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Beating 第66号
2009年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
第8回:突撃!隣の猿田科研(国立教育政策研究所/猿田祐嗣研究室の巻)

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東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」
メールマガジン「Beating」第66号     2009年11月24日発行
現在登録数 2,231名

2009年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
第8回:突撃!隣の猿田科研(国立教育政策研究所/猿田祐嗣研究室の巻)

http://www.beatiii.jp/?rf=bt_m066

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 みなさま、こんにちは! Beating 第66号をお届けいたします。

 今月は、東京は霞ヶ関、国立教育政策研究所の猿田祐嗣先生を取材してまい
りました。猿田先生のご研究では日本の児童・生徒を対象に理科の学力と態度
面について同一の人物を子供から大人になるまでを追うという比類ない調査研
究をされています。それでは、お話をお伺いしていくことにしましょう。


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┃★CONTENTS★
┃【特集】2009年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
┃ 第8回:突撃!隣の猿田科研(国立教育政策研究所/猿田祐嗣研究室の巻)
┃■お知らせ 2009年度 第3回 BEAT公開研究会
┃「モバイルARが拓くPlace Based Learningの世界」 12月5日(土)開催!
┃■お知らせ 
┃ 「UTalk 大学ってなに?〜メディア学者が考える知識の未来〜」のご案内
┃■編集後記
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┃特集┠───────────────────────────────
┗━━┛ 2009年度Beating特集「突撃!隣の○○科研」
 第8回:突撃!隣の猿田科研(国立教育政策研究所/猿田祐嗣研究室の巻)
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 文部科学省 国立教育政策研究所 教育課程研究センターで総合研究官をさ
れていらっしゃる猿田先生は、2006年度から2007年度にかけて、基盤研究(C)
として「理科及び数学に対する生徒の意識や態度の変容に関する追跡調査研究」
という課題で、長期間にわたる算数・数学や理科到達度と学習態度の長期の追
跡研究に取り組まれています。今回は主に理科についてお話を伺いました。


■17年越しの長期追跡研究からみえてくる理数達成のためのカギ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│先生が取り組まれている研究はどのような研究なのでしょうか?
└┬┘
 │
 │ 小学校5年生から、中学、高等学校、さらには大学、社会人にいたるま
 │での理科および算数・数学の到達度や、科学的態度に影響を与える要因や、
 │経年変化について分析をするということが目標で、17年間に渡り、継続し
 │て調査を行いました。
 │
 │ 明らかにしたいことは3つあります。1つ目は、成績と興味・関心との相
 │関が高いといわれていますが、それらの関係は学校段階や学年とともにど
 │のように変化していくのかという点です。2つ目は、理数の学習や自然科
 │学に対する意識は、いつごろどのように変化していくのか。3つ目は、学
 │習指導要領の改定は、教員の指導法にどのような影響を与えているかとい
 │うことです。これら3つのリサーチクエスチョンをもとに同じ児童・生徒
 │に長期間追い続けた調査の結果を分析することで、教育改善の資料に供す
 │ることができると考えています


┌─┐
│Q│どのように調査を進められたのでしょうか?
└┬┘
 │
 │ 岩手県、宮城県、福島県、茨城県、山梨県の公立小学校34〜35校、中学
 │校12〜14校、高等学校7〜8校の児童・生徒を対象に、1989年度の小学校5
 │年生と中学校2年生、高校2年生にまず学力調査と質問紙調査にご協力い
 │ただきました。その後、高校3年生になるまで毎年継続して調査を行いま
 │した。卒業後も、2年後、6年後、10年後の時期に、調査問題などを郵送し、
 │ご回答いただきました。
 │
 │ 一方、1995年度からは、毎年の調査ではありませんが、小学校5年生、
 │中学校2年生、高校2年生、そして、卒業後の時点における定点調査も始め
 │ました。この調査では、対象の学年の計画を工夫することにより、同一地
 │域での4年前の集団との比較ができるようになっています。


