4年)、「自己提案型卒業研究」(4、5年)があ
 │ります。
 │
 │ 「創造演習」では、学生ひとりひとりが自分の興味や関心に沿ったテー
 │マを設定し、自由に調査研究を行うことで、創造力発揮の基盤づくりを目
 │指しています。
 │
 │ ものづくりと創造力の結びつきを狙った「創造製作」では、特許制度を
 │活用して自分のアイディアを形にするプロセスを学びます。この授業は、
 │技術の基礎的な知を勉強するためのツールであると同時に、自分の作りた
 │いものを自由に作る機会として活用されています。
 │
 │ さらに、これらの延長線上に、学生が自ら進めたいテーマでの卒業研究
 │を可能にしている「自己提案型卒業研究」があります。これら3つの科目
 │によって、学生は5年間を通じて、自分のアイディア出しを求められ続け
 │ることになり、自然と意識しないうちに自発性や創造力を身につけること
 │ができると考えています。


┌─┐
│Q│成功する創造教育のポイントはどこにあるとお考えでしょうか?
└┬┘
 │
 │ 発想力の育成を目指した創造教育の特徴は、特許教育と組み合わされた
 │実践活動にあります。特許はアイディアを保護するために存在し、アイデ
 │ィアを形にすることはエンジニアの仕事です。企業に入ると、特許を知ら
 │ずして仕事はできません。そこで、特許に関する講義やベンチャー論など
 │の座学で知識を得ることに加えて、アイディア出し・試作・商品化という
 │特許出願のプロセスを経験することが、ものづくりの力をつけていくため
 │に重要となります。
 │
 │ 学生単独ではなかなか難しい作業なので、教師や発明協会、弁理士など
 │の協力を仰ぎ、特許出願にチャレンジします。特許は学生の発想力に対す
 │る社会的な評価につながりますから、意欲を高めるのにも一役買っている
 │のではないでしょうか。「自分でやりきる」を徹底させることは、特許を
 │組み込んだ創造教育の重要なポイントと言えるでしょう。


■創造性を引き出すのは「主体的発想を求める環境」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│創造教育において、教師の方々はどのように学生に関わっていらっしゃ
└┬┘るのですか?
 │
 │ 「創造演習」は学生40人に教師3人、「創造製作」は5人程度で授業を受
 │け持ちます。つまり、4つの授業を合わせた創造教育全体では、およそ10
 │人の教師が取り組みに関わっていることになりますね。
 │
 │ 学生が自発的に発想力を働かせることが重要なので、教師は答えを先に
 │言わないように心がけています。もちろん、何に困っているのか話の相手
 │にはなります。掲示板でのやり取りや、学生が作成するHPや日誌に目を通
 │すことで進度を把握します。
 │
 │ 中間や最終発表で厳しく突っ込みますから、普段はひたすら生徒に任せ
 │て見守ります(笑)。創造教育を始めたての頃は、グループで課題に取り
 │組ませていたのですが、学生は固まるとさぼるんですよね。実際に熱心に
 │取り組むのは1人か2人、ついていけない学生も出てくるという失敗を経験
 │して、その後は1人1テーマで進める方向に転換しました。その方が、学生
 │ひとりひとりの興味や関心を伸ばすことができると考えています。


┌─┐
│Q│実践ベースの創造教育を受ける中で、学生はどのように変化していくの
└┬┘でしょうか?
 │
 │ 学生は、どこに問題があるのか気づくまで非常に苦しみます。けれども、
 │とにかく5年間ずっとアイディアを出せと私たちに迫られるわけでしょう、
 │そのうちに段々と慣れてきます(笑)。
 │
 │ アイディア出しが習慣化する中で、自分でものを考えることが次第にで
 │きるようになります。その際、身近な問題にどういう目を向けられるかが
 │鍵となるので、常にアンテナを立てながら何でもすぐにやってみるという
 │姿勢も身につきます。創造教育は1週間に1コマ、残りの授業は一斉講義が
 │中心なのですが、そういった座学による日頃の勉強を、アイディアを形に
 │するためのメカニズムや材料につなげよう、活かそうという動きが自然と
 │出てきます。「アカデミックな講義と創造教育の有機的な結び付き」とで
 │も言いましょうか。学んできた専門科目やこれから学ぶべきことへの意欲
 │が高まり、自分で確かめる力がつくようになるのも大きな特徴です。


