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Beating 第34号
2006年度Beating特集「5分でわかる学習プロジェクト講座」
最終回:総集編・メイキングオブ「5分でわかる学習プロジェクト講座」

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  東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」   
  メールマガジン「Beating」第34号     2007年3月27日発行    
                        現在登録者1325名   
  2006年度Beating特集「5分でわかる学習プロジェクト講座」
   最終回:総集編・メイキングオブ「5分でわかる学習プロジェクト講座」

           http://www.beatiii.jp/
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みなさん、いかがお過ごしですか?

先週の「BEAT 2006年度研究成果報告会」には多くの方が足をお運び下さり、
2006年度BEATを無事締め括る事が出来ました。ありがとうございました。
2007年度よりBEATのバージョンアップと共にBeatingをリニューアルしてお届
け致します。今後ともよろしくお願い致します。

それでは、2006年度を締めくくるBeating第34号のスタートです!

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┃★CONTENTS★
┃■1.  特集:2006年度Beating特集「5分でわかる学習プロジェクト講座」
┃    最終回:総集編・メイキングオブ「5分でわかる学習プロジェクト講座」
┃
┃■2. 【BEATフェロー挨拶】『 Next BEAT - 次の3年に向けて - 』
┃
┃■3. 【お知らせ】2007年度BEATの予定について
┃
┃■4.  編集後記
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■1. 特集:2006年度Beating特集「5分でわかる学習プロジェクト講座」
   最終回:総集編・メイキングオブ「5分でわかる学習プロジェクト講座」
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今年度のBeatingではこれまで、BEATの研究をより理解していただくため、
Beatingで昨年度までに見てきた学習理論を土壌に、世界各地で花開いている
学習プロジェクトを、1年を通じてみなさんに紹介してきました。

昨年度のBeatingバックナンバー
http://www.beatiii.jp/beating/index.html

「◯◯理論とは言うけれど、いまいち具体的なイメージがわかないなあ…」
「どうやったら教室や学びの場に実際に使えるのだろう?」そんな声にお答え
するべく、1年間、古今東西学習プロジェクトの"いま"をお届けしてきました。

これまでに皆さんにお届けしてきた記事は以下の11本です。

第1回:書くことが、より深く知ることに繋がっていく〜『Knowledge Forum』
第2回:デザインすることから科学する技術を学ぶ〜『Learning By Design』
第3回:科学を身近なものへ〜Webによる学びの共同体〜 『WISE』
第4回:ゲーム・プログラミングによる学び方の学び〜『Scratch』
第5回:オンライン上の教師の街〜『Tapped In』
第6回:みんなで作る、知識を統合するノート〜『ReCoNote』
第7回:ビデオカメラを新しい研究の道具へ〜『DIVER』
第8回:学習研究のヨーロッパ連合〜『Kaleidoscope』
第9回:学習科学の基礎を目指す〜 『LearnLab』
第10回:学びの全体としての“生”を捉える〜『LIFE』
第11回:モバイルラーニング新世紀〜 『なりきりEnglish!』

最終回の今回は総集編ということで、これまでの記事を振り返ってみたいと思
います。今年度の特集記事の趣旨は、学習理論の応用として学習プロジェクト
を紹介する、ということだったので、おまけとしてそれぞれのプロジェクトに
理論的キーワードもつけてみました。では、はじめましょう!


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●第1回:書くことが、より深く知ることに繋がっていく〜『Knowledge Forum』
http://beatiii.jp/beating/023.html

キーワード:CSILE、知識構築(ナレッジ・ビルディング)

記念すべき第1回は、自分や他人のノートを使って学習者が意識的に知識を構
成していくことを支援したプロジェクトを紹介しました。単に事実を書き連ね
るだけでなく、書くことによって理解を深化させるよう支援していくことで、
知識構築が促されることがわかってきています。CSILE(Computer-Supported
Intentional Learning Environment:コンピュータに支援された自覚的な学習
環境)という考え方に基づくプロジェクトです。



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●第2回:デザインすることから科学する技術を学ぶ〜『Learning By Design』
http://beatiii.jp/beating/024.html

キーワード:協調学習、ものづくり

第2回は、実際にものをデザインしてみることから、「科学する技術」とでも
呼ぶべき科学的な考え方を身につけるためのプロジェクトを紹介しました。も
のを作るという協調的な活動について教師が「足場掛け:Scaffolding」を行
う中で、子どもたちはデザイン・サイクルを繰り返し、うまく知識を構成する
ことができていました。



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●第3回:科学を身近なものへ〜Webによる学びの共同体〜 『WISE』
http://beatiii.jp/beating/025.html

キーワード:探求型学習、知識統合(ナレッジ・インテグレーション)