┌─┐
│Q│追跡調査の結果、どのようなことが分かったのでしょうか?
└┬┘
 │
 │ 成績で上位25%、下位25%、真ん中50%の3つの段階に分けて、生徒の
 │成績がどのように移動するか観察しました。小5・中2・高2と全て上位の
 │成績をとることはよくあることなのでしょうか。25%という数字から考え
 │ると、よくありそうな気がしますよね。ところが、調査結果を見てみると
 │そんなことはないと分かるのです。理科に関しては、学年が進んでも継続
 │して上位の成績を取っている生徒は全体の7〜8%にすぎません。ずっと成
 │績が下位のままという生徒も、10%に満たない程少ないことが分かります。
 │
 │ 実は、1番多くみられる生徒の傾向は、中位から上位、下位から中位と
 │いったように2段階を移動するパターンで約6割を占めています。逆に1番
 │少なかったのは、上位から中位、下位までの成績を全部とった経験のある
 │人も1割弱。つまり、ほとんどの生徒は、成績がずっと同じということは
 │あまりありませんが、かといって劇的に変化するわけでもありません。
 │緩やかに移動することが多いということが明らかになったわけです。


┌─┐
│Q│理科に対する態度面はいかがでしょうか?
└┬┘
 │
 │ よく国際調査で「教科が好きだ」とか、「学習が楽しい」など耳にしま
 │すよね。今回の調査で細かく分析してみたところ、生徒の態度が学年ごと
 │に変わってくるという事実が浮かび上がってきました。生徒は、成績が上
 │がっている状態のときに態度もよくなるのです。さらに、追跡調査なので
 │高校卒業後の10年目の調査もできました。そこで、理系の進路に進んだ方
 │に焦点をあててみましょう。意外にも、小・中・高校時代には成績が中位
 │や下位のあたりだった生徒が少なくないのです。この調査では将来、どん
 │な職業に就きたいかも質問しており、そういった子どもたちは、在校中の
 │成績はバツグンではなかったけれども、理系の職業に就きたいとの信念を
 │持っていたというケースもあったのです。これは、今回の調査で細かく分
 │析したからこそ見えてきたことといえるでしょう。


┌─┐
│Q│理科の得点や理科に対する態度はどのように関係しているのでしょうか?
└┬┘
 │
 │ まず、理科の得点と他の調査項目との相関を分析しました。この結果、
 │小5、中2、高2いずれの学年においても理科と、算数・数学の得点の相関
 │が最も高いことが判明しました。さらに、中学・高校で生徒中心の理科授
 │業を行うか否かという授業スタイルと、生徒の理科に対する好き嫌いの相
 │関が高いということがわかりました。つまり、教師は生徒の反応を考えず
 │に黒板に文字を書き続ける授業をするよりも、生徒の考えをとり入れる、
 │または生徒の興味・関心を引く仕掛けを用意した授業を行うことが効果的
 │といえます。また、中学生や高校生に見られる傾向として、私たちの社会
 │生活にとって理科系分野が大切であるとの価値を認める意識と、理科が好
 │きだと考えることにも相関があることも明らかになりました。
 │
 │ ところで私たちはこの調査と並行して、大学生の調査にも乗り出しまし
 │た。そこで学生の理科に対する好き嫌いについて、どのような条件が関わ
 │っているのかを調べてみました。中学校段階の理科では、物理・化学分野
 │の第1分野と、生物・地学分野の第2分野では、全く違う内容であるため、
 │学年が上がっても第2分野をいつまでも好きだという気持ちを持ちつづけ
 │る生徒が多く見られます。しかしこれが第1分野となると、嫌う傾向が出
 │てくる。なぜでしょう? 理由を質問してみると、答えは「計算があるか
 │ら」とのこと。そして先生の関わりも大切です。なぜなら、成績が良い、
 │あるいは理科が好きであったという生徒は、授業担当の先生に対して好印
 │象を抱いていることが明らかになったからです。


┌─┐
│Q│国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)と似ているようにも思いますが、
└┬┘どのような点が今回の調査の特色でしょうか?
 │
 │ 研究デザインがちょっと違います。今回の調査の場合には、学習成果と
 │しての到達度と指導方法や生活の上で理科がどう関わるかといった実態を
 │調べたかったのです。例えば、児童・生徒は学校の授業としての理科から
 │離れた状況にいる時にも科学館に行くのかなどです。それこそ、野山を駆
 │けずり回って遊んでいるのかなどの生活の実態です。
 │
 │ また、TIMSSは社会状況の変化に敏感で、どんどん質問紙も変わります。
 │現在は学校生活に関する質問に留まらず、家庭での親との関わり等を重視
 │して聞くようになっています。一方、我々の調査では、社会情勢の変化に
 │左右され、データの偏りが見られる箇所も多少ありましたが、追跡調査な
 │ので質問紙を付加したり、基本的に設問は変更したりはしませんでした。