■創造的な技術者の卵に学生が変貌!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│創造教育を通じて得られた具体的な成果には、どのようなものがあるの
└┬┘でしょうか?
 │
 │ 自分のアイディアが日本で初めてのものになるかもしれないという期待
 │は、学生の目を輝かせ、自発的に取り組む原動力となります。学生は意欲
 │的に研究を進めるので、大学生や大学院生に匹敵するだけの知識や情報を
 │習得し、思考力や発想力を存分に発揮することができるようになります。
 │
 │ 座学で学んだことの応用力、アイディアを伝える表現力や文章力、興味
 │のあることを進んで調べる自発性などが身に付いた結果、各種コンテスト
 │やコンクールなどへの入賞、特許取得といった形ある成果が生み出されて
 │います。自分たちが受けてきた授業のノウハウを活かして教材を作成し、
 │出版したところ、びっくりするくらい一般に売れたという例もあります。
 │ 
 │ 実際に特許になった例としては、注ぎ口に残った醤油が垂れて醤油注し
 │や、テーブルを汚すのを防ぐために、注ぎ口に醤油が残らないように工夫
 │を凝らした「垂れない醤油注し」がありますし、商品化に至った例として
 │は、手の不自由な方のための足用マウス「足技」などがあります。他にも
 │たくさんありますので、詳しくは、http://www.tokuyama.ac.jp/home/~ka
 │dowaki/top/syoukai/souzouseika/seika.htmをご覧いただければと思いま
 │す。
 │
 │ そうした学生たちの活動による収益の一部を還元して、次の学生の創造
 │・特許教育を支えようというのが「知的創造サイクル」です。創造や特許
 │活動には労力とコストが必要で、継続的に進めることはなかなか難しいの
 │ですが、その障害を学生たちが自らの力で乗り越えようとしている。これ
 │も、創造教育の代表的な成果のひとつと考えています。



┌─┐
│Q│本研究はどのような学術的な成果が得られているのでしょうか?
└┬┘
 │
 │ 創造教育が発想力向上においてどの程度の効果もたらしたのか、客観的
 │に明らかにするために調査を行いました。創造教育では学生ひとりひとり
 │がHPを作成し、日々の調べ学習の記録や発表会の資料など、研究の進捗を
 │データとして残していますので、それを調査の対象としました。
 │
 │ 具体的には、2000年度入学者の5年間のデータをもとに、扱われている
 │テーマを分類し、どの段階で発想力が発揮されているかについて、独自に
 │作成した評価基準に沿ってチェックしていくという方法をとりました。発
 │想力の発揮は、問題への「気づき」とそれに対する「独自の見解の創出」
 │としました。
 │
 │ 調査は、卒業生に依頼して行い、授業を受け持った私たちも再チェック
 │を行うことで評価に偏りが出ないよう配慮しました。その結果、学生の8
 │割が5年間のうちいずれかの段階で発想力を発揮していたことが明らかに
 │なりました。


■アイディアを形に、潜在力を創造力に。科研費はその架け橋に!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│創造教育を進められる中で、科研費はどのように活用されたのでしょう
└┬┘か?
 │
 │ 特許を組み込んだ創造教育では、さまざまな実験を数多く行います。そ
 │うした実践教育を早期に実施するための教材づくりに、科研費の大部分を
 │活用させていただきました。他には、アイディアを形にしていく上での試
 │行錯誤の段階で使いました。材料の購入や外部への製作発注などが中心で
 │すね。
 │
 │ 創造教育を始めた当初は、学生の特許を企業に売り込んで活用してもら
 │うことを考えていました。けれども、企業は自社開発はするが特許の買い
 │取りはあまりしないという体質に気づいてからは、学生が考えた特許を自
 │分たちで試作・製品化するというプロセスに変更したため、それを支える
 │資金が必要になりました。特許は活用されないと意味がないですから、そ
 │ういった点で、周南地域地場産業振興センターなどの外部資金も積極的に
 │使わせていただきました。