第3回は、科学がどうやって日常生活に関わっているのか、学んでいくための
プロジェクトを紹介しました。Webを使って教室と日常世界を繋げることで、
子供たちは探求的に学んでいきます。このプロジェクトでは、科学の内容が本
当は日常生活に役に立つということを身の回りの問題から学ぶことの重要性が
あきらかにされてきました。



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●第4回:ゲーム・プログラミングによる学び方の学び〜『Scratch』
http://beatiii.jp/beating/026.html

キーワード:構成主義(コンストラクショニズム)

第4回のScratchは、簡単なゲーム・プログラミングのためのソフトウェアでし
た。これは、シーモア・パパートによる構成主義(Constructionism)、つま
り、人がものを作る(構成する)ことを通じて知識を得る(構成する)という
考え方に基づいていました。子どもたちはゲームを作ることを通じて、新たな
情報技術を用いた学びのやり方を学んでいたのです。



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●第5回:オンライン上の教師の街〜『Tapped In』
http://beatiii.jp/beating/027.html

キーワード:教師の専門性、オンラインコミュニティ

第5回は、教師としての専門性を獲得したいと願う教師たちに、インターネッ
トを介して新しい学びの可能性を提供するプロジェクトを紹介しました。そこ
では、テストの方法からクラス運営の仕方まで、様々な情報ソースにアクセス
することができ、教師の専門性発達のための新しい形の学びのオンラインコミ
ュニティができあがりつつあるのです。



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●第6回:みんなで作る、知識を統合するノート〜『ReCoNote』
http://beatiii.jp/beating/028.html

キーワード:協調学習、ジグソーメソッド、知識統合(ナレッジ・インテグレ
ーション)

第6回は、日本のプロジェクトとして、知識統合を支援する付箋のようなノー
ト、ReCoNoteを紹介しました。ジグソーメソッドを拡張した協調的な活動の中
で、自分の考えを付箋に書いて共有することで、高レベルの知識統合を支援す
るというものでした。協調学習の良さを最大限に発揮しようとしたプロジェク
トでしたね。



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●第7回:ビデオカメラを新しい研究の道具へ〜『DIVER』
http://beatiii.jp/beating/029.html

キーワード:デジタルビデオカメラ、学習研究

第7回以降はこれまでとは少し毛色が変わり、大規模な研究プロジェクトの紹
介が多くなります。まずは、学習研究の方法として新たにビデオカメラを使っ
たプロジェクトを紹介しました。複数のレンズと鏡を組み合わせたシステムに
よって、対象のまわり全て、360度全景を撮影することが可能になります。こ
うして授業撮影することで「学びの場面」が記録されます。研究の方法も日々
新しくなっているのです。



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●第8回:学習研究のヨーロッパ連合〜『Kaleidoscope』
http://beatiii.jp/beating/030.html

キーワード:大規模プロジェクト、学際研究

第8回はヨーロッパの動向として、ドイツやフランス、イギリスなど、国境を
越えた学習研究の連合体、Kaleidoscopeを紹介しました。教育学や社会科学、
コンピュータ科学など、分野を横断したさまざまな学際研究プロジェクトが生
まれ、育っていく母体として、プロジェクトは現在も進行中です。



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●第9回:学習科学の基礎を目指す〜 『LearnLab』
http://beatiii.jp/beating/031.html

キーワード:大規模プロジェクト、学習の分類

第9回でとりあげたのは、学びとは何かを知るために、マクロレベルで学習の
一般的な分類化を行ない、その分類を実現しているミクロレベルの行動や思考
を詳細に記述してことを目指したプロジェクトでした。学びの共同体そのもの
を作り出し、学びとは何かを捉えようとする動きが加速しています。



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●第10回:学びの全体としての“生”を捉える〜『LIFE』
http://beatiii.jp/beating/032.html

キーワード:大規模プロジェクト、インフォーマルな学び

第10回のLIFEは、スタンフォード大学とワシントン大学の共同研究プロジェク
トであり、学校内での学習(フォーマルな学び)だけだなく、インフォーマル
な学びにも注目している新しいプロジェクトでした。学びの全体としての“生”
(LIFE)の全容を明らかにするため、さまざまな小プロジェクトが進められ
ています。


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●第11回:モバイルラーニング新世紀〜 『なりきりEnglish!』
http://beatiii.jp/beating/033.html

キーワード:モバイル、英語学習

第11回では、BEAT(ベネッセ先端教育技術学講座)の最新プロジェクトでもあ
る「なりきりEnglish!」を紹介しました。スキマ時間を利用できるモバイル端
末の中で、学習者がよりリアルに感じられる文脈を使い、最新のリスニング理
論による英語学習教材が作られているさまがお伝えできたかと思います。



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いかがでしたでしょうか。大きなものから小さなものまで、数多くの魅力的な
学習プロジェクトがありましたね。学習プロジェクトとは、むずかしい理論だ
けで成り立つものではありません。さまざまな理論をもとに、実際に現実の世
界と関わり、現実を変えていくひとつの試みです。そして、BEATもその中のひ
とつなのです。

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●参考URL
BEAT
http://www.beatiii.jp/

(特集記事協力:
 三宅正樹/東京大学 大学院 学際情報学府 修士1年
 平野智紀/東京大学 大学院 学際情報学府 修士1年)
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1年間ご愛読ありがとうございました。来年度のBeatingは、執筆スタッフを一
新し、また新たなテーマで1年間、お送りしていきます。どうぞお楽しみに!