■理科の授業は確実に変化してきている!
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┌─┐
│Q│先生の理科の指導は変化があるのでしょうか?
└┬┘
 │
 │ 質問紙調査では、指導方法に関しても子どもたちに質問しています。例
 │えば、前時の復習や野外実習などの頻度を、毎日なのか、週1回か、月1回
 │か、学期に1回くらいか、めったにないのかと尋ねています。
 │
 │ これらを得点化したところ、先生によって授業方法に幅があることが分
 │かりました。また、中学校では、授業を教科書中心に行う頻度のばらつき
 │が近年大きくなったことが判明したのです。
 │
 │ 理科特有の実験に着目しても、調査した10年間では頻度が増えています。
 │ただ、コンピュータの授業への導入に関しては、さほど進んでいないとい
 │う結果が出ています。どちらかというと、中学校で停滞しているものの、
 │実は小学校の方が進んでいるということがわかりました。とはいえまだま
 │だ少ない現状は対策課題といえるでしょう。


■調査の推進を担う科研費
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─┐
│Q│一連の調査でどんな点に苦労されましたか?
└┬┘
 │
 │ 毎年、調査への協力依頼のために、各学校に我々自らの足で直接説明に
 │行くんです。自分の目で、どういうところに学校が建っているのか、炎天
 │下、駅からおりて迷いつつ捜し歩くわけです。クラブ活動は毎日やってい
 │るのかなども見ます。そして夏休みに、教務主任の先生とか、学年主任の
 │先生とかにお願いして、質問紙調査の手順や時期の説明をしました。これ
 │がなかなか大変な思い出です。教育委員会・教育センターを通して手続き
 │を踏んでいますので、現場の指導主事とも直接かかわります。彼らに県の
 │状況を説明いただくとともに、実際に一緒に各学校への説明も同行願うこ
 │ともするのです。そのための旅費は科研費の使いどころでしたね。
 │
 │ 最初は苦労の連続でしたよ。調査対象全部の学校をまわるわけですから。
 │私は北関東の県庁所在地を担当したのですけれども、小学校・中学校合
 │わせて20校以上、全て歩きました。教育センターの所長と、指導主事の3
 │人が2日間でまわら無くてはならないというので、すっ飛び歩いていたの
 │です。携帯もまだありませんでしたから、学校の電話を拝借し、「只今、
 │前の学校での説明が終わりますので、あと5分位で参ります!」などと連
 │絡しつつ訪問していました。


┌─┐
│Q│最初から科研費を利用した研究としてお考えだったのでしょうか?
└┬┘
 │
 │ いいえ。最初は自分たちの研究費を出し合っていました。予備調査のこ
 │ろは、1人10万円ずつ出しましょうという具合でした。5人だから50万円。
 │その後目処が立ったので、予備調査を2回し、その結果をもとに科研費を
 │申請しました。採択されてからは科研費を使用させていただきました。具
 │体的には、問題冊子や印刷、郵送、採点・入力に関わる費用などに使用し
 │ました。その後は、研究所としてのプロジェクトしても認められたので、
 │そちらの研究費も利用できるようになりました。


┌─┐
│Q│この2年間の科研費の補助は、17年に及ぶ研究のどの部分に貢献したの
└┬┘でしょうか?
 │
 │ 最後の2年間の科研費(2006〜2007年度)は、平成10年告示の学習指導
 │要領の下での教育課程が学校現場に定着した時点での学力や指導状況を確
 │認するために行ったものです。
 │
 │ 特に2006年度の高等学校2年生を対象とした調査は、1989年、1992年、
 │1995年、1998年、2002年に続く6回目の調査であり、その間の社会の変化
 │はかなり大きなものがありました。最初に調査した高校生は1980年代を通
 │して学校教育を受けた世代であり、いわゆる「ゆとり世代」です。その生
 │徒達とバブルまっただなかに生まれ、21世紀になって中学校・高等学校の
 │生活を送る生徒達を比較する意味は大きいと考え、いったん収束に向かい
 │つつあった調査の区切りをつけるために行い、我々プロジェクトメンバー
 │にとっても大きな意義があるものとなりました。
 │
 │ その結果は、学力低下が叫ばれた約10年前の前後の調査結果に比べ、学
 │力や態度の面で向上が見られ、低成長時代を迎えた世の中で教育への関心
 │や取り組みの姿勢が変化したことが、このデータからも窺えるのではない
 │かと思っています。