■学生を育て、活力を生む教育とは?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│創造教育の研究は、社会にどのような価値をもたらすとお考えでしょうか?
└┬┘か?
 │
 │ 情報化の時代には、容易に入手できる知識や情報を活用して、新たな価
 │値を生み出し社会に還元することが重要となります。こうした創造力の発
 │揮には、必要な知識や情報を取捨選択できる自発性が求められます。つま
 │り、これまでのマスプロ型の教育は時代にマッチしていない、学生ひとり
 │ひとりの興味や関心を引き出して伸ばすといった教育方法の転換が必要な
 │のではないか。こうした観点から取り組み始めた創造教育は、学生をいつ
 │も主体的な発想を要する環境に置くことで、高い潜在力を引き出すことが
 │できました。
 │
 │ 自分の考えをまとめて発表したい、何か役立つアイディアを考えて形に
 │したい──そういった学生の意欲を高め、自分でやり抜く力や表現する力
 │を身につけさせることで、学生はどんどん変貌していくのです。私たちは、
 │学生ひとりひとりの興味や関心に沿った教育の仕組みを提案することで、
 │学生の潜在力は教育方法いかんで飛躍し、新しい価値の創出につながる可
 │能性を示すことができると考えています。


┌─┐
│Q│最後に、徳山高専で行われている創造教育の広がりについて、お考えを
└┬┘お聞かせいただけますか?
 │
 │ 私たちの取り組みは、学生の規模が1クラス40人だからできることであ
 │り、大学の一斉講義のような100人、200人という単位では難しいかもしれ
 │ません。本校の創造教育を一般的に応用する場合は、人数が問題になりま
 │す。けれども、学生の潜在力を引き出す創造力の育成という基本的な姿勢
 │は、どの分野、どのレベルでも取り入れる余地があるのではないでしょう
 │か。特許に限らず、著作権や意匠権といった知的財産権に広げれば、工学
 │以外の他領域でも実践教育を行うことは可能でしょう。そのためには、自
 │由度を高くし、学生ひとりひとりの考えを活かそうというスタンスをしっ
 │かりと持つことが重要です。
 │
 │ 手間暇かけずにではなく、手間暇を存分にかけて教育を行う、教育に力
 │を入れて当たり前、それが仕事。私たちはそう強く思っています。最近は、
 │教育よりも研究への評価が高まっていますね。大学は研究機関ですから、
 │私たちと同じ手法で教育を進めるのは難しいのが現実でしょう。大切なの
 │は、学生の興味や関心、意欲を引き出し、最大限に伸ばして創造力を育て
 │る機会を増やすことではないでしょうか。

______________
] インタビューを終えて [
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 「手間暇を存分にかけて教育を行う」そう語られる門脇先生、藤本先生のま
なざしがとても印象的でした。自分の興味や関心に耳を澄ませ、常にアンテナ
を立てながら、問題に気づき解決策を自分で考える。そのシンプルなプロセス
を続けることで生み出される価値は、学生の潜在力の飛躍を超えて、教育方法
の「創造」につながるのではないでしょうか。教えること学ぶこと、そこから
生み出される創造性の深さに、心かきたてられるひとときでした。門脇先生、
藤本先生、貴重なお時間とお話をありがとうございました。

※残念ながら、Beating紙面だけでは、門脇重道・藤本浩先生の魅力はお伝えし
きれません。そこで、インタビューの模様をBEATブログに掲載いたしましたの
で、宜しければご覧ください!

Beating 第67号:取材ノート
 (徳山工業高等専門学校 門脇重道先生・藤本浩先生)
http://blog.beatiii.jp/beating_67.html

◎特集記事協力◎
伏木田 稚子/東京大学 大学院 学際情報学府 修士1年

______________
]  次回の直撃取材は ? [
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 次回は、ミクストリアリティ(複合現実感)という3DCGを実空間に融合させ
る技術の教育への応用を研究されている放送大学の近藤智嗣先生を直撃の予定
です。お楽しみに!


