UTalk / 宇宙はどのように彩られていくのか

左近 樹

理学系研究科・助教

第7回

宇宙はどのように彩られていくのか

8月は、左近樹さん(理学系研究科・助教)に、さまざまな物質の源となる塵が宇宙空間に誕生し進化を遂げていく様子について、「あかり」衛星による観測をもとにお話しいただきま す。

 8月のUTalkは、左近樹さん(東京大学大学院理学系研究科・助教)をお迎えしました。今回のテーマは「宇宙はどのように彩られていくのか」でした。

 まず最初に、左近さんに持ってきていただいた赤外線カメラで、温度の違うペットボトルを撮影し、どのように見え方が違うのか、試すところからスタートしました。
 
 続いて、2006年に打ち上げられた赤外線天文衛星「あかり」についてお話しいただきました。あかり衛星に使われた「鏡」を手に取って見ながら、宇宙のガスが固体になり、元素が「重い」元素になり、星が生まれては死んでいくなど、宇宙が豊かになっていく様子をお聞きしました。赤外線に着目することで 宇宙についてさまざまなことが分かる仕組みも、宇宙の「ダスト」の実物を見ながら、分かりやすく説明していただきました。
 
 普段お聞きする機会の無い、宇宙という特殊な空間で観測をするための工夫や、高山や飛行機で実験する苦労がお聞きできたのも、UTalkならではだと思います。また、参加者のみなさまからは「星が誕生する瞬間を見れるのですか?」「宇宙はどうやってできたのですか?」「私たちの銀河がいつ無くなるか、分かるのですか?」といった質問が飛び出し、大いに盛り上がりました。

 終了後も、参加者のみなさまと左近さんとで、宇宙についてのトークが続きました。左近さんが、「まだまだ分からないことだらけ」「天文学をすることは『私 たちがなぜ在るのか』といった問いにつながる」とおっしゃっていたことがとても印象的でした。貴重な時間を作っていただいた左近さん、参加者の皆さま、ありがとうございました。

[アシスタント:岡本絵莉]