■好きこそ物の上手なれ、理系進学も夢じゃない!
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┌─┐
│Q│調査の結果は今後どのように活用できますでしょうか?
└┬┘
 │
 │ 調査結果の利用について、よくみなさんが誤解していることについてお
 │話します。それは、理系に進む生徒ならば理数の能力が高くなければなら
 │ない。あるいは、小学校時代から、バリバリ算数・理科で点数を取ること
 │が出来ないと理数には進めないといった偏見です。しかしこのたびの調査
 │結果から、大学院レベルで博士号を取得するような能力と実力をもってし
 │て就職した人、あるいは研究機関あるいは大学に行きたいという人たちで
 │も、実はそれ程小学校時代からすごい成績を取っていたわけではないこと
 │が言えるのです。ただ共通している要素として、理系科目を「好き」であ
 │ることが鍵といえます。そこに、「意欲」も隠れています。そのようなこ
 │とを明らかにしているデータって、あまりありませんよね。そこで我々は、
 │中・高の進路指導の先生方が普段感覚的に「理系選択の道を選ぶ際には学
 │力だけでは測れない何かがある」と分かっていることを、ケーススタディ
 │ではありますが、具体的なデータとして調査結果を示しながら、今後明ら
 │かにしていきたいと思っています。

______________
] インタビューを終えて [
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 国立教育政策研究所の前身である国立教育研究所時代の昭和36年から実施し
てきた国際的な数学・理科教育に関するわが国の状況などの調査の数々。しか
し、理数教育の現状を解明するこれらの調査では、生徒個人の実態が見えてき
ませんでした。猿田先生は、ここから大きな一歩として、児童・生徒個々人の
成長を追いかけることに踏み出されるというご研究をなさったのです。17年と
いう調査期間に思わず驚嘆の声を上げてしまいました。現場教員にとって授業
改善のバイブルとなるような、示唆がつまった宝箱のようだと感じました。貴
重なお話をきかせてくださった猿田先生、ありがとうございました。


※残念ながら、Beating紙面だけでは、猿田祐嗣先生の研究の魅力はお伝えし
きれません。そこで、取材の写真などをBEATブログに掲載いたしましたので、
宜しければご覧ください!
Beating 第66号:取材ノート (国立教育政策研究所 猿田祐嗣先生)
http://blog.beatiii.jp/beating_66.html

◎特集記事協力◎
帯刀 菜奈/東京大学 大学院 学際情報学府 修士1年

______________
]  次回の直撃取材は ? [
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 次回は、高専生に対して創造教育を実践している徳山工業高等専門学校の藤
本先生・門脇先生を直撃の予定です。お楽しみに!


┏━━━━┯━━━━━━┓
┃お知らせ│BEAT Seminar┠──────────────────────
┗━━━━┷━━━━━━┛2009年度 第3回 BEAT公開研究会
「モバイルARが拓くPlace Based Learningの世界」 12月5日(土)開催!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
BEAT(東京大学大学院情報学環ベネッセ先端教育技術学講座)では、公開
研究会「モバイルARが拓くPlace Based Learningの世界」を開催いたします。

 モバイルARは、拡張現実(Augumented Reality)技術を携帯デバイスで実現
するもので、ケータイをかざすことによって、その場の映像の上に様々な情報
を重ねて見ることができます。iPhone用のアプリケーション「セカイカメラ」
で注目を集めたこの技術は、他キャリアのケータイでの試験的サービスも
始まっており、近い将来教育をはじめとした各種サービスの基盤になる可能性
を持っています。
 教育の領域でも博物館などでARの利用が進められてきましたが、モバイル
ARの出現によって、様々な場所で学びのきっかけを作り出すことが可能になり
ます。今回のBEAT Seminarでは、試行的に行われている事例を検討し、今後
新しく生まれてくるであろう場所を基盤とした学習の可能性について検討して
いきたいと考えています。

 ご参加を希望される方は、お早目のご登録をお願いいたします。

-------------【2009年度 第3回 BEAT Seminar概要】-------------
■主催:東京大学大学院情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座
■主催:東京大学大学院情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座
■日時:2009年12月5日(土) 午後2時00分〜午後5時00分
■場所:東京大学 本郷キャンパス 情報学環・福武ホール(赤門横)
    福武ラーニングシアター(B2F)
    http://www.beatiii.jp/seminar/seminar-map40.pdf
■定員:180名(お早めにお申し込みください)
■参加方法:参加希望の方は、BEAT Webサイト
      http://www.beatiii.jp/seminar/?rf=bt_m66
      にて、ご登録をお願いいたします。
■参加費:無料