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┃お知らせ│BEAT Seminar┠──────────────────────
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    2009年度 第3回 BEAT公開研究会 Webサイト 12月29日公開予定
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 2009年12月5日(土)の2009年度 第3回 公開研究会(BEAT Seminar)では、多
くの方にご参加をいただきまして、ありがとうございました。

 「モバイルARが拓くPlace Based Learningの世界」をテーマに、拡張現実
(Augumented Reality)技術を活用した事例を、博報堂DYメディアパートナーズ
メディア環境研究所の中杉啓秋氏、株式会社アスカラボ代表取締役の角田哲也
氏にご紹介いただきました。

 さらに、東京大学教養学部 特任准教授 西森年寿氏による指定討論の後、参
加者によるグループディスカッションならびにパネルディスカッションを通じ
て活発な議論を行いました。

 この内容を BEAT Webサイトに12月29日(火)に公開予定です。当日出席出
来なかった方、内容を振り返りたい方など、どうぞご期待下さい。

http://www.beatiii.jp/seminar/


┏━━━━┯━━━━┓
┃お知らせ│ UTalk ┠────────────────────────
┗━━━━┷━━━━┛
「UTalk 世論調査から見えるもの:「政権交代」を読み解く」のご案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 UTalkは、様々な領域で活躍している東京大学の研究者をゲストとして招き、
毎月開催するイベントです。カフェならではの雰囲気、空気感を大切にし、気
軽にお茶をする感覚のまま、ゲストとの会話をお楽しみいただける場となって
います。

 新聞やテレビで、私たちはよく、政治についての「世論調査」の結果を目に
します。内閣や政党の支持率や、大きなテーマについての賛成・反対の意見な
どが数字で表されています。では、世論調査は実際にはどのように行われてい
るのでしょうか?なぜ実施する会社や団体によって結果が異なるのでしょうか?
結局、その「数字」は何を意味しているのでしょうか?

 1月のUTalkでは、世論調査などの「数字」と政治の関係を読み解く研究を続
けておられる、前田幸男さん(情報学環/社会科学研究所・准教授)に、先日
の「政権交代」を主な題材にしてお話を伺います。

日時: 2010年1月9日(土)午後2:00〜3:00
場所:UT Cafe BERTHOLLET Rouge
   (東京大学 本郷キャン パス 赤門横)
    http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access.html
料金:500円(要予約)
定員:15名
申し込み方法: (1)お名前(2)ご所属(3)ご連絡先 (4)このイベントをお知りに
       なったきっかけ、をご記入の上、utalk2009@ylab.jp まで
       ご連絡ください。

※申し込みの締め切りは、2009年12月30日(水)までとします。
なお、申し込み者多数の場合は抽選とさせていただく場合がございます。 
ご了承ください。

┏┯━━━━━━━━━┓
┃│ 編 集 後 記 ┠──────────────────────┤
┗┷━━━━━━━━━┛

 今回は初めて高専への取材となりました。高専は大学の雰囲気とまた違っ
た雰囲気をもっていますが、それが果たして紙面で伝わりましたでしょうか。
近年は工学系への志望が不人気であるという話もよく耳にします。今回の徳
山高専のように学生が目を輝かせて取り組む優れた教育が行われていること
がもっと広まれば、進路への考え方もまた変わってくるかもしれませんね。

 本年もご愛読いただき誠にありがとうございました。来年もさらに充実し
た紙面になりますよう、ますますがんばって参りますので、来年もご愛読の
程どうぞよろしくお願いいたします。それでは、良い年をお迎え下さい!

ご意見・ご感想をお待ちしております。
「Beating」編集担当 御園 真史 (みその ただし)

-------次回発行は2010年1月26日の予定です。
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使用いたします。また、ご本人の同意なく、第三者に提供することはございま
せん。

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ご遠慮いただいておりますので、転載を希望される場合はご連絡下さい。

□登録アドレスの変更、登録解除などは
  http://www.beatiii.jp/beating/?rf=bt_m067b

□ご意見・ご感想は…
「Beating」編集担当 御園 真史 misono@beatiii.jp
(東京大学大学院情報学環ベネッセ先端教育技術学講座 特任助教)

□「BEAT」公式Webサイト http://www.beatiii.jp/?rf=bt_m067c

□発行:東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」
Copyright(c) 2009. Interfaculty Initiative in information Studies,
The University of Tokyo. All Rights Reserved.

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