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■2. 【BEATフェロー挨拶】『 Next BEAT - 次の3年に向けて - 』
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Beating購読者のみなさま

BEATは、この3月をもって、第1期である2004年度〜2006年度を無事終了するこ
とができました。

また、ベネッセコーポレーション様のご厚意により、第2期: 2007年度〜2009年
度の継続が決まりました。

これも、様々な形でBEATに関わっていただきました皆様のおかげです。深く御礼
申し上げます。

第1期は、モバイル・ユビキタス技術の教育利用をテーマに、プロジェクト研究
を展開してきました。これらの研究の中で、モバイル・ユビキタス技術の教育
利用について、一つの方向性が見えてきました。一般的に、モバイル・ユビキ
タス技術は、「いつでも・どこでも」学習できることに価値があるとされてい
ます。しかし、我々は逆に、「今・ここで」という状況の特殊性に注目すべき
であると考えています。

・『Monogatari』は、RFIDを用いた接触型インターフェイスにより、学習者が
 知りたい部分を検知し、それにあったコンテンツを提示します。
 http://beatiii.jp/seminar/007.html

・『おやこdeサイエンス』は、ケータイを用いて学習者の状況を知り、親に
 メッセージを送ることによって、親子の対話を促進し学習を深めます。
 http://beatiii.jp/seminar/020_2.html

今までの教材や教育システムは、万人にベストなものを作って、たくさんの人
に使ってもらうというモデルで作られていました。モバイル・ユビキタス技術
は、これに対して、学習者ひとりひとりの状況に対応した学習環境の基盤にな
りうるのです。

BEAT第2期である2007年度から2009年度は、「学びの状況に動的に応答する学習
環境」の構築を目指します。

次の3年は、以下のようなキーワードを中心に展開していくことになるでしょう。

・コンテキスト・テクノロジー:
  モバイル・ユビキタス技術で学習者の状況を知る
・コンテンツとユーザー参加の統合:
 文脈に対応したコンテンツの動的生成・Web 2.0的ユーザー参加の統合
・デジタル・ポートフォリオ:
  大量・長期間の学習履歴情報を活用する

BEATは、2007年4月に、さらにパワーアップして再スタートをきります。
みなさまのご支援をよろしくお願いいたします。

                       東京大学 情報学環 助教授
                             BEATフェロー
                               山内 祐平

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■3. 【お知らせ】2007年度BEATの予定について
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2007年度第1回BEAT Seminar は、6月に開催予定です。プログラムの詳細は、
5月初旬にWebに掲載する予定です。他、様々なお知らせをBeatingでもお伝え
していく予定です。

どうぞお見逃しのないよう、よろしくお願い致します。

また、4月中旬にはWebを一部リニューアルする予定です。第2期BEATの情報を
より分かりやすく、第1期BEATで蓄積した貴重で膨大な情報はアクセスしやす
く、皆さまにご提供できればと考えております。

BEAT Webのバージョンアップもお楽しみに!


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■4. 編集後記
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2006年度最後のBeatingをお読みいただき、ありがとうございました。

本号において、2006年度終了と共にBEAT第1期とも呼べる3年間が終了します。
長い間ご購読ありがとうございました。

私自身もBEATをお手伝いする事と共に始まった学生生活が今年で無事節目を迎
えることになりました。その間、BEATによる素敵な出会いや新たな発見・学ぶ
喜び等体験することが出来ました。が、同時に、自身の幼児を対象にした修士
の開発研究においては、育児での体験と研究という文脈との乖離を感じ、悩む
こともありました。

そんな中、理論と実践の葛藤とも呼べるこの悩みは、BEATというコミュニティ
に属する皆さまにも多かれ少なかれ共通するものではないかと気づき、心強く
感じました。これからもBEATの活動と共に成長していければと思います。

今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。


                        「Beating」編集担当
                             佐藤 朝美
                         satomo@beatiii.jp


-------1年間ありがとうございました。次年度発行は4月末の予定です。
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「Beating」編集担当
佐藤 朝美(東京大学大学院 学際情報学府 山内祐平研究室 修士課程2年)
satomo@beatiii.jp

□「BEAT」公式Webサイト
http://www.beatiii.jp/

□発行
東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」

Copyright(c) 2007. Interfaculty Initiative in information Studies,
The University of Tokyo. All Rights Reserved.
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