■内容:
1.趣旨説明 山内祐平(東京大学大学院情報学環 准教授(BEAT併任))
      久松慎一(BEAT特任研究員)

2.◎講演(問題提起・事例紹介)
 [事例紹介]
  ・Past Viewer / 東京大学ARキャンパスツアー
  中杉啓秋(博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所)
  ・バーチャル飛鳥京
  角田哲也(株式会社アスカラボ代表取締役)

 [指定討論]
  西森年寿(東京大学教養学部 特任准教授)

3.参加者によるグループディスカッション

4.パネルディスカッション
 『場所を基盤とした新しい学びの形とは』
 司会:山内祐平
 パネラー:中杉啓秋・角田哲也・西森年寿


┏━━━━┯━━━━┓
┃お知らせ│ UTalk ┠────────────────────────
┗━━━━┷━━━━┛「UTalk 大学ってなに?
            〜メディア学者が考える知識の未来〜」のご案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 UTalkは、様々な領域で活躍している東京大学の研究者をゲストとして招き、
毎月開催するイベントです。カフェならではの雰囲気、空気感を大切にし、気
軽にお茶をする感覚のまま、ゲストとの会話をお楽しみいただける場となって
います。

 UTalkのコンセプトのひとつに、「大学と社会の架け橋」というアイデアが
あります。大学を広く社会に対して開いていく窓口になろうというものです。
しかし、では、「大学」というのはそもそも何なのでしょうか? 勉強をする
ところ、研究をするところ、いろいろ言い方はありそうですが、どうも、
「知識」に関わる場所であることは間違いなさそうです。

 12月のUTalkでは、メディア研究者であり、UTalkを企画している大学院情報
学環の前学環長でもある、吉見俊哉さん(情報学環・教授)に、「知識」をキ
ーワードにして、大学とは何か、その誕生と変容、新たなコンセプトが模索さ
れている現在についてお話を伺います。みなさまのご参加をお待ちしています。

日時:12月12日(土)午後2:00〜3:00
場所:UT Cafe BERTHOLLET Rouge
   (東京大学 本郷キャン パス 赤門横)
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access.html
料金:500円(要予約)
定員:15名
申し込み方法:(1)お名前(2)ご所属(3)ご連絡先
       (4)このイベントをお知りになったきっかけ
       をご記入の上、utalk2009@ylab.jp  までご連絡ください。

※申し込みの締め切りは、12月6日(日)までとします。

なお、申し込み者多数の場合は抽選とさせていただく場合がございます。 
ご了承ください。

┏┯━━━━━━━━━┓
┃│ 編 集 後 記 ┠──────────────────────┤
┗┷━━━━━━━━━┛
 国立教育政策研究所は、以前目黒にありましたが、2008年の文部科学省の新
庁舎完成に伴い、この霞ヶ関に移転されたそうです。猿田先生は、このとても
きれいな建物で研究に励んでおられました。

 プロジェクトを支えたメンバーの先生方は今は、異動などであちこちに散っ
てしまわれたようですが、膨大で大変貴重なデータの分析を猿田先生はこれか
らも続けられるそうです。続報を聞くのが大変楽しみですね!

ご意見・ご感想をお待ちしております。
「Beating」編集担当 御園 真史 (みその ただし)

-------次回発行は12月29日の予定です。
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ベネッセ先端教育技術学講座にて、「Beating」からのお知らせのためだけに
使用いたします。また、ご本人の同意なく、第三者に提供することはございま
せん。

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ご遠慮いただいておりますので、転載を希望される場合はご連絡下さい。

□登録アドレスの変更、登録解除などは
  http://www.beatiii.jp/beating/?rf=bt_m066b

□ご意見・ご感想は…
「Beating」編集担当 御園 真史 misono@beatiii.jp
(東京大学大学院情報学環ベネッセ先端教育技術学講座 特任助教)

□「BEAT」公式Webサイト http://www.beatiii.jp/?rf=bt_m066c

□発行:東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」
Copyright(c) 2009. Interfaculty Initiative in information Studies,
The University of Tokyo. All Rights Reserved